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No.595 小黒恵子氏の記事-15 (響け、天使の声)

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回も、1996年に東急沿線新聞に記載された「花とライオン音楽賞」関連の紹介記事です。

「花とライオン音楽賞」を受賞 大田区鵜の木クラウン少女合唱団
岡崎清吾さん主宰 32年間に1000人が入団 98年米国に演奏旅行
響け、天使の声 15日・イイノホールで記念コンサート

   
地域のボランティア演奏や海外の児童合唱団との交流が認められ、第一回「花とライオン児童合唱音楽賞」を受賞した「クラウン少女合唱団」は九月十五日、受賞を記念する第二十七回定期演奏会を千代田区内幸町のイイノホールで開く。
     
指揮者で日本少年少女合唱連盟事務局長の岡崎清吾さん(七〇)主宰の「クラウン少女合唱団」は一九六四年、大田区鵜木で産声をあげた。団員は幼児から高校生まで六十人。「歌が好き。もっと本格的にやりたい」という熱意に燃える野澤美由紀さん(一六)、森綾子さん(一五)、青砥直美さん(一四)らは毎週日曜日、全体練習のためにスタジオに通ってくる。少女合唱団ではあるが男児にも門戸を開放、金光恒治くん(九つ)ら“黒三点”も活躍する。
「花とライオン児童合唱音楽賞」は、川崎市高津区諏訪の自宅に童謡記念館を開設した詩人の小黒恵子さん(六七)が、私財三千万円を投じて文部大臣認可の公益信託小黒恵子児童合唱音楽振興基金を設立したもので、毎年七月、全国の少年少女合唱団から一団体を選び副賞百万円を贈る。その初代合唱団に選ばれた。
小黒さんは「花のようにやさしく美しく、ライオンのように強くたくましく、誇り高く成長してほしいと願いを込めた名称です」というが、同団との出会いは八四年二月の猛吹雪の朝。多摩川畔でサケの稚魚三十万匹を放流した際、小黒恵子作詞、湯山昭作曲の「ふるさとは多摩川」を“天使の声”で歌い、自然回帰を祈った。
過去三十二年間に籍を置いた団員は約千人。ひと頃は百人を越えたが「近年進む少子化と塾通いや部活動に追われる子供が多く、音楽環境は決して褒められたものではない」と岡崎さん。しかし「天賦の才をもつ子供がいて、将来が楽しみ」と相好を崩した。九八年春には、ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルとの米国公演を予定しており、意欲を燃やす。
受賞記念の演奏会は四部構成。「子供たちは吸い取り紙と同じ、歌詞を覚えるのがはやい」と約百曲のレパートリーの中から合唱組曲「美しい朝」、副指揮者の岡崎肇編曲シリーズほかを演奏するが、同団OG三十人でつくる「ハミングバード」も友情出演、花を添える。演奏会に備え、今夏も山梨・山中湖畔で五泊六日の合宿を行い、美しいハーモニーに磨きをかけた。
午後一時半開演。入場料二千五百円(全席自由)、チケットぴあで発売。
なお、クラウン少女合唱団では団員を募集しており、九月二十三日午後二時から面接会を開く。詳しくは☏〇三(三七五〇)七九六一・岡崎さんへ

東急沿線新聞 平成8年(1996年)9月11日

現在は、川崎市に遺贈され、リニューアルしてオープンしています。色々とイベントも行っていますので、当館ホームページでご確認ください。

  最後までお読みいただき、ありがとうございました。
  次回も、1996年に新聞に掲載された記事を、ご紹介します。(S)

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