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詩のご紹介172 距離(小黒恵子作) ~エメラルドの約束

 こんにちは。小黒恵子童謡記念館です。

 今回の詩は、大人の詩集第2作目「エメラルドの約束」から、「距離」(リンゴに雨が降るように)です。

「詩集:エメラルドの約束」については、下記をご覧ください。

まずは「目から」。

距離
~リンゴに雨が降るように 「エメラルドの約束」より~
小黒恵子作

追えば追うほど
遠くなったあなたとの距離

岸を離れた船のように
あなたは
水平線の彼方に消えてしまった

別れの朝
さめたコーヒーをみつめて
貝のようにだまっていたあなた
なぜ?
愛しても愛されなかったその理由(わけ)を
聞きたかったあたし

あなたは知っているかしら
涙といっしょに飲み乾(ほ)した
コーヒーの苦さを

 次は「耳」からお聴きください。

 朗読:大森寿枝
 
 最後まで、お読みお聴きいただき、ありがとうございます。
 次回の詩は「草の匂い」(「エメラルドの約束」~リンゴに雨が降るように~)です。(S)

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