Episode.7 姉妹でSwitchを買った話
久々に姉と出かけた日のこと。
姉が家電量販店に行きたいと言った。
「Switch、欲しいんだよねー」
と、ゲームコーナーに足を運ぶ。
「でもさ。Switch売り切れてて買えないんじゃないの?」
と、私が言う。
コロナで在宅時間が増え、ゲームの需要が爆上がりしていた時期だった。
「最近やっと買えるらしいのよ」
と、姉が言う通り、店頭にはふつーにSwitchが。
私と姉はお金を出し合って買った。
それから家に帰って、Switchを立ち上げたときの感動ったらない。
実は、私たち姉妹は学生の間、親にゲームを禁止されていた。
友達の家でたまにやるくらい。
だから社会人になって、自分たちのゲーム機を持てたことが嬉しい。
中でも、「リングフィットアドベンチャー」をやるのが楽しい。
ご存じの人も多いゲームだとは思うが、筋トレやストレッチでモンスターを倒すというゲームだ。
「そこは、もっと腕引いてー」
ゲームプレイ中の私に、傍で見ている姉が声をかけてくる。
姉は早くレベル上げをしてコツを知っているから、まるでトレーナーの様だ。
そして、ゲーム技の「ももあげあげ」(ひたすら両ももを上げる動きで、若干、滑稽な見た目)をしている私を見て、姉が「ぎゃはは」と笑いだす。
真面目にトレーニングする妹を馬鹿にするとは…。
リングフィットアドベンチャーのプレイ中は、ゲーム内の音声やSEと、姉の掛け声とが被さって、基本的にうるさかった。
けど月日が流れて、姉と別々に住むようになった今。
姉の掛け声が無いリングフィットアドベンチャーに、
なんだか寂しさを感じるときもある。
いつかリングフィットアドベンチャーで姉のレベルを超えたいし、
マリオカートで姉に勝ちたいし、また一緒にSwitchをやりたいと思う。
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