ミュージカル「ファントム」2019

当初は年内の予定ではなかった引越しが年内にずれまして、11月はバタバタと過ぎてしまいました。
引越し準備中の期間の中でファントム2019を鑑賞してきたので感想を書き留めておきます。

※ネタバレ内容を含む可能性がありますのでごらんになっていない方はご注意ください。

私の鑑賞は1回でちゃぴ・加藤和樹さん版です。このバージョンでの感想ですので、木下晴香さん・城田優さん版の感想ではありません。あくまで1パターンでの印象によるものです。

「新しい」ファントムとは

今回のポスター、告知で打っていた「もう一つの」ファントム。
その新しさは城田優の演出による「新解釈」でした。

今回同席した妹の知人(前職の東京支部の後輩で宝塚ファン)を含め、妹、私は宝塚雪組(望海風斗・真彩希帆)を観ています。
だいもん・きいちゃん版は真新しさはないけれど、イメージ通りといった感じ。今回の城田版は宝塚版でストーリーを知っていてなお、どこが「新しかった」のか?

私が感じた点は2つ。
①エリックの人物像の描写
②キャラクタービジュアルと色使いの変化
です。

①エリックの人物像描写
宝塚版を観る限りではエリックは孤独で愛に飢えた「青年」といった印象です。
城田版では身体だけが成長した「子供」感を強く感じました。
宝塚では青年、城田版は子供。
この精神年齢の幼さがもたらすストーリー全体の印象の違いに、正直戸惑いが残っています。

ガストン・ルルーの原作を読んだ上ではなく、映画版もチラッと知っている程度なので宝塚版に偏った見方をしているのは自覚していますが、情緒不安定な人格形成が誇張されてしまったような。。

正直、今回のエリックの場合、クリスティーヌにありのままの姿を受け入れられず、夢が破れて悲しむシーンで、その後「手に入らないのなら愛する人を殺して僕も死ぬ」と極端な道に走りそうな気がすら感じる精神的な危うさ、脆さがあったので、

「僕がいけなかったんだ。彼女を驚かせてしまって。。」
「悪くない人生だった。彼女に出会えて・・・」

という言葉が出てくることにギャップを感じる。

先日FNS歌謡祭で城田優のファントムが歌う姿を見て、本作は城田優ナイズされたファントムだと思いました。

加藤和樹さんも城田優さんも
狂気的な役、悪役を演じるのがとても上手い役者さんだなという印象があります。
斎藤工さんもそうですね。基本テニス出身者には一定数そういう闇を演じるのがうますぎる役者さんが誕生している印象があります。

上記のような闇の深さのある役の印象が強い役者のWキャストということもあり、エリックに狂気を私が勝手に抱きすぎてしまったのがいけないのかなあと思います。。
城田さんは現役の役者でもありますし、まだまだここからが演出家の伸び代なのだと思います。加藤和樹さんの持ち味とエリックというキャラクターが一番マッチするような役作りがピタっと嵌るのは時間がかかるのかもしれません。

城田さんのエリックは穏やかさのある歌声だったのでどちらというと従来通り、
加藤和樹さんは切迫した何かがある、叫びのようなものを歌声に乗せているイメージだったかな?と思いますが歌唱シーンだけでは判断できません。

Wキャスト版はいろんな組み合わせを見たほうが良いと思いのだな改めて感じました。

次の観劇までものすごく間があるためそのうちDVD鑑賞の感想でも書こうかなと思っております。

では。



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