新作ボードゲーム「タイムトランクマン」製作日誌 その1
こんにちは。オグランドです。
元おもちゃメーカーで、現在はエンターテイメント業界で勤めてます。根っからのエンタメ好きです。前職でドイツのボードゲームに出会ってから、その世界にどんどんのめり込んでしまい、それが高じて・・・ボードゲームを作るようになりました!
東京ゲームメイカーズ最新作の「タイムトランクマン」では、東京ゲームメイカーズの代表作を作ろう!という気合を入れ、全員の力を結集させることになりました。
その甲斐あって、ご覧のようなクールなデザインのゲームが完成しました!
私は主にゲームデザイン、ルール考案を担当しました。
このnoteでは、そんな私の視点から、「タイムトランクマン」をどのようにして作り上げていったかをお話していきます。
ワクワク と ワクワク を掛け合わせる
良いゲームには必ず、ワクワクがある…!
だから東京ゲームメイカーズでは、ゲームを作るときにまず、それでワクワクできるか?を考えます。
いつもは各人が勝手に決めるところですが、今回はメンバーでワクワクするキーワードを出し合い、ブレストをすることにしました。そして、出てきたワクワクワードに投票し、一番と二番とを決め、それらを組み合わせたものをテーマにすることにしました。結果は、『時間旅行』と『宝探し』でした。
『時間旅行』×『宝探し』
この2つの掛け合わせだけでワクワクしませんか???
テーマが決まったら、そこからは私の担当領域です。
まずテーマをどのようにしてボードゲームで表現するかを考えます。
『宝探し』のテーマは数多く世の中にもあり、イメージしやすいので、瞬間的にいくつものシステムが思い浮かびます。
隠されたものを見つける…洞窟を探検する…正体隠蔽的なもの…などなど。
「テーベの東」「ダイヤモンド」「トバゴ」「マンチキン」「悪魔城への馬車」など、ボードゲームにも多数あります。
一方、難しいのが『時間旅行』。これをどう表現するか・・・
時間を表現するのにタイムマーカー的な目盛りがあって、その目盛り上で駒を動かすことで表現するか。。。でも、これってワクワクしない。
この “ワクワクするか” は、テーマだけでなくゲームシステムでもキーワードになります。
そうして頭を悩ませているなか、ふと頭に浮かんだのが、ボードを移動したらいいのではないか?という案でした。1つのボードを1つの時代として、タイムトラベルする時代をいくつか決めてボードを行き来する。
ある時代には、まだそこは海でタイムトラベル出来なかったり、未来では今繋がっている道とは異なる道が出来ていたり!
あっ、これワクワクする!
ジレンマがゲームを面白くする
タイムトラベルしながら宝を集める。宝は差し当たっては金銀銅とか???
しかも、タイムトラベルするには、何かリスクがあったほうが面白そう!
それなら、集めた宝をエネルギーにしないといけないとなるとジレンマが生まれるのでは?
この “ジレンマ”もキーワードです。
絶対的な正解が分からないままに行動してうまくいったとき、楽しさを感じられます。
きっと、この宝=金銀銅は、時代によって価値観が違うかもしれないから、見つけた宝をより高く売れる時代に持っていって売ったらいいのでは?
それでいち早く目標金額を達成するとか。
売ると相場も変わると、その相場を読むという行為も生まれて楽しそう。
うんうん、良さそうかも。
時をかける商人的な・・・w
このあたりまでで、テストできるように、コピー用紙にプリントしたテストサンプルを作ります。
そして、早速メンバーでテスト。
・・・あれ、意外と相場が難しくて、とっつきにくい。。。
そう簡単にゲームのシステムは決まりません。どうしたものか…次回に続きます。
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