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「MISSION」から学ぶ、使命を持つことの大切さ

企業の経営理念の根幹には、ミッション・ビジョン・バリューがあります。
ミッションは、この企業の経営理念の根幹の1つです。 

・ミッション…企業が果たすべき使命や役割、存在意義
・ビジョン…企業の将来ありたい姿
・バリュー…ミッションの達成、ビジョンの実現のためにその企業が共有しておくべき価値基準

また、ミッションは世の中や顧客に提供し続けていく価値を示したものです。

ミッションをさらに深掘りしていくと、自社はなんのために存在しているのか、どのような価値を提供できるのかをはっきりと示したもので、未来における行動として企業にとって非常に重要なものです。 

経営者(リーダー)は、絵(=「ビジョン」)を描いて、これをメンバーに対して「この会社をこのようにしていきたい」というための使命や役割をわかりやすい言葉で示す事が求められます。

ミッションを言語化し、メンバー全員が共通認識として持っておくことによって、その企業の事業成長を加速することにも繋がります。 また、事業成長だけでなく、ミッションをしっかりメンバーへ浸透をしておくことによって、モチベーションの向上、ミッションに沿った自発的な動きを促すことにも繋がります。

「MISSION」とはどのような書籍か?

「MISSION」とは、スターバックスの元のCEOの岩田松雄氏の書籍です。
岩田松雄氏は、1982年に日産自動車に入社しました。

製造現場、財務からセールスマン至るまで幅広く経験し、経営理論を社内留学先のUCLAビジネススクールで学びました。帰国してからは、外資系コンサルティング会社などを経て、2000年(株)アトラスの代表取締役になり、見事に3期連続赤字企業を再生させました。

さらに、低迷していた日本のスターバックスのブランド価値を見事に再生させました。
この岩田松雄氏の経験から記された、下記のような2点を自発的に考え、自分のミッションとして構築していける書籍です。

・「自分はなぜ働くのか」
・「自分は何のために働くのか」

仕事を行っていく上で必要となるミッションに対する向き合い方を考えさせてくれます。

スターバックスはなぜ人気になったのか?

では、スターバックスはなぜ人気になったのでしょうか?スターバックスが人気になったのは、コーヒーが美味しいからという理由だけでしょうか?

多くの方は、あのスターバックスの空間、スタッフの対応に価値を感じているからこそ、その価値に対して対価を払っているのではないでしょうか。

ここでは、スターバックスのミッションついてご紹介します。
To inspire and nurture the human spirit
One person,one cup,and one neighborhood at a time
人々の心を豊かで活力あるものにするために—ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

スターバックスが特別で価値があるものという認識を持つ理由は、スターバックスとそこで働くメンバーに、このミッションが深く浸透しているからでしょう。

「自分はなぜ働くのか」、「自分は何のために働くのか」というような持続的な問いかけが、メンバーが自発的に行動するきっかけとなり、他社との「違い」を生み出して私たちに価値を提供しているのです。

スターバックスのお店では、長居している人でも追い出すようなことはありません。

では、スターバックスのお店で長居している人を追い出さないのはどうしてなのでしょうか?

この質問に対してスターバックスでは、

売上や会社としての視点から見ると制限時間を設けるのが最適ではあるが、そもそもスターバックスのミッションは、コーヒーを売ることではない。

と応えています

“BHAG”(Big Hairy Audacious Goals)という言葉をスターバックスでは大切にしていますが、これは「社運を賭けた大胆な目標」という意味です。つまり、スターバックスに来店されたお客様が、リラックスできたり、賢くなったりすればそれでいいと会社も思っています。

その結果、人々の心に活力と栄養を与えるというミッションを全うしているということに繋がる、と考えられているからです。

長居されているというポイントで見ると、一見すれば長居されること自体は収益面ではマイナスかもしれませんが、その後にファンになっていただきリピート来店していただくことも踏まえると、コアなファンから得られる対価は将来的には大きくなります。

「単に利益を上げるだけでなく、社会貢献をして、世の中を変えていく」ことが重要であるということです。

ミッションをしっかり持っている人物だけが火花散る瞬間を見出せる

「MISSION」の著者のスターバックスの元のCEOの岩田松雄氏は、自動車関係の会社に入社したばかりの頃、車体溶接工場を見学しているときに、上司から「火花が散っている瞬間だけが、本質的に付加価値を生み出している」ということを言われました。

これは、工場で仕事をしている人だけに言えることではなく、販売員の仕事をしている方であれば商品を購入されたお客様を見届ける瞬間、レストランで働いておられる人であればお客様が美味しそうに食べている姿が火花が散る瞬間です。

自分のミッション(何のために働いているのか?)を理解している人しか、この瞬間は味わうことはできません。

まとめ

ミッションを持つことの重要性についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

日々の業務に追われる中で、売上や目先の利益だけを追いかけてしまった経験もあるのではないでしょうか。

ミッションを持つことによって、見違えるほど、メンバーや企業は変わることができます。ミッションをメンバー全員に浸透させることは、次のように重要な役割を果たしてくれます。

・全員が同じゴールを目指すことができる
・ミッションを理解していれば、自発的に行動ができる
・ミッションへの貢献を感じると、モチベーションが上がる

もし、ミッションが不明確であったり、メンバーが求めているミッションを理解していないような状況であれば、この機会にミッションに向き合ってみてはいかがでしょうか。

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