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大盛況であった「語りべシアター公演2024初夏」

 こんにちは。エネルギー・文化研究所の栗本智代です。
私は、関西・大阪の活性化のため、まちの歴史や文化を楽しくわかりやすくご紹介する活動として、音楽の生演奏、映像、語りによる「語りべシアター」の公演を展開しています。これまで、地元の住民の方々、近畿圏の皆さまを対象に、地域の魅力やこれからのまちのあり様について、興味を深めていただきたく活動を続けてきました。
 2022年には、大阪市総合生涯学習センター主催「いちょうカレッジ」で「語りべになろう」と題した講座を行いましたが、修了された方々を中心にチームを組み、翌2023年に作品発表会を開催しました。大変好評をいただき、発表したメンバーもさらに活動意欲が増したということで、今年の5月30日に、2回目の発表会を開催しました。
(上の写真は、その1シーンです。) 


1.発表経験を生かして

 発表までの手順は以下の通りです。まず、チームで取り組むテーマを決めます。自分たちが住む街で、歴史的・文化的な資源やエピソードが山のようにある中、チーム内のメンバーが興味を持てるもの、得意分野や技術が活かせるもの、ショートストーリーとして組み立てられそうな素材などを模索し検討します。そして、文献調査や取材、台本と画像(パワーポイント)の制作、演出を含めた練習と、準備を進めていきます。もっとも大事なのは、テーマ設定で、紹介する範囲を広げすぎないことです。メンバーの視点や切り口、何をどこまで深く紹介していくか、そして、お客さまの立場に立って、いかにわかりやすく表現できるかが成功の鍵となります。
 昨年の発表会は、どのチームもはじめてのトライアルとして一から発表準備を始めたため、パワーポイントの画像の作り方や、テーマのこだわり方について、手探りで制作していました。そして実際お客さまの前で発表して、良かった点や修正すべき点などを体得できたのだと思います。今回の制作は、各チーム、要領を得ており、焦点の絞り方や表現などに工夫を凝らし、本番では、どの発表も1年前より内容が濃く、また、わかりやすくなっていました。また、プログラムの4番目として私も登壇し、語りべシアターの活動を立ち上げた第一作目の作品「曽根崎心中考」を音楽家とともに改めてお披露目しました。

発表者全員による記念撮影

2.プログラム

今回の発表内容は以下の通りです。( )内は、発表チーム名です。
①    「野球マンガと甲子園」(ボランティア講座同好会『ひまわり』チーム

②    「ありし日の川を偲んで橋々を巡る~心中天の網島 名残の橋づくし~」 (あんきょろりんチーム)

③    「昔はお薬だったの!? 大阪から始まった魅惑のスパイス」
 (たそがれの御堂筋チーム)

④    「曽根崎心中考2024」 (ロングランチーム:栗本智代、ピアノ宮川真由美さん、ヴァイオリン西村恵一さん)

 当日は、約90名のお客さまにお越しいただき満席となりました。お客さまからは、「大阪にまつわる歴史が学べて、非常によかった」「まだまだ知らない大阪があると思った。現地を訪ねたい」「かけあい、朗読、コント、音楽と映像と、いろいろな表現ですばらしい発表だった」「また次回も楽しみにしている」等々感想をいただき、非常に満足度が高かったことがうかがえました。 

3.活動の裾野を広げる

 また、今回の公演には不参加でしたが、コロナ禍前からこの活動を継続している「ヒストリアX」というチームから、先月、メンバーの一人が住んでいるマンション自治会の集いで、以前に制作した「1970年大阪万博レガシー」という作品をブラッシュアップさせて公演したとの報告がありました。このチームは、各メンバーが関わる地域のコミュニティで、積極的に発表の機会を創出しており、まちの物語を伝えるとともに、地域の集いの「場」を活性化させています。

ヒストリアXチームによる「1970年大阪万博レガシー」上演の模様

  今後の「語りべシアター」の展開としては、各チームが、時には個別にそれぞれの地域コミュニティで、時には一堂に会して、多様な場所や形式で公演を開催しながら、活動の裾野をさらに広げていくことを目標にしています。住民の方に知的好奇心を高めていただく学びの機会を提供することで、一人でも多くの方が、わがまちに興味を持ち、誇りに思い、それが地域や人の元気につながると信じて、これからも模索しながら活動を続けたいと思っています。


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