エネルギー・文化研究所/大阪ガスネットワーク株式会社

エネルギー・文化研究所(通称CEL)は、1986年、大阪ガスの企業内研究所として設立さ…

エネルギー・文化研究所/大阪ガスネットワーク株式会社

エネルギー・文化研究所(通称CEL)は、1986年、大阪ガスの企業内研究所として設立されました。 多様なステークホルダーとの協働を通じた、理論と実践活動を組み合わせた社会への提言活動に取り組んでまいります。 CELのHP:https://www.og-cel.jp/

最近の記事

【歴史に学ぶエネルギー】31. スエズ動乱がもつインパクト

こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 前回の「歴史に学ぶエネルギー」では、イランが国内の石油利権の50パーセントをとるコンソーシアム成立を見てきました。このようなナショナリズムの火が、アラブにも移っていきます。 1)アラブのあらたな英雄ナセル のちのエジプト大統領となるガマール・ナセルはエジプト中流農家の家系出身で、郵便局長の息子として生まれます。読書に浸る内向的な少年として育ちますが、革命の英雄に憧れて誰かれかまわず反発する困った一面ももちあわせていま

    • 【シリーズ】街角をゆく Vol.10 八尾 (大阪府八尾市)

      こんにちは。エネルギー・文化研究所の山納洋(やまのう・ひろし)です。 僕は2014年から「Walkin'About」という、参加者の方々に自由にまちを歩いていただき、その後に見聞を共有するまちあるき企画を続けてきました。 その目的は「まちのリサーチ」です。そこがどういう街なのか、どんな歴史があり、今はどんな状態で、これからどうなりそうかを、まちを歩きながら、まちの人に話を聞きながら探っています。 この連載ではWalkin'Aboutを通じて見えてきた、関西のさまざまな地域のス

      • 【歴史に学ぶエネルギー】30.ニュー・パーレビの誕生

        こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。イギリスはイランの石油利権を独占していましたが、政治的な失敗によって、その権利を失います。その一瞬の隙につけこんだのが、アメリカでした。 1)パーレビの変貌 のちのイラン革命で失脚したイランのパーレビ国王の本名は、モハンムド・レザー・シャー・パフラヴィーです。長い名前なので、日本で一般的に呼ばれているパーレビで統一することにします。 パーレビは、軍人だった父のもとで双

        • 【歴史に学ぶエネルギー】29.ホットオイルに手を出すな!

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。モサデグ率いるイランではじまったナショナリズムに対し、イギリスをはじめとする欧米の政府や石油企業は必死の対策をとりはじめます。 1)ホットオイル(危険な石油) アングロ・イラニアン社とは、イギリス政府が株式を保有しているのちのブリティッシュ・ペトロリアム(BP)です。そのアングロ・イラニアンが保有していたイラン国内の石油権益に対し、イランのモサデグは一方的に完全国有化

        【歴史に学ぶエネルギー】31. スエズ動乱がもつインパクト

          【歴史に学ぶエネルギー】28.燃えあがるナショナリズム

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。第二次世界大戦後の中東諸国の動きについて、考えてみたいと思います。 1)ナショナリズムの芽生え 低コストで採掘できる石油が、中東で大量に発見されました。しかし、その権益のほとんどを欧米の巨大石油企業連合、すなわちセブンシスターズが確保し、富を独占します。 このように七人の魔女が暗躍していた1948年のことです。石油業界を揺るがす大事件が勃発します。 南米の大産油国とな

          【歴史に学ぶエネルギー】28.燃えあがるナショナリズム

          【歴史に学ぶエネルギー】27.マッカーサーがやってきた!

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。戦争で焦土と化した日本へ、マッカーサーがやってきました。その後の日本は、急速な経済成長を遂げることになります。 1)高度経済成長の幕開け 戦争が終わると、マッカーサーが日本にやってきました。 パイプ煙草をくわえ、飛行機のタラップから悠然と見下ろしている姿が有名です。じつはこの姿、自分の第一印象を日本人の脳裏に刻み込ませるために、マッカーサー本人がこだわりにこだわったも

          【歴史に学ぶエネルギー】27.マッカーサーがやってきた!

          【歴史に学ぶエネルギー】26.ロシアから石油を輸入していた?

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。じつは、日本がロシアから石油の供給を受けていた時期があります。しかし、その後は巧妙な手口で供給停止に追い込まれてしまいました。現代でも繰り返されるかもしれない、忘れてはいけないできごととしてチェックしておきたいと思います。 1)サハリンの石油 戦時中の日本が、ロシアから石油供給を受けていた事実に目をむけてみましょう。 サハリン島にガス油田があることは、現代の私たちも知

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          まちづくりとDX

          こんにちは。エネルギー・文化研究所 小西久美子です。 私は人口減少時代の都市計画やまちづくりのあり方について研究しています。成長拡大を前提として作られた都市計画の変遷(歴史)を掘り下げることで、縮小均衡時代のこれからのまちづくりに活かしていくべきものは何かを考えています。 今回は、歴史的な振り返りではなく、建築・都市計画の分野でも急伸している「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言う新しい流れによって、これからのまちづくりはどう変わっていくのか考えてみたいと思います。

          【歴史に学ぶエネルギー】25.失策続きだった日本の石油戦略

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 前回の「歴史に学ぶエネルギー」では、昔の日本の石油技術の高さをみてきました。しかし、実際の政策となると話は一変します。現代でも同じような状況が随所に見受けられますが、政治的な戦略に不得手であることが暴露してしまいます。 1)石油事情に詳しかった山本五十六 のちに元帥海軍大将となる山本五十六は、現在の新潟県長岡市に誕生しました。高齢の父母から生まれた五十六ですが、その名は誕生時の父親の年齢からつけられています。 古くか

          【歴史に学ぶエネルギー】25.失策続きだった日本の石油戦略

          【歴史に学ぶエネルギー】24.優秀だった日本の石油技術者たち

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 今回の「歴史に学ぶエネルギー」では、戦前戦中の日本の石油戦略について詳しくみてみるとともに、優秀だった日本の石油技術者たちに焦点を当ててみたいと思います。 1)戦前戦中の日本の石油戦略 日清戦争で勝利した日本。その結果として、台湾が日本に割譲されることになりました。 その台湾には、もともと7つの油田があることが知られていましたが、その産油量は年々減少しているという状況でした。そこで当時の日本政府は、台湾で新規の油田を

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          【歴史に学ぶエネルギー】23.油に始まり、油で終わった戦争

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 今回の「歴史に学ぶエネルギー」では、日露戦争に勝った日本がますます軍備を増強しながら中国へ侵攻した時代を振り返ってみます。 1)中国へ触手を伸ばした日本 第二次世界大戦前の日本です。大正から昭和初期にかけた時代、この国の最大の課題は、殖産興業・富国強兵でした。軍備の増強にまい進した日本は強い工業力を身につけ、第一次世界大戦の海外からの特需対応で飛躍的な発展を遂げることとなります。 やがて日本は、ロシアの南下政策に対抗

          【歴史に学ぶエネルギー】23.油に始まり、油で終わった戦争

          【シリーズ】街角をゆく Vol.9 新長田 (神戸市長田区)

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の山納洋(やまのう・ひろし)です。 僕は2014年から「Walkin'About」という、参加者の方々に自由にまちを歩いていただき、その後に見聞を共有するまちあるき企画を続けてきました。 その目的は「まちのリサーチ」です。そこがどういう街なのか、どんな歴史があり、今はどんな状態で、これからどうなりそうかを、まちを歩きながら、まちの人に話を聞きながら探っています。 この連載ではWalkin'Aboutを通じて見えてきた、関西のさまざまな地域のス

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          【歴史に学ぶエネルギー】22.サウジアラビアで石油がでた!

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。中東地域ではイランに続いてイラクでも石油が発見され、セブンシスターズがそのほとんどを支配します。ここで、ようやくサウジアラビアの石油が見つかることになります。 1)無謀からはじまったサウジの石油 当時、アラビア半島では石油はまったく出ず、地表にも一切の油徴すら見られませんでした。当然のごとく、セブンシスターズどころか中小の石油企業もサウジアラビアには見向きもしませんで

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          【歴史に学ぶエネルギー】21.7人の魔女「セブンシスターズ」

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。第一次世界大戦のあと、中東の石油利権を分け合った欧米列強の企業群は、その後のエネルギー市場を支配することになります。 1)セブンシスターズの時代 メジャーと呼ばれるアメリカの大手石油会社には、ロックフェラーのスタンダード系とメロン財閥のガルフ、そしてテキサス生まれの独立系テキサコがありました。 スタンダード石油はあまりに巨大化したため、反トラスト法(日本でいう独禁法)

          【歴史に学ぶエネルギー】21.7人の魔女「セブンシスターズ」

          コロナ禍で変わる価値観と変わらぬ欲望

          こんにちは。エネルギー・文化研究所長の金澤成子です。 エネルギー・文化研究所が発行する情報誌「CEL」の『未来ブラリ』(執筆:山本貴代氏 ※1)は、コロナ禍にスタートした連載ですが、女性たちの本音を探り、新たな課題を発見するため、様々な調査を実施し、その課題と未来についての考察を紹介してきました。情報誌「CEL」134号(2024年3月1日発行)で最終となる第9回「未来ブラリ」から抜粋し、コロナ禍後の女性の価値観や欲望の変化について、ご報告させて頂きます。 ※1 女の欲望

          【歴史に学ぶエネルギー】20.土着民族を無視した赤線協定

          こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。 「歴史に学ぶエネルギー」をシリーズで考えています。第一次世界大戦で戦勝国となった欧米列強の企業連合が、中東の石油利権を分け合う書面を締結しました。しかし、運用面においては、互いに熾烈な競争が繰り広げられようとしています。 1)米系メジャーがもつ遺伝子とは? 中東の石油利権を分け合う妥協案は完成したものの、実際の運営はうまくいきませんでした。 じつはアメリカのメジャー連合には、できるだけ早く、できるだけ大量に石油を地下

          【歴史に学ぶエネルギー】20.土着民族を無視した赤線協定