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ベーシストから見たリアルタイムリモートセッション#2

前回このセッションに関する記事をアップしましたが、今回はその続編。

さらにパワーアップ!!

まずはその動画を↓

今回はボーカル・ギター・ベース・ドラム・シーケンス、そしてPA(シーケンスと兼任)という編成です。スタンダードなバンド編成に近づきました(僕は画面一番左上)。
ドラムは山本淳也くんにお願いしました!ナイスドラム!!

今回はここに至るまでに個人で取り組んだことをご紹介します。


乗り越えるべき問題点

NETDUETTO β2を使ったこのセッション。
ここに至るまでに発生した主な問題は以下のものです。
■音がブツブツ切れる
モニターしてる音が遅れたり早くなったりする
演奏が揃わない
■音が悪い(昔のAMラジオみたい)
致命的ですね。。。
たくさんのテストのおかげで多少音声が途切れてもうろたえずアンサンブルに無理やり合わせる鋼のメンタルも手に入れましたが、
これだと本来の演奏を発揮できないし、鋼のメンタル同士のアンサンブルはちょっと危険です(複数人で目隠しして同時にスイカ割りしてるようなもんです)。
鋼のメンタルを手に入れなくとも、快適にセッションする方法を模索していきます。
チーム全体で取り組んだことについては下の記事をご参照ください。


【改善策①】インターネット回線の改善

まずはネット回線。僕は戸建住まい。光回線を敷いている。
ネット環境にはそこそこ自信があったんですが、セッションもまともにできないありさま(めっちゃずれてる)。
NETDUETTO β2の動作条件にはこんなことが書いてありました。

対応OS は Windows10(64bit) / Windows8.1(64bit) / Windows 7(64bit/32bit) 、macOS High Sierra(10.13) / macOS Sierra(10.12)です。推奨環境は、光回線等のブロードバンド環境での有線接続、および Windows の場合は ASIO 対応のオーディオインターフェースの利用を推奨します。

ん?有線接続…僕Wi-Fiでした。モデムが置いてある部屋からかなり離れているため、Wi-Fiも中継機を介しての接続。Wi-Fiの時点で遅延がかなり上乗せされること、データの送受信が実は途切れ途切れで安定しないことがわかりました。
そこで!

画像1

自宅インターネットのルーターまで直でつなぐためのLANケーブル30m!!
メルカリで購入。
ちなみにLANケーブルにもクラスがあるそうで、今だと「カテゴリー6 (CAT6)」が安定していいパフォーマンスを出せるそうです。
音もブツブツきれなくなりました!これでかなり回線状況が向上してより快適なセッションができるようになりました。すげえ、有線接続。

★知らなかったインターネットの質

スピードテスト

インターネット回線品質の指標って上り下りの速さ(1秒間に何ビットのデータ量を送受信できるか)だけかと思ってました。もちろんこれもかなり大事な項目ですが。
ネット回線自体の持つ遅延も大事な指標だったのです。

遅延の程度をさす指標として代表的なものにPingJitterがあります。
やだ難しい言葉出てきた帰りたい。
大丈夫!めっちゃざっくり説明します。
Ping:通信のタイムラグ。レスポンスの速さ→値が低い方がより良い環境
Jitter:Pingのブレ具合。通信状態のムラ。→値が低い方がより良い環境

そしてお分かりの方も多いかと思いますが、この4つの値、時間によって結構変化します。一番厳しい状態になるのが今の所21時前後。みんなネット使ってるからね。混雑してます。ご近所さんのネット使用状況などによっても左右されるみたいです。
これはマンション・戸建てに限らずです。
なかなか悩ましいですが上り下りとも90Mbpsくらい出ていて、
PingもJitterも20ms未満に収まっていれば納得のセッションができそう
というところまでは検証しました。


【改善策②】音質の向上

次は音質。遅延を防ぎたいのでデータを軽くするため、それまではサンプルレートの低い、高圧縮な音(=最低音質)だったのでNETDUETTO β2の設定を最高音質な設定へ!

あれ、だめすか?

音は綺麗なんだけど遅延がまだひどい。BPM127の楽曲で16分音符1個分以上遅れてる。そう、NETDUETTO β2の「バッファーサイズ」の調整が必要でした。
試しにバッファーサイズを最小の64に。

落 ち た (◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)

結構昔買った古いMacBook(10年以上前のもの)を使ってたんですが耐えきれなかったみたい。バッファーサイズをより小さくできるかはPCのスペックに依存します。
そこで自宅で楽曲制作用に使ってるMac Pro(ゴミ箱型)にして、バッファーサイズを最小の64に。

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安定しました!!なるほど。。
さすがにMac Proはやりすぎですけど、ある程度のスペックは必要ってことですね。

良いインターネット回線と高いパソコンのスペック、両立がマスト。

ちなみに、冒頭の動画のセッション時、僕たちが使ってたPCスペックとネット回線の速度はこちら(ネット回線のスピードテストはこちらで行いました)。

環境2

見辛くてごめんなさい!拡大してみてください!


【改善策③】演奏を合わせるためのコツ

メンバー全員ベストな演奏環境が揃ってテストしたら、PA側にはいい感じに音を届けることができました。
ただインターネット回線ってなかなか安定しなくて誰かの音が微妙にずれて聴こえたりすることはまだあります。
普段よりクリック多めにして、たとえ誰かがずれたとしても、クリックの音にしっかり合わせるという意識で臨むといいかと思います。
すみませんわずかに鋼のメンタルは必要でした。


★ネットセッションにおけるプレイヤー側の環境

パソコンのスペックもネット環境もより良いものにすればどんどん状況は改善していくのですが、限界がある。
なのでこの辺まで行けてれば大丈夫なんじゃないか、、、という環境を今までのテストからまとめてみたいと思います。

PC(Macユーザーの場合になります)
CPU:Intel Core i7(クアッドコア)
メモリ:16GB
MacBook Proだと2013年以降の15インチサイズの個体が
だいたい該当します。

ネット
上り下り:100〜200Mbpsくらい
Ping:10ms以下
Jitter:10ms以下
NURO光だと比較的好成績が出やすいように思いました(うちもNURO光でした)。

※あくまで参考値です。もっと低い数値でもできたよー!とか
同じ環境なのに全然うまくいかん!って方、いたらごめんなさい!


【課題】個人的な次なる挑戦

一通りいいセッションができたので、色々ブラッシュアップしていきたいと思います。
①多彩な音色
アンプライクな音にするにはどうするか。ラインっぽさの改善。
DAWを使って音作りするとレイテンシーはどうなるか。
②遅延
USB接続のオーディオインターフェイスにも遅延があります。Thunderbolt接続のインターフェイスに変えたらどのくらい変わるのか
③照明・カメラ
もっと映えさせたいし、画質良くしたい!!(部屋片付けますカメラおすすめ教えてください泣)
画質を改善した場合どれだけネット回線を圧迫するのかも検証してみたい。

研究はまだまだ続きます!
この結果が誰かの役に立てたら幸いです。
アドバイスもありましたらぜひよろしくお願いします。
ご精読ありがとうございました!


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