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自己肯定感を高めに保つ方法

自己肯定感を高く保つにはどうすればよいか?

教育関係で最近人とそんな話をすることが多いので、ちらっと持論をまとめておこうと思う。基本的に自分用の記録だが、もしも何かの役に立てば幸いである。

他人と自分を比較しないとか、自信を持つとか、短所や弱点を受け入れるとか、前向きな言葉を発するとか、ちらっと「自己肯定感 高める 方法」で検索するといっぱい出てくるが、僕が一番効果があるなと思うのはまた別にあって、今回はそれを書いておこうと思う。

過去の自分に干渉しない

である。

どういうこっちゃ。例を挙げる。

例えば提出締め切り1時間前になって、なおレポートが終わっていない。
例えば期末試験が目前に迫っているのに試験勉強に一切手がついていない。
やばい。
もうちょっと早くに手を付けていればよかったのに。
1週間前の自分何やってるんだ、自分はだめだ。

分からないが、こうすると自己肯定感は下がりそうな気がする。

この1週間前の自分何やってるんだ、で自分を責めるのがあまりよくないように思う。

たしかに、ここ1週間の自分は寝坊をしたり、意味もなく携帯を見ていたり、YouTubeを見ていたり、課題が終わっていないのに遊びに出かけていたかもしれない。あるいはスケジュール管理を行っていなかったかもしれない。たしかに明確な問題・原因はあったかもしれない。

が、仮にここにタイムマシンがあったとしよう。

そして仮に、ここ1週間の任意の時間に戻ることができ、過去の自分に「そんなことしてないで課題をやれ」と言うことができたとしよう。ただし未来の現実を言うことは禁止とする。さて、果たして課題をやれと言われた過去の自分は、はいそうですかと課題をやっただろうか。

多分、やらない。

その時その瞬間の自分にとっては「課題以外の何か>>>課題」という優先順位なのだから、未来から来た自分が何と言おうと課題なんかできるわけがないのである。実際やってないわけなので。

そして、未来の自分が苦労している、という事実ということを知らされない条件で「やれ」と言われても、その優先順位はひっくり返ることはないと思う。やらなきゃいけない課題をやるの動機は「やらなきゃいけないから」であり、なぜやらなきゃいけないのかと言えば、それは未来の自分あるいは他者が困るかもしれないからであり、現在の自分にとっては基本的に関係ない。未来を完全に知ることができない、すなわち、今やらないことで未来の自分が100%困ることを知らない状況で「やらない」と選択したのが現実なのだから、実際やらないのである。動機不足。

タイムマシンがあったらの仮定の話をした。が、別にタイムマシンがなかろうと、未来のことを語れない制約付きの未来の自分は、頭の中で「やった方がいいぞ!」と叫んでいるはずである。一般に、それを理性と呼ぶのだと思う。

ので、過去の自分の判断を否定することはできない。

やるべきことをやらなかった、以外の例だと、何かの選択を誤って失敗したことが挙げられようか。

例えば試験。アではなくイを選んでいれば合格していた試験があったとする。未来の自分は答えがイであることを知っているから、「あの時イを選んでおけばよかった」「それが過去の自分にはできなかったために......」と自分を責めることになるが、そもそもその時の自分は答えがイであることを知らないし、答えがイになることを知ることができる勉強をそれ以前でする機会がなかったのだから、答えようがないのである。

ここに情報の非対称性がある。

試験の話は「それはそう」だと思うが、僕にとってはやるべきことをやらなかった話も同じことである。過去の自分と未来の自分では、持っている情報量が違うし、また時間遡行ができない以上、その非対称性を拭うことはできない

過去の自分に干渉しないで反省する

以上の非対称性を踏まえておくと、反省するときに自分を責める必要がなくなるように思う。

過去のいかなる点の自分を選んで、彼に何を言っても、言うことが仮にできたとしても、過去と現在は変わらない。タイムマシンがないから過去は変わらないのではなく、タイムマシンがあってもなお過去は変わらない。どうしようもないのである。

そういうものだと分かっていれば、過去の自分を責めようとどうしようもないだろう。現在の自分ができることは、過去の自分に比べて情報を持っている利点を生かし、何かしらの対策を考えること。これを反省という。自分の内に飼っている「未来を語れない未来人」としての理性の言うことをちょっとだけ聴いてあげること。そのくらいではなかろうか。

無論、聞きたくないと思ったら、理性の声なんか聴かなくても良い。今聴きたくないと思っている以上、未来の自分はその判断に干渉のしようがなく、責めることもできないのだから。

こういう風に考えておくと、自己肯定感は下がりにくい、ような、気がする。

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