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ゲームとブロックチェーンの未来、そしてメタバース構想へ

はじめに

連載もちょうど10回目になりました。月末に下記のイベントでお話をさせていただく予定でして、少し私自身の頭の整理も兼ねて、"ゲーム"をお題にしたいと思います。(ぜひイベントの方、ご来場お待ちしております)

ブロックチェーンが切り開くゲームの可能性とは?オンラインゲーム、スマホゲームに続く大革命を予測
https://peatix.com/event/1628590/view?fbclid=IwAR3Cfv0YPD58qlVzr5rVfAbXjp7LUFlo5NeY4hraMQqCsLu1dYe05YFufqI


世界でたった3枚のカード

昨年、MCH+Hackathonという日本のブロックチェーンゲームの先駆けでもあるMyCryptoHeroesの企業様主催のハッカソンに参加させていただき、クリスペ賞という賞をいただきました。
その商品として、ゲームの中で使える限定カードをいただきました。

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これがカードですね。かっこいい。
で、3人のグループ受賞したので、確かこのカードも発行数は世界で3枚という、かなり貴重なカードだったと思います。

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ちなみにこれがCryptoSpells賞の授賞式の時の様子。その日に初めましてからいきなりチームで制作に入ったのですが、とても楽しかった。みんな元気かな。。


(MCH+Hackathon #1 NFTを用いたゲーム制作)
https://medium.com/mchplus/mchplus-hackathon-feffc811b3d7


さて、このカードをいただいてからの一つの悩みがありまして、それは、この世界に3枚しかない貴重な貴重なカードをいつ売るか?ということなわけであります。


マーケットで売買する

保有しているカードをマーケットを通じて、流通できるというのがブロックチェーンゲームの一つの醍醐味でもあります。通常、デジタルで管理されているアイテムはの売買はRMTと言われ、歴史は古くからあるのですが、ゲーム自体のゲームバランスを崩してしまうなどゲーム側から禁止されていたり、そもそもカードをユーザーが保有している状態ではないため、本質的に行うことは難しいことがほとんどです。(この辺りの話は、前回、こちらの記事でDegital True Ownershipの話として書いていますのでご参照ください https://note.com/oggata/n/n10f4c780cbc6 )

私は一時期「艦これ」のアーケードゲームにハマった時期があり、今でもたまにメルカリや、秋葉原にある店舗でカードを探したりしているのですが、リアルのカードの場合は、このようにゲーム以外のところで、例えばオークションで売買することや、友達に譲渡することができます。簡単にいうと、ブロックチェーンを通じて、デジタルの世界にリアルの要素を注入することで、デジタルの世界でもリアルと同様に店舗で売買したり友達に配ったりすることが可能になる、と考えていただければ良いかと思います。

話を戻すと、この世界に3枚しかない貴重な貴重なカードは、私自身が保有してゲームの中で使っていても良いですが、ゲームが大人気になってきた頃に、マーケットで販売すると一攫千金も夢ではないわけです。ちなみに、以前私がマイクリプトヒーロの中で売買した履歴はこのようにいつまでも残っています。

https://opensea.io/assets/0x273f7f8e6489682df756151f5525576e322d51a3/30080149

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様々なブロックチェーンゲーム


(参考)
https://dappradar.com/rankings/category/games

MyCryptoHeroes
RPG / 2018~
https://www.mycryptoheroes.net/ja

CryptoSpells
カード / 2019~
https://cryptospells.jp/

ブレイブフロンティアヒーローズ
RPG / 2020~
https://bravefrontierheroes.com/ja

VenusScramble(ヴィーナススクランブル)
RPG / 2020~
https://venusscramble.com/

CHOJO-CryptoGirlsAlrena
RPG / 2020~
https://chojo-cga.com/

ナイトストーリー
RPG & タワーディフェンス / 2019~
https://apps.apple.com/jp/app/knight-story/id1475866527

ジョブトライブス
カード / 2019~
https://jobtribes.playmining.com/

GodSunChained
カード / 2019~
https://godsunchained.com/


儲かるゲーム -> 繋がるゲームへ

ブロックチェーンゲームの中には、儲かるゲームとして売り出しているゲームも多々あるようですが、個人的にはそれはゲームxブロックチェーンの本質的ではないと思っています。
例えば、ソーシャルゲームは、そのゲームを行うことで、様々な人と繋がることが可能だったわけですが、儲かるゲームというのは儲かるかどうかは運に委ねられていて、誰にもわからないわけで、そこはあくまで、可能性の話になるわけです。それよりも繋がるゲームと言い換えると、本質が見えてくる気がします。

最近私がブロックチェーンの活動をしていく中で、面白いなぁと期待値を込めて見ているのがEnjinCraftの事例です。


もともとEnjinは、ブロックチェーン向けのSDKのプラットフォームを作成しており、EnjinWalletを通じて様々なゲームのアイテムを保有、そして交換することが可能なプラットフォームです。様々なブロックチェーンのプロダクトがある中で、このEnjinCraftが面白いと思えるゲームアイテムのクロスオーバー機能にあります。

クロスオーバーというのは同一キャラクターやアイテムを複数のゲームにまたがって利用できるような機能のことです。ブロックチェーンの元祖CryptKittiesはKittyVerseというプロダクトを作成しており、https://www.cryptokitties.co/kittyverse
ブロックチェーンを用いたクロスオーバーというコンセプトは、ブロックチェーンアプリケーションによる長年のテーマでもあります。

https://twitter.com/LostRelicsGame/status/1138020805671919616

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このTwitterで書かれている事例はエンジンクラフト内部のアイテムを他のゲームに持ち出し、それを剣として利用している事例です。EnjinCraftの面白さは、さらに、既存のマインクラフトのModという形でこの機能を提供している点で、ある意味フルスクラッチで専用のゲームを作ってユーザーを増やしていくのではなく、既存のアセットを上手に利用しながら、それぞれの得意分野を生かしていくというところも非常に共感が持てます。というのも、ブロックチェーンのテクノロジーが1社で独占的に仕掛けるようなものよりも、団結するチームワークで対抗していくエコシステムの構築という働きかけができるメリットがあるからです。

Epicの話とブロックチェーンの話

最近は Epic GamesとAppleの話がよく出ていて、プラットフォームとアプリケーションの関わり方というのは、誰もが再考させられたところではると思います。様々な企業や個人が繋がり、同じ目的を成し遂げるハブのような役割を果たすことが求められてくるのではないでしょうか。

ブロックチェーンはGAFAを打ち負かせるのか
https://crypto-lab.info/?p=13573

インターオペラビリティを生かすゲーム

かつて、ソーシャルxゲームが爆発的なヒットをもたらしたように、ゲームにも様々なものをつなげることによって、これまでユーザーが体験したことのないような新しいものを作ることができる可能性があります。
PokemonGoなどで大人気となった位置ゲームのようなものも、融合の事例ですし、フィットネスなどと掛け合わせたゲームも同じかもしれません。

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メタバース構想とブロックチェーン

さて、様々なものが繋がり、経済圏を確立してそのさきにあるものは何でしょうか。Facebook社やGoogleが取り組んでいると言われる「インターネットの次の空間」の構築で、それらはメタバース構想とも呼ばれています。

もっともその事例として有名なのが、Fortnite上で行われた人気ラッパー、トラヴィス・スコットのバーチャルライブ『Astronomical』です。
ユーザー数がアメリカの人口を超える3億5000万人を突破したFortniteはもはや単純なゲームとしてではなく、交流のためなソーシャルな空間となっていて、そのFortniteの中でライブが開催されました。
ゲーム内のコンサートステージとなっているフィールドが、楽曲ごとに破壊し、変化していき、アバターとして参加したユーザーが一緒に空間を旅していく様子は圧倒的な没入感をもたらし、次世代のメタバースと言われるに相応しいものであると評価されています。

『フォートナイト』上でのバーチャルライブ『Astronomical』の様子
https://www.youtube.com/watch?v=wYeFAlVC8qU&feature=youtu.be

コロナ禍の今において、人々はバーチャル空間での楽しみを探し求めるようになりました。オンライン飲みや『あつ森』ブームなどなど、そこにはリアルとバーチャル垣根なく、人々が楽しんでいるわけです。
さてメタバース構想などに置いてブロックチェーンがもたらすもっとも重要なものとは何でしょうか。VRにもたらされる視覚的なリアルに、ブロックチェーンは本質的なリアルさをもたらすと考えることができます。

(VRにもたらされる)視覚的なリアルに、ブロックチェーンは本質的なリアルさを付加する

映像や視覚効果はどんどんリアルになっていきます。私が先日手に入れたXBoxも4Kのリアルな映像体験がそこにはあり、少しずつバーチャルは、リアルに近づいていくのが体験できます。ところが、バーチャルでのリアルは物質的にはリアルではないため、それをブロックチェーンが保管します。容易にコピーができない、オリジナル性と表現すればよいでしょうか。過去の記事でDegitalTrueOwnershipについて書きましたが、(https://note.com/oggata/n/n10f4c780cbc6) リアルなものと同じように、デジタルなものにも、存在を証明することでそれを可能にするわけです。

Conclution

数日前に、XboxSeriesSを購入しました。妻に何が以前のXboxと違うのかと聞かれて、「リアルさ」という話をしたのですが、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)といわれる感覚の進化、とりわけ視覚に関する情報量が多いので、これらの進化は非常に重要と言えます。ただ、リアルさという表現はもっと多方面のアプローチが必要です。

私がXboxSeriesSで遊んでいるタイトルの一つにCooking Simulatorというゲームがあります。このゲームの中で、レシピや食材、調理器具など非常によく表現されており、これらは非常にリアルで、実際にこのゲームのレシピ通りに料理を作ってみたというような動画もあり、リアルでもこのゲームの経験が活かすことも可能で、レシピの実現性という要素もリアルといわれる要素の一つかもしれません。

もう1つリアルについての事例として、ゲームを作ったことがある人はわかると思いますが、例えば、アクションゲームに物理演算を加えると驚くほどゲームがリアルに感じられることがあります。そこまで難しいものでなくても、高校で習う程度の重力加速度や、摩擦係数などの式を加えるだけで、放った弓矢は放物線を放って、的に飛んでいき、また氷のステージでは、プレイヤーがツルツルと滑るようなギミックも簡単に実装することが可能で、私自身も初めてゲームを作ったときに、物理の方程式のすごさに驚いたものです。このように物理学を利用することで、ものの動きはリアルになります。

このようにリアルさは一方向だけでは実現することはできません。例えば、ゲーム内のアイテムが無尽蔵に複製することができるような世界は、おそらく物の価値という側面で見た場合にはリアルではないはずです。この方向のリアルさのためには、ブロックチェーンが必要になり、他のあらゆるものと組み合わせて、仮想現実は一歩一歩現実に近づいていくのではないでしょうか。

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