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【不妊治療体験談#2】精子のしくみと精子無力症の原因について、わかりやすくまとめてみた。

つい先日、夫が精子無力症ということが判明しました。無知な世界に不安が押し寄せ、落ち着くためにもひとつずつ学んでいくことに。しくみを知れば、根拠を持って対処法に取り組める。ということで、本日は精子そのものについて調べてみることにしました。

▼前回の記事はこちら

※2020/11/27不妊治療専門病院での精液再検査の結果、運動率15倍の変化があり精子無力症と断言できない状況になりました。詳しくは「【不妊治療体験談#4】精液検査2回目 運動率3%→45% 検査は不妊治療専門病院で」をご覧ください。

精子のしくみ

まさかこの歳で高校生物の振り返りをするとは。さすがトライさん、こちらの動画がとてもわかりやすいです。

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精子は大きく3つの領域にわかれており、DNA情報をもつ頭部、ATPエネルギー生産工場であるミトコンドリアのある中片、精子が動くために必要な微小管をもつ尾部(鞭毛ベンモウ)でできています。そして精子全体は細胞膜といううすい膜に覆われていて、この膜から精子づくりや運動に必要な酸素・栄養素などが出入りしています。ちなみに精子は熱に弱く34~35℃の環境が適温とのこと。適温にするため、体から睾丸がぶらさがっているのです。すごい。

ではこれら精子は何を材料にしてできているのでしょうか。実は何種類ものタンパク質が集まってできているのです。精子の材料がタンパク質、そして精子を動かすためのガソリン(ATPエネルギー)を生み出す役割をミトコンドリアが担っています。

タンパク質とATPエネルギー

タンパク質
わたしたち人間のあらゆる機能の材料となっているタンパク質。そして活動するために必要なATPエネルギー。とても大切なポイントなのでお次はこちらの2つについてみていきます。といっても、このトピックだけで1本記事が書けてしまうほどのボリュームになるので、詳しくはこちらの過去記事をご覧いただければ幸いです。

端折っておはなしすると…
わたしたちの体は約60兆個の細胞でできており、すべての細胞の中にはDNAがあります。DNAには遺伝子情報が組み込まれていて、遺伝子はタンパク質の構造を暗号化したもの。細胞内では「はい、お次はこんな機能のタンパク質つくりますよ!」と、遺伝子の設計図にしたがって10万種類ものタンパク質がつくられているのです。筋肉も髪も消化酵素も精子もみんな素材はタンパク質。

老化や病気などはこの遺伝子の「設計図」通りにタンパク質が作られなくなることが原因の一つと考えらています。しかも、タンパク質が不足していると使い古されたアミノ酸(タンパク質は20種類のアミノ酸がさまざまに組み合わさってできたもの)が合成に使われ、お粗末な品質のタンパク質ができあがってしまうのです。

ATPエネルギー
私たちが活動するためには、エネルギーが必要です。このエネルギーはATPという分子に蓄えられ全身のあらゆるところで使われています。ATPは糖質や脂質が代謝される過程で発生し、代謝をするためには鉄やビタミンB、C、Eなどさまざまなミネラルやビタミン、そして酸素が必要です。これらの化学反応は細胞内のミトコンドリアで起きていて、ミトコンドリアはエネルギーの生産工場とも呼ばれています。

精子無力症の原因

ほとんどは原因不明ですが、生活習慣以外に考えられる原因をピックアップしてみました。

⑴尾部(鞭毛)の形成異常

精子が動くために骨のような役割をしている微小管部分である鞭毛(ベンモウ)の形に異常があると運動率が低下するとのこと。(参照)参照サイトによると、精子運動能を制御してしまう分子も見つかったそうです。

⑵ATPエネルギー不足
トライの先生がおっしゃるように、頭部があって、微小管があってもエネルギーがないと動けません。ということは運動率が悪い=ATPエネルギーが足りていない、ということが考えられます。こちらの参照サイトのミトコンドリアの比較図をみれば一目瞭然でした。(参照)

⑶精索静脈瘤
こちらは前回の記事でも登場しました。精索静脈瘤は精巣から心臓に血液が帰るための血管(静脈)にこぶができ、温められた血液が精巣に逆流してとどまることで精巣の温度が高くなり精巣機能が低下すること。血の巡りが悪くなり酸素や栄養素、老廃物の循環がうまくいかず酸化ストレス物質がたまってしまうのです。⑴の原因につながりますね。

▼精索静脈瘤についてはこちら

精子無力症改善について

上記原因のうち⑶は手術することで対処することができます。今回は⑴⑵について。精子無力症改善の糸口として、形が綺麗でエネルギーあふれる精子をつくれる体になることが大切ということがわかりました。いいかえると「形が綺麗=遺伝子の設計図通りに精子を構成するタンパク質が作られる」「エネルギーあふれる=ATPをたくさんつくれるようにする」といえます。

⑴設計図通りにタンパク質をつくるために
タンパク質はまだまだ未知の世界です。わたしたちが日常生活で取り組めることはたっぷりタンパク質を摂ることくらいです。体重1㎏あたり1.2~2.0gが推奨量なので体重70kgなら105g(1.5倍計算)。とてつもない量です。ステーキ換算するとおよそ500g/日くらいでしょうか。最低でも体重gは摂取したい。となると食事からでは不可能に近いのでプロテインの登場です。タンパク質の働きと、プロテインの選び方はこちらの過去記事をご参照ください。

主人は胃腸が強いので吸収率の高いホエイプロテインのなかでも乳糖を除去したWPI製法ではなく、乳糖を残したWPC製法のものを飲み始めました。プロテインがすごく苦手でビーレジェンドのおためしセットで飲める味を探し中です…。


⑵ATPエネルギーを量産するために
エネルギーを量産するために大切なことは下記2点。

①代謝に必要な栄養素をとること
代謝にはビタミンやミネラルが必要ですが、ここで注意したいのが摂取量。厚生労働省より1日の推奨摂取量が記されていますが、個体差が激しいため推奨摂取量にほとんど意味はありません。
少しはなしがそれますが、マウスの実験で、精子の鞭毛運動には解糖系(糖質の代謝)によるエネルギーがメインで使われていることがわかったそうです。(参照)糖質の代謝にはビタミンB群がたくさん必要です。下図は糖質の代謝経路なのですが、この化学反応がおきるには酸素が十分に取り込まれていること、という条件がつきます。

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酸素が十分にあるとATPエネルギーが38個もつくれる代謝となりますが、酸素が不足しているとATPエネルギーがなんとたったの2個しかつくれません。19倍も差が出るんですね。そこで大切なのが次の細胞膜について。

⑵-2 細胞膜を酸化させないこと
たっぷりビタミンを摂っても細胞膜が酸化していては細胞の中に酸素や栄養素をとりこむことができません。酸化が体に悪いというのはそのためです。細胞膜の酸化を防ぐためには抗酸化作用のあるビタミンC、Eが効果的といわれています。

精子無力症とサプリ

長くなりましたが、精液検査結果の当日から主人には下記サプリを飲んでもらっています。

ホエイプロテインWPC タンパク質量20g(夕)
ビタミンB50コンプレックス 2粒(朝夕)
ビタミンC1,000mg 2粒(朝夕)
ビタミンE400IU 2粒(夕)

日本のサプリは値段が高いので良質でお手頃なサプリが手に入るiHerbでまとめ買いしています。持病などがある場合は量を気をつけないといけないため、導入される場合は藤川徳美先生のブログを読むか、次の章でリンクを貼っている各種栄養素についての記事をご参照いただければ幸いです。

iHerbを利用の際、紹介コード「ANG7430」を入力いただくと、毎回5%オフで購入いただけます。何度でも適応可能です。(2019年までは初めてのお買い物に限り10%オフ適応でしたが変更となりました)

●Now Foods, B-50, 100 Tablets ¥1,024
ビタミンB群8種類が50gずつ配合されているサプリです。

●Now Foods, C-1000、100粒 ¥832
ビタミンC1,000mg配合のタブレット。ビタミンCは合成でも天然でも化学式は変わらないため安価なものでも問題ないといわれています。

●Now Foods, ナチュラルE-400  ソフトジェル250粒 ¥2,561
動脈硬化の疑いがある方はプラークが剥がれる可能性があるため100IUから徐々に増やす方法が推奨されています。Eにはいろんな種類があるため天然型のd-α、間違えないよう要注意です。

各種ビタミンサプリについて

下記リンクはわたしの自律神経失調症を治すために独学したものです。ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEについての基礎知識と飲み方の注意点などをまとめています。ビタミンは人によって適量が異なるため、1週間単位で徐々に増やしていくと安心です。

本日はここまで。次回はサプリ以外の生活習慣面での取り組みをまとめたいと思います。禁酒以外は全面協力姿勢を示してくれているのでひとまず3ヶ月はサプリ生活をつづけ、効果検証予定です。というか協力という表現はおかしい。体外受精の負担をまだ全くわかってないから「これ飲まなきゃいけないの」とかいうんですよ。。小言失礼いたしました。

身体弱ヨワ系のみなさんの、お力になれますように。