見出し画像

①戦略の理解:メーカーの商品企画のための「売れる商品コンセプトの作り方」

皆さん、こんにちは。このシリーズでは、商品企画初心者に向けて「売れる商品コンセプトの作り方」を説明していこうと思います。

僕は、2005年から、食品メーカーの商品開発部門やマーケティング部門で数多くの商品企画に携わってきました。また、マーケターとして多くのメンバーの育成に取り組んできました。その経験から感じたことは、新商品企画は事業の根幹を支える仕事であるにもかかわらず、多くの場合、メンバー個人の発想とスキルに依存しているということです。

経験上、商品企画のスキルUPには時間がかかります。このシリーズでは、僕が社内セミナーでメンバーに伝えている理論と考え方をできるだけシンプルにまとめてみます。商品企画初心者や、メンバーを育成されている上司の方々に、少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。

戦略の重要性

会社のリソースは限られているので、勝てない戦いはしない、ということが大切です。そのためにはまず、大手メーカーと小さいメーカーでは取るべき戦略が異なるということを知っていることです。中小メーカーは、売れている大手メーカーと同じことをしようとしても勝てません。大手メーカーは「ブランド力」「技術開発力」「製造力」「営業力」「販促予算」などを駆使して現在の地位を築いているということを理解しましょう。

では、パワーのない中小メーカーは逆転ができないのか?と言うとそうではありません。中小メーカーだからこそ勝てる戦い方があります。それが次の3つの戦略です。

1.セグメントする

大きな市場に挑むのではなく、大きな市場の中にある小さなカテゴリー、小さなセグメントで戦うことです。セグメントの切り口はいくつもあります。狙う市場の商品を分類してみてください。その一つ一つがセグメントされた小さな市場として検討することができます。

①商品仕様・種類、②サブカテゴリー、③ターゲット、④使用シーン、⑤使用目的 等

セグメントした小さなカテゴリーの中で、どうすればNo1になれるかを考えます。

2.差別化する

すでに市場に存在する競合商品と同じことをしても勝てません。これまでの商品との「違い」を出すことが差別化です。「ブランド」や「ネーミング」「デザイン」の違いは差別化ではありません。商品の仕様やスペックが、明らかに別物であることが必要です。しかも、お客様に分かるレベルでないといけません。

差別化できているかどうかを判断するのはメーカーではなく、お客様です。ここを勘違いしないように強く意識します。

3.集中する

これは非常に難しいのですが、市場をセグメントし、差別化された商品ができたら、その商品がセグメントされた市場でNo1になるまで、リソースを集中します。大手メーカーにパワーでは敵わない中小メーカーですが、1つの商品だけに集中すれば、そこだけは一時的に大手メーカーと同等以上のパワーで戦うことも可能です。一度No1を取ってしまえば、売上は安定します。あまり時間をかけず、リソースを集中して一気に攻めることが重要です。

ここは、経営マターです。社運を賭けるような選択と集中ができるかどうかは、戦略の筋の良さと、経営者のリスクテイク次第ですので、商品担当者としてはできるだけ理論的に情熱をもって社内を動かしていきましょう。

まとめ

商品企画は、どんな商品を考えても良い訳ではなく、勝てる商品を考えなくてはいけません。そのためには、まずこの戦略を理解し、戦略に沿った商品コンセプトを考えましょう。

図解戦略

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?