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③ターゲットの理解:商品企画のための「売れる商品コンセプトの作り方」
皆さん、こんにちは。このシリーズでは、商品企画初心者に向けて「売れる商品コンセプトの作り方」を説明していこうと思います。
僕は、2005年から、食品メーカーの商品開発部門やマーケティング部門で数多くの商品企画に携わってきました。また、マーケターとして多くのメンバーの育成に取り組んできました。その経験から感じたことは、新商品企画は事業の根幹を支える仕事であるにもかかわらず、多くの場合、メンバー個人の発想とスキルに依存しているということです。
経験上、商品企画のスキルUPには時間がかかります。このシリーズでは、僕が社内セミナーでメンバーに伝えている理論と考え方をできるだけシンプルにまとめてみます。商品企画初心者や、メンバーを育成されている上司の方々に、少しでも参考になれば幸いです。よろしくお願いします。
ターゲットの重要性
商品企画において、ターゲットは最も重要です。なぜなら、ターゲットのニーズに応えなければ商品は売れないからです。売れる商品コンセプトを作るためには、ターゲットをよく知らなければなりません。例えば、誰かにプレゼントを贈るとき、どんな人物かよく分からない人よりも、趣味や性格までよく知っている人の方が、その人にピッタリのプレゼントを選べますよね。商品企画も同じで、ターゲットをよく知っている方が、その人にピッタリの商品を考えることができます。
また、商品作りには様々な人たちが関わります。それぞれがバラバラのターゲットをイメージしてしまうと、良い商品にはなりません。関係者に正しくターゲットをイメージしてもらうためにも、商品企画段階で、具体的なターゲットを設定し、関係者に共有することがポイントです。
ターゲット設定のルール
ターゲットは「ニーズ」と「属性」の組み合わせで設定します。ニーズは「~したい」という形、属性は性、年代、職業、価値観などです。「20代女性」のような属性だけのターゲット設定は絶対にやめましょう。必ず「~したい、〇〇」という形とし、「ニーズ」と「属性」の組み合わせで記載するようにしてください。
ターゲットの解像度を上げる
ターゲット設定の「ニーズ」と「属性」を、できるだけ詳しく具体的に設定することで、ターゲットの人物像がどんどん明確になり、解像度が上がってきます。最終的にはペルソナと呼ばれる具体的な1人の人物像まで設定できるのが理想です。
プレゼントの例のように、ターゲットを具体的にイメージできるほど、その人のための商品は作りやすくなります。「こんな感じの人たち」というより「こういう人」「この人」とリアルな人物像を共有できるようターゲットの解像度を高めましょう。
ターゲットを押さえつづける
解像度の高いターゲットを設定できたら、常にそのターゲットを意識して商品開発を進めることが大切です。商品企画の時だけではなく、その後の商品スペックの決定、商品仕様の決定、ネーミングやコピーの決定、パッケージデザインの決定、販売価格の決定、販売チャネルの決定、広告手段の決定、販促施策の決定と、全ての意思決定においてターゲットを意識して判断を行うことで、一貫性のある戦術を実現するこができます。
自分たちは「誰」のために商品を作っているのでしょうか。商品を届けたい人、それがターゲットです。企画した商品がその人に届くまで、常にターゲットを押さえ続けることがとても大切だと思います。
ターゲットを絞ることの誤解を解く
余談ですが、ターゲットを絞ることに対して、少なからず抵抗を示す人がいます。そういう人は、ターゲットが広い方が多くの人に売れ、ターゲットが狭いと限られた人にしか売れないと考えます。だからターゲットを絞ることに反対するんですが、この考え方は「ターゲットが広くても狭くても、商品の魅力が変わらない」ことが前提になっています。実際にはそんなことはなく、商品の魅力を高めるために、ターゲットを絞る必要があるんです。
プレゼントの例で考えると、特定の人にピッタリのプレゼントを選ぶことは、その人のことをよく知っていれば可能です。でも、1つのプレゼントで多くの人にピッタリのものを選ぶことは非常に難しく、人数が増えれば増えるほど不可能になりますよね。ターゲットを絞るのは、売れる商品にするために必要なことだということを理解してもらいましょう。
また、ターゲットというのは商品を買ってくれる可能性のある全ての人ではありません。それよりも、商品を気に入ってファンになってくれるような特定のコアターゲットであったり、商品を長く愛してくれるような一部のロイヤルユーザーのイメージです。どうしてもターゲットを絞るのが怖いという感覚の人には、コアターゲット像、ロイヤルユーザー像として理解してもらっても良いと思います。
まとめ
商品企画で最も重要なターゲット。この考え方を理解することは、商品コンセプトだけでなく、マーケティング戦略そのもののレベルアップにもつながります。マーケターはターゲットを常に意識してほしいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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