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『3』を使った効果音制作の悩み解決方法

身の回りにある『3』

私は『3』という数字が好きです。

『3』は世に起こることをシンプルにわかりやすくしてくれる「チカラ」を持っていると思うからです。

例えば、

『基準』
・上、中、下
・1位、2位、3位
・信号の青、赤、黄

『まとまり』
・3部作
・音の3大要素
・中学3年間、高校3年間

『成立』
・三角形
・ドラム(ハイハット、スネア、バスドラ3点セット)
・光の3原色

などです。

このように身の回りを見ても、『3』はあらゆるところで判断に使われています。

実は、効果音制作に対する考え方も『3』を使えば解決法になることが多々あります。

効果音制作における『3』つの悩み

例えば下記のような効果音の悩みは『3』を使うことで解決できることが多いです。

・効果音に迫力がない
・いろいろ設定をいじっても新鮮な効果音を作れない 
・効果音を連続で鳴らすと「機械的」になる


どれも効果音制作でよく耳にする悩みではないでしょうか?
それでは『3』を使った解決方法をそれぞれみてみましょう。

効果音制作の悩みを『3』で解決


■効果音に迫力がない

EQで低域を上げても余韻を伸ばしても何か迫力が足りない・・。

この場合は、一つの効果音でなんとかしようとしているときに起こりやすいです。

そんなときには、『3』つ音を重ねてみましょう。

例えば打撃音を作る際に、ホワイトノイズだけで作ろうとせず、スネアドラムとバスドラムの音も混ぜてみましょう。

・スネアドラムでアタック感を強化
・ホワイトノイズを芯となる音
・バスドラムで低音を強化

役割を持たせることでより打撃感が増し迫力が出ます。

このように重ねる音にはそれぞれ役割を持たせると良い効果が得られやすいです。

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■いろいろ設定をいじっても新鮮な効果音がつくれない

ピッチを変えたりエフェクトをかけたり色々ためしたけど新しい音が作れない・・。どこかで聴いた音になる・・。

この場合も一つのエフェクトや設定だけを試しているときに起こりやすいです。

そんなときは、『3』回エフェクトをかけてみましょう。

・ディストーションを3回重ね掛けする
・ディレイを違う設定で3回かける
・ボイスチェンジャーを3回かける

エフェクトを一回かけただけで得られないなら、3段エフェクトを重ねてかけます。

すると思いがけない「効果」が得られて聞いたことのない面白い音が得やすいです。

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■効果音を連続で鳴らすと機械的になってしまう

ゲームに足音や打撃音を組み込んだけど、連続で再生するととても不自然に聞こえてしまう・・・。

この場合は、1つの音をそのまま連続で使うシーンに起こりやすいです。

そんなときは、『3』種類の音を用意しましょう。

「タッタッタッタッ」よりは「タットッツゥットッ」のほうがより自然な足音になります。

このニュアンス違いはほんの少しの違いでも十分です。

同じ素材でもピッチを少し高くしたもの、低くしたものを用意してランダムに再生するだけで「機械的」な印象は和らぎます。

・3種類以上の足音をランダムに再生する
・3種類以上の打撃ヒット音をランダムに再生する
・3種類以上の銃の発砲音をランダム再生する

ゲームの組み込みではよく使われるテクニックでランダムピッチと呼ばれます。

使う素材が一つの素材で済むので、メモリ消費の削減にも効果的です。

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『3』は使える!

いかがだったでしょうか?

『3』を使うと悩みを解決する一つの方法になりますよね。

効果音制作に限らず、私生活でも何か悩んだときは『3』を活用すると解決することができるかもしれません。

・この料理ちょっと味薄いかな? → とりあえず塩を『3』回ふっておこう!
・あれ?リモコンの調子が悪いな・・ → リモコンを『3』回たたこう!
・今日のプレゼンうまくいくかな・・ → 『3』パターン想定して作ろう!


などなど、意外に使えるかもしれません。(笑)

是非お試しください!


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効果音素材を専門に受注制作・販売するOGAWA SOUNDの小川と申します。「効果音をどんな手法、思考で作っているのか」、また「効果音に関する日常」を発信しています。

・ゲーム会社にゲームサウンドデザイナーとして約5年従事
・2021年現在、OGAWA SOUNDとして約9年間活動中
・Audiokinetic Wwise101.201技能検定認定ユーザー
・工学社出版 著書「サウンドエフェクトの作り方」

効果音のご購入は下記URLから。


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