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67.教育が教えてくれたこと

15年間の指導経験の中で学んだことについて、小学校の先生との絡みもありましたので、それら含め「教育」についてを書きたいと思います。


精神的負担

私が子供の頃と違い、今では子供に対して厳しく接することが難しいです。

原因の一つとしては、保護者が介入することにあります。もちろん、いじめなどの場合であれば、見過ごすことは出来ないのですが、実際そこまでエスカレートする場面が多いとは思えません。

問題が発生した場合、学校の先生がしかるべき対応を取ればよいのですが、結局学校の先生もリスクを恐れて、思った行動に出れないというジレンマに陥ります。

ここでのリスクとは

「対応を誤ると保護者から訴えられる、または信頼を損なう恐れがある」

このためです。そのようなことから、現状学校の先生には大きな負担がかかっていると感じます。

もちろん、暴力は良くないのですが、少し厳しくしつけることは必要と感じます。そうしなければ、何が良くて何が悪いのか、子供はまだその判断が出来ません。

もちろん、本来であればその役目は保護者が行うべきなのですが、昨今は以下の記事に書いたような状況があります。


もちろん、全く問題が発生しない場合が多いのですが、このような問題に遭遇すると、特に経験の少ない先生だと精神的負担が大きくなります。

このことについては、その分野の対応に長けた専門家を、各学校に配置する等の処置も必要だと思いますが、そうした専門家が不足しているため、それも難しいのだと感じます。

そうなると、出来ることとしては

「保護者に協力いただく」

これしかありません。私の場合は以下の対応を行いました。

  • 保護者との少人数や対面での話し合い

  • 集めて話をする

  • 現状を共有するためのメッセージ発信を行う


強制しても期待した結果は得られないため、「協力いただく」姿勢で接することが大切です。

もちろん、このような対策を行っても、協力いただけない方も少数おられるのですが、多数の方の意識が変わると、それが全体に浸透し良い方向に変化してくことを多く経験しました。

協力いただけない方がおられる場合は、その方とは個別に話をすると理解が得られやすいです。

無理に押し付けるのではなく、出来る範囲で協力頂く形で寄り添って話をすれば、理解いただける場合が多かったです。

もし、指導や教育で困られている方がおられれば、次の2点について考えてみてください。

  • 保護者からの信頼を得る

  • 協力いただく


幸せを感じた日

私も長い時間指導者として活動しましたので、つらい状況を何度も経験しました。ただ、それが原因で辞めようと考えることはなかったです。

全くないと言うと、それは嘘になりますが、少なくとも子供達と接することを毎日楽しみに指導していましたので、多少ネガティブなことがあっても、それを帳消しにするだけの幸せを、子供達からもらえたためです。

でも、もしその幸せを感じることが出来なければ、きっと長続きはしなかったでしょう。

一つ、記憶に残る出来事がありました。

朝から試合が当チームのグラウンドで行われることになったのですが、その日は朝から雪です。

雪かきをしないとコートが作れないと思い、試合の始まる、3時間程前からコートの雪かきを始めました。

コート半分程雪かきが終わったあたりで、一人の選手が雪かきをするための、トンボをもって走ってきました。

私:「ありがとう、〇〇君」

私:「でも試合までは時間があるし、ご飯も食べてないんじゃないの?」

選:「いつもコーチは、誰よりも早く来て準備してるよね」

選:「二人でやった方が早く終わるよ」

私:「なんでそのことを知ってるの?」

選:「だって、マンションから見えるからね」

私:「そっか~助かるよ、ありがとう!」

少し手伝ってもらった所で

私:「あとはコーチだけで大丈夫だよ、ありがとうね!」

このようなやり取りがあり、その選手は他の選手より早くに戻ってきて、再び手伝ってくれました。

その時、かなり早めに対戦相手のチームが到着したので、コーチと選手に挨拶をすると

「グラウンド整備手伝いますよ、大変ですよね」

と、親切に声をかけて頂けたので、お言葉に甘えることにしました。すると、そのチームの選手全員が

「僕たちも手伝います!」

と言ってくれたので、少し早く着いたチームの選手達と、グランド整備を行い無事に時間通りに試合を行う事が出来ました。なんてことない試合時の出来事ですが

「朝から、いいことあったな」

と、一日幸せな気持ちで過ごせました。このちょっとした幸せは、教育に関わると頻繁に経験することができます。


同じ目線に

このような経験、大人になると少なくなると感じますが、教育に関わると多くの貴重な経験をすることになります。

これが、教育の醍醐味だと感じるのですが、誰しもがそれを感じれるのかと言われれば、そうではないと思います。

子供も、大人も同じで、信頼関係を築けるかどうかで全てが決まります。

子供の場合は大人とは少し違って、指導者のキャラクター性も大切です。それを持ち合わせていれば、短時間で信頼関係を築くことが可能です。

ここでのキャラクター性とは

「同じ目線で向き合い、全力でその時間を楽しめるか」

に他なりません。大人になると、これが難しく感じる方がおられるのですが、それは

「子供になり切ることが出来ないため」

です。大人と子供を演じる必要があるのですが、それが自然に出来る方は、小学生以下の教育者に向いていると感じます。


まとめ

教育は指導力も必要なのですが、それよりも大切なことは信頼関係をどのように築くかです。

理論だけではうまくいかず、各年代における人の性質を理解することが必要だと感じます。教育者を目指す方は、是非知っておいてください。

そして、一つでも多くの幸せを、子供達と共有してください。

多くの出会いと別れを繰り返しながら、その一つ一つが人生の宝物になること、間違いないです。

お気持ち感謝に尽きません🙇‍♂️