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書籍【テックジャイアントと地政学】読了

https://booklog.jp/users/ogawakoichi/archives/1/429611719X

◎タイトル:テックジャイアントと地政学
◎著者:山本康正
◎出版社:日経BP


テックジャイアントの経営が曲がり角だという。しかしながら次のステップがどうなるのかは正直読めない。
生成AIについては、様々な考察がなされているが、その情報も日々変化しているため、本当の意味で未来を見据えた意見なのかどうなのか、一般の我々では判断がつかないだろう。
書籍で読んだ場合、情報だけで捉えると何テンポも遅いかもしれない。
しかし、最新情報に拘らず、基本を押さえたり、歴史の流れを見たり、全体を網羅的に把握するためには良いと思う。
実際にテックジャイアント(日本では「GAFAM」の方が伝わりやすい)は、今後も継続的に成長し続けられるのかどうか。
Facebook(現Meta)については、メタバース事業に大きく舵を切りながらも、実際にはまだまだ先は見えていない。
その一方で、社員の人員削減を断行しているという。
果たして拡大なのか、縮小なのかは、単純には計れないところだろうと思う。
Twitter社についても、まさかイーロン・マスク氏に買収されると思わなかったが、旧陣営で経営に苦労していたのは事実だから、今後の動きに期待というところか。
ロシアがウクライナに侵攻し、まさかこの21世紀の時代に、重戦車や、人間の兵隊での戦闘が起こるとは思わなかった。
もちろん、リアルな戦闘だけではなく、「ハイブリッド戦争」と言われる情報戦についても行われてはいるが、今後バーチャルなネット世界はどうなっていくのか。
リアルとバーチャルをつなぐ半導体の獲得競争についても、この戦争の影響もあって、熾烈な争いとなっている。
もちろん、バーチャルなネット世界は益々高機能化し、メタバース・Web3世界を構築していく。
メタバースが日常になってしまえば、それはもはや人にとって「現実」に他ならない。
映画「マトリックス」がよく引き合いに出されるが、そんな世界観がもう間もなく本当に訪れる。
トイレと食事以外はメタバース世界で暮らす人が普通になる世界。
メタバース世界で普通に仕事をして、普通に経済活動が行われる。
そうなった時に社会はどう変化していくのだろうか。
国家とかお金とかもどうなっていくのか。
SFのような話であるが、それが想像を超える早さで現実化し、社会に実装されていくのだと思う。
その時に覇権を握るのが今のテックジャイアントとは限らない。
もちろんMeta社でない可能性だってある。
中国のゲーム企業かもしれないし、シリコンバレーの別のAI開発企業かもしれない。
それでは日本からは何も生まれないのか?
かつて、日本はこれだけマンガ・アニメの世界でSFを描いてきた。
未来世界を想像することは得意なはずだし、その世界を実現するだけの技術力もまだまだあると思う。
そう考えると日本にも何らかのチャンスはありそうに感じるが、果たしてどの分野でどうやって勝ち筋を見つけていくのか。
そんな勝ち筋が見えている日本人がどれだけいるのか?
いずれにしても未来は勝手にやってくるものではない。
我々自身が作り上げる世界こそ、未来なのだ。
私自身は50歳を超えてシニア世代に突入だが、人生が本当に100年時代とすればまだまだ先は長い。
その間にも世界は目まぐるしく変化していく。
そう考えると、大きな野心を持って命懸けで取り組んでもいいかもしれない。
私自身には技術力も何もないが、これから未来を担う若者をサポートするくらいは出来る。
テック業界の動きは今後も追いかけていきたい。
(2024/4/20土)


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