見出し画像

複業紹介「MIL エバンジェリスト 兼 データアナリスト」&書籍紹介

(株)秤 代表の小川と申します。セールスプロモーション業界で4年、電通グループなどの広告会社の営業、プランナーとして10年強。データ分析を軸にしたコンサルティング支援で4年強。マーケティング戦略から戦術まで幅広く関わってきました。2018年11月には「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」という書籍も出版しました。

「TVCMやインターネット広告などのマーケティング施策が、それぞれ売上をどれだけ増やしているか?」効果を定量化し、予算配分の最適化試算まで行うマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)という分析を学べる書籍です。マーケターや、マーケティング組織に統計や因果推論の知識をインストールして意思決定を確かなものにすることがビジョンでありミッションです。ストアカでマーケティング分析の研修も提供しています。

業務委託でパナソニック(株)の全社横断のデジタルマーケティング部署のD-Locator’s HUBのアドバイザリーメンバーなど、10足前後のわらじで活動している「複業マーケター」です。このnoteは、弊社の設立1周年を機に、業務委託での複業先にまつわる内容を紹介する企画の一環です。年末年始の読書ニーズを踏まえ、ビジネス、マーケティングに役立つオススメ書籍とともに、複業それぞれの内容を紹介するものです。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。

複業紹介「MIL エバンジェリスト 兼 データアナリスト」

MIL株式会社はインタラクティブ動画の制作・配信ができるプラットフォームを提供する会社です。私はエバンジェリスト 兼 データアナリストとして、同社のソリューションやインタラクティブ動画自体をマーケティング業界に紹介したり、同社のプラットフォームを活用する際のデータ分析課題の解決に向けてのアドバイスする役割を担っています。

皆さんはインタラクティブ動画を知っていますか?海外のほうが活用は進んでいます。例えば、下記のNIKEの動画では、「ストーリー分岐」と呼ばれる機能が用いられたスタイリング動画になっています。スタイリストが提案する2種類のアイテムから1つをタップし選び進めていくと、視聴者が選んだスタイリングに身を包んだモデルが動画の最後に登場する内容です。

IKEAの「Kitchen」という動画はキッチンをテーマにしたコミカルな動画の中に登場する商品をタップして購入することができます。スピード感のある映像の中に、クリックできるタグをつけており、タップしづらいのは狙ってわざとやっているとしか思えません笑

これらの事例は、ロンドンに本社を置くインタラクティブ動画プラットフォーマー「WIREWAX」社のものです。MILのBlogでは他の海外事例も紹介しています。

インタラクティブ動画の活用ポイントは見るだけの動画よりも視聴者の能動的なアクションを誘発できることです。そのクリエイティブのギミックをどの様につくるかが鍵を握ります。それによって視聴者の心を動かすことで態度変容を起こすことができます。

5年以上前の話になりますが、インタラクティブ動画事業のアシストをしていました。日本での取り組みとしてはまだ早すぎて、なかなか上手くはいかなかったのですが、MIL社はその後、日本のマーケターがより使いやすいプラットフォームを構築し、採用やダイレクトマーケティングでの活用などケーススタディを着実に増やしていました。2020年夏、私が独立し、MIL社の支援をさせて頂くことになり改めて勉強する際、教えて頂いた事例がスケボーとスノボーがリアルタイムに切り替わるスイッチングという技術を使ったインタラクティブ動画でした。

これを見たとき、自分も何か作ってみたいと思いました。その時浮かんだのが、昔大好きだった深夜ドラマでした。その世界観をオマージュさせて頂きつつ、キャラクターの映像が切り替わる演出をスイッチング技術で実現したら面白いものができるのではないか?と考えました。実は10年前にも広告代理店での仕事で、ゲームの宣伝パロディキャラを演じてました。自らが広告キャラクターになり後輩と動画を撮影編集し、週刊SPA!に出す広告のに自分の写真を入れた原稿を入稿した記憶があります笑。

作ってみようと話を進めていくうち、おかげさまでMIL社以外の業務委託先も増え10社程度の複業となりました。そこで、お世話になっている業務委託先の企業のことを一気に無料noteで書いて年末年始のビジネスマンやマーケターが読書をする時期のコンテンツマーケティングとしてブチ込んでみたら、喜んでもらえるかも!と考えてコミュニケーションを設計しました。

できた映像がこちらです。

スクエア

スイッチング技術でこだわったのはA面とB面の映像を切り替えるときの一部だけ、基本的には人物の絵だけが変わる様にしたことです。視聴者にVJ気分を味わってもらいたいと思いました。プロモーションビデオ風のシーンが終わった後は、他にもイチオシで見てもらいたいnoteやSNSに誘導する画面に切り替えてクリックを誘発しました。一番目立せたのは動画内で12個の複業に関連するnoteを探して頂く360度のインタラクティブ動画です。

そこで使うためにスパイ映画風にアレンジしたBGMも作りました。撮影時のエキストラはMIL社の皆さんにお付き合いいただきました。3テイク目を使いました。踊りすぎて息ギレしてシャツがでちゃってますすいません汗。映像は仲間のクリエーターと作りました。で、勢いあまってYouTuberぽい動画も作りました。私は、「複業マーケター『秤貴史』という企画で何を実現したかったのか?」語らせて頂いております。

書籍紹介「苦しかったときのはなしをしようか?」

ここから紹介するおすすめ書籍は、日本を代表するマーケター森岡毅氏が、就職するお子様のために書き溜めたテキストを元に書籍化したものです。「働くことの本質」についての強烈な指針となる内容です。

森岡毅氏は数学を用いた独自の確率統計ノウハウなどを駆使し、低迷していたユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建した方です。USJは開園1年目に1,100万人の来場がありましたが、森岡氏が入社する年までの8年にわたって低迷を続け700万人台まで来場者を減らしていましたが、氏の改革によって平成28年には1,460万人までV字回復しました。変革のうち、最も大きなものは「映画の専門店」というコンセプトを変え、「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」へと大きく舵を切ったことです。進撃の巨人、ワンピースなど映画以外のコンテンツを導入しヒットを連発しました。この転換がなければ、来年のオリンピック開催前のオープンを目指し建設されているUSJの新エリア「ニンテンドーワールド」の実現はなかったはずです。

氏はUSJを辞めてから、マーケティング精鋭集団「刀」を経営されています。「刀」には、森岡氏のように大きな戦略を作るかただけでなく、インサイトの洞察に長けたリサーチャーや高度な市場構造分析を専門とするアナリストなど傑出した方が集まっています。刀という社名には、2つの意味があるそうです。

下記の記事より引用します。

1つは私たちの会社が、日本企業の国際戦略上の「1つの武器」になりたいということです。古くは日本の侍にとっての武器は刀でした。現代の日本企業の武器は、マーケティング。私たちの売り物であるマーケティングを武器として使ってくれという意味です。(中略)もう1つは、「ムダをそぎ落とし、本当に企業がやるべき企業戦略を形にする」ために必要な道具の象徴としての刀です。たとえば、コンサルタント会社に再生を依頼すると、「あなたの企業の問題点は32ある」などと言われます。しかし、本当に重要なのはたった1つの「重心」であり、それは多くとも集中すべき3点を見つけることで明らかになります。つまり本当に重要なこと以外をできるだけそぎ落とし、選択と集中すべき3つを実行することで再生という大事は成し遂げられるのです。しかし20や30もの課題の羅列では、どこから手を付けるべきかわからない。多くのコンサルではそれがわからない。なぜなら、マーケティングの実戦経験が乏しいからです。私たちにはそれがわかります。」

私は「秤」を提供する

マーケターとしての私の能力は森岡氏や刀の精鋭のみなさんが結集した力に遠く及びません。しかし、これまでの経験と学びによって、マーケターに必要な基礎的なデータリテラシーとなる統計や因果推論の知識を教えることについては、独立する前から自信はありました。今はアドバイザーとして動いている各企業向けや個人向け研修で一定の評価もいただいています。感染症の影響から、オンライン研修に特化して技術を磨きました。森岡毅氏、今西聖貴氏の名著「確率思考の戦略論」と拙書「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」の知識をインストールするオンライン研修で好評を頂き、ストアカアワード2020の新人先生賞も頂きました。

先に紹介したYOUTUBE動画でも話しましたが、マーケティング業務の現場では、統計や因果推論の知識が浸透していないため、危うい方法で意思決定が行われている場面をみかけます。森岡毅氏の「刀」に着想を得て、作った「秤」では、マーケターまたはマーケティング組織に「秤」を与えたいと考え、活動しています。複業マーケターとして10足のわらじを履いているのは、1人で複数の企業に生産性の高いノウハウをより多くの企業のマーケターに提供したいと考えているからです。

「苦しかったときのはなしをしようか?」は尊敬する森岡氏の熱い想いが詰まっていることが分かったので、眩しいというかなんと言うべきか、買ってはいたもののしばらく読んでいませんでしたが、あるコミュニティの課題図書になっており、それをきっかけに思い切って読んだのが最近でしたが、予想以上の衝撃が走りました。書籍タイトルにある「苦しかったときのはなしをしようか?」に対応するエピソードが壮絶で、武者震い泣きしました。森岡氏は、USJに行くまでP&Gで順風満帆で華麗なキャリアを送ってきた方だと勝手にそう思い込んでいましたが、P&G時代にも、多くの困難があり、執念ともいえるエネルギーで戦って乗り越えていたことが書かれていました。この書籍の第4章では、自分自身をどの市場でどの様にマーケティングするか?を整理するブランド・エクイティ・ピラミッドが紹介されています。私はある学びの場でこれを書く機会をいただいたので、これを2つ書きました。

自分のブランドを三角形の頂点の先にあるどの市場に向けて活躍させるか?それを分解して誰に(WHO) どんな価値を(WHAT) どの様にして(HOW)届けるのか?まとめたものです。
ST(セカンドターゲット)CT(コアターゲット)RTB(リーズントゥビリーブ※信じられる理由)です。

ひとつめは2020年11月までのものです。

セルフ1



ふたつめは2020年12月以降、「複業マーケター『秤貴史』」を公開以降のものです。

セルフ2


より多くの人や組織に秤を提供するために、複業マーケターとして、笑いも取りにいく。

社会課題としてデータ分析の基礎としての統計や因果推論が浸透していない状況に対して、自分流にできることはないか?その考えをもとに、「苦しかったときのはなしをしようか?」を読んでフっきれた私のセルフブランディング変更のきっかけが「複業マーケター『秤貴史』」だったのです。分析に興味がある人自体が少ないので、戦う市場をマーケティングの外、ビジネス全体に広げる戦略に基づいたコミュニケーション手段です。分析を学ぶ人が1人でも増えるなら笑いも取りにいきます。

ビジネスマンの皆さんをターゲットに、マーケティング、セルフブランディングや働き方に興味のある方に発信できるファクトを作り続ける人間を目指して活動を続けてまいります。SNS(TwitterYOUTUBEInstagram)もよろしければフォローいただけますと幸いです。

以上となります。ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。