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USJを再生した森岡毅氏の「刀」に憧れて「秤」を設立しました。

自己紹介

小川と申します。マーケティング組織のデータ活用を支援しています。これまで多様なデータを扱ってきました。およそ9年は総合広告会社のプランニングに使う視聴率や消費者パネルデータを分析してきました。3年はアクセスログやコールセンターの注文データなどダイレクトマーケティングの分析をしてきました。ここ3年は統計、因果推論、確率モデルなどを扱い、マーケター向けに分析ノウハウを共有するExcelでできるデータドリブン・マーケティングという書籍も出版しました。

本日株式会社秤を設立(登記)しました。マーケティング組織に「秤」を提供したいという想いから名づけました。その名は、日本を代表するマーケターの森岡毅氏が経営されているマーケティング精鋭集団「刀」(株式会社刀)から着想を得たものです。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。

森岡毅氏の偉業(の一端)

森岡氏は数学を用いた独自の確率統計ノウハウなどを駆使し、低迷していたユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建した日本を代表するマーケターです。USJは開園1年目に1,100万人の来場がありましたが、森岡氏が入社する年までの8年にわたって低迷を続け700万人台まで来場者を減らしていましたが、氏の改革によって平成28年には1,460万人までV字回復しました。変革のうち、最も大きなものは「映画の専門店」というコンセプトを変え、「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」へと大きく舵を切ったことです。進撃の巨人、ワンピースなど映画以外のコンテンツを導入しヒットを連発しました。この転換がなければ、来年のオリンピック開催前のオープンを目指し建設されているUSJの新エリア「ニンテンドーワールド」の実現はなかったはずです。10年で11兆7,000億円の経済効果が見込まれています。

数値に基づく市場理解

森岡氏が入社したとき、USJの幹部社員の間では長年の低迷の要因について、2つの仮説が信じられていました。氏はUSJの前はP&Gで活躍されており、そこでの経験によって培われていた数値に基づく市場理解の感覚から、その2つの仮説にすぐ違和感を覚えたそうです。

ひとつめは開業2年目に、賞味期限切れ食品問題など不祥事が続き、報道が過熱したことによるネガティブイメージが尾を引いているというものでした。氏は人のうわさも75日、それが8年も尾をひいているわけがないと考えたそうです。調べたところ、不祥事は低迷に拍車をかけてはいたが、低迷の原因ではなく、集客が低迷したから大量の在庫があまり賞味期限切れがもったいないからなんとかしようとして現場が問題を起こし、メディアの報道が過熱した。その後さらに不祥事が続いた。つまり、因果関係が逆で集客が低迷したから不祥事が起きていました。

ふたつめは、開業した翌年に、当時の社長が映画以外のコンテンツ(ハローキティ)を導入したので、開業年に映画のテーマパークを楽しみにしていた顧客が去り、東京ディズニーランド(以下TDL)との差別化が弱くなり、TDLに顧客を奪われてしまったというものでした。これについては映画の市場規模はエンタメ業界にしめる1割しかなく、映画ファンだけでのべ1,100万もの集客となったわけがないと考え、また、関東と関西の間には交通費3万円の川が流れているため、週末はTDLにするか?USJにするか?といった2択をする消費者は殆どいないので、TDLとは競合していないと考えたそうです。

ビジネスドライバー

低迷していたUSJの本質的な課題(ビジネスドライバー)は映画ファン「だけの」パークというこだわりでした。重視すべきは周辺エリアとなる関西の消費者です。ただでさえ関東の1/3の市場規模であるにもかかわらず、映画に絞ることでその市場を小さく使って自らの首をしめていました。こうした仮説を覆すにあたって猛反発をうけつつ、最終的にはひっくりかえし、「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」への転換を実行に移しV字回復を果たし、氏がみつけたビジネスドライバーは正しいと証明されました。

(小題目「数値に基づく市場理解」)から、ここまでは氏の著書「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」の冒頭部をまとめたものです。ここからは氏の書籍のエピソードを参照しつつも、私の考えを多く含みます。

感情は判断を危ういものにするが、数字はウソをつかない

当時のUSJで信じられていた仮説は感情にひっぱられた判断だと思いました。そもそも8年前の不祥事の報道が尾をひいているというのは無理があります。「1年前の今ごろもっとも報道されていたニュースは何ですか?」と聞かれ即答できる人は少ないはずです。集客が低迷した中で発生した修羅場への対応、追い打ちをかけるネガティブ報道。そうした負の記憶が強く印象に残っていたのではないでしょうか?

USJの開業年の映画業界の市場規模を調べてみると1,980億円でした。USJの開業年の公表売上は分かりませんでしたが、この資料には、開業年と来場人数が近い平成25年の売上が800億円とありました。仮にこの売上が開業年と近いとして、全国の映画1,980億円に対して関西圏のUSJが800億円の売上の多くを映画ファンから獲得したと考えるのも無理があると思います。映画のUSJというブランドが好きで皆が団結していた中、社長が(キティをいれたせいで)とりかえしのつかないことをしてしまった。だからそう簡単には取り返せない(低迷の言い訳)といった側面もあったのでは?などと勘ぐってしまいます。

人の判断は思い込みや感情などバイアスだらけです。ビジネスにおいては、感情を捨てた客観的かつ合理的な判断が理想です。経験や勘、感情といった判断は確からしさがありません。

確からしい判断をするために「数字(データ)」があるのだと思いました。「数字はウソをつかない」とはよくいったものです。


戦況分析と市場構造の理解

氏はマーケターの果たすべきもっとも重要な役割はビジネスを左右する、突くべき焦点となるビジネスドライバーをみつけることだとしています。
つくべき焦点を捉え、質の良い戦略を描けるか?そのためには戦況分析が必要であり、その主な目的は市場構造の理解であるとしています。氏の著書、「確率思考の戦略論」では、

消費者の購買回数の分布に共通する「法則」があり、それを用いることで、市場構造の核となる需要を定量的に予測または把握ができる「ガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデル」などの分析手法などを数式つきで丁寧に紹介しています。

たとえば、関西エリアの消費者を対象とした調査を行い、「あなたは最後にいつ映画を見に行きましたか?」という質問から得た「リーセンシーデータ」があれば、それを元に最適化計算を行うことで、関西エリアの方が映画に行く需要を把握できます。

大阪浸透率ダミー


上記の割合は実際の調査ではなく、ダミーですが、書籍で紹介されていた方法(Excelの関数とソルバーで計算)で演算することで関西の人口2,276万人を母数とした際、1か月で映画に一度もいかなかった人の割合、1回行った人の割合、2回、3回、4回、5回・・・・といった割合を把握できます。(期間は任意に設定できます)同書ではこうした購買回数ごとの割合を「市場浸透率」としています。母数(2,276万人)とかけ合わせれば、1回以上購買する方の人数や、総購買回数を算出することができます。さらに平均購買単価と掛け合わせれば、1か月の市場規模を金額として推計できます。

大阪浸透率ダミー2

同書ではこの分析で「ハロウィン」の需要の伸びしろを把握し、そこに注力する戦略をとる意思決定をしたことや、TDLの来場数予測にも使ったことが書かれていましたが、ここで示した関西圏の映画需要の把握に使ったという記述はありませんでした。USJに入社した際に「映画ファンだけで開演1年目の1,100万人もの来場につながるはずはない」と仮説した氏がそれを確認するためこうした分析を行っていたかもしれません。

映画の平均入場料金は、日本映画製作者連盟(映連)サイトで公開されている統計情報のグラフ(2017年の値)を参照しました。


ガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルをExcelで実行する解説を以前noteに書きました。分析について詳しくはこちらをご覧ください。

株式会社秤の初仕事となる12月20日開講の宣伝会議「マーケティング分析講座」の講義で私が作ったExcelシートを提供し、ガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルを演習します。

この分析では自社ブランドだけでなく、競合ブランド、商品カテゴリーの購買の需要を定量化できます。「むしゃくしゃして衝動買いをしたことはありますか?」と聞いて「それを最後にしたのはいつですか?」と聞くことで「ストレス解消のための消費」など知りたいニーズの市場規模を定量的に把握できます。(法則が適用できるか慎重な考察は必要です)より深い洞察となるインサイト発掘に強みをもつデコム社のデータサイエンティスト松本健太郎氏のnote「街ブラしても良いアイデアが浮かばないのは、普段からバイアスに塗れているからだ」には、インサイト発掘のためのために行う一風変わった行動(新奇事象)の調査のうち、いやなことがあった時に、UFOキャッチャーをしてストレスを発散する主婦の事象が紹介されています。旦那さんが頑張って稼いだお金を浪費してはいけないとも思いつつも、ちょっとだけ無駄遣いをしてウサ晴らしをするそうです。やけくそになってギャンブルで万単位でスっちゃうわけにはいかないと、そこはブレーキをかけているのが微笑ましいです。こういった人間の行動を読みといて行う質の良いインサイト仮説の作り方についてのノウハウや気づきについて、松本氏は多くの寄稿記事やnoteや書籍で発信しています。1冊目に読むのであれば以下の最新書籍がおすすめです。

紹介したのは「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」「確率思考の戦略論」内容のほんの一部です。書籍に詰め込まれたノウハウはさらに膨大です。しかし、それも「刀」のみなさんが結集したノウハウのごく一部でしょう。「刀」には、森岡氏のように大きな戦略を作るかただけでなく、インサイトの洞察に長けたリサーチャーや高度な市場構造分析を専門とするアナリストなど、傑出した方が集まっています。


刀という社名には、2つの意味があるそうです。

下記の記事より引用します。

1つは私たちの会社が、日本企業の国際戦略上の「1つの武器」になりたいということです。古くは日本の侍にとっての武器は刀でした。現代の日本企業の武器は、マーケティング。私たちの売り物であるマーケティングを武器として使ってくれという意味です。(中略)もう1つは、「ムダをそぎ落とし、本当に企業がやるべき企業戦略を形にする」ために必要な道具の象徴としての刀です。たとえば、コンサルタント会社に再生を依頼すると、「あなたの企業の問題点は32ある」などと言われます。しかし、本当に重要なのはたった1つの「重心」であり、それは多くとも集中すべき3点を見つけることで明らかになります。つまり本当に重要なこと以外をできるだけそぎ落とし、選択と集中すべき3つを実行することで再生という大事は成し遂げられるのです。しかし20や30もの課題の羅列では、どこから手を付けるべきかわからない。多くのコンサルではそれがわからない。なぜなら、マーケティングの実戦経験が乏しいからです。私たちにはそれがわかります。」

洞察から進むべき指針を提示し、ときにクライアント企業の代わりに業務を遂行するのがコンサルティング会社の主なビジネスですが、同社はマーケティングという「刀(武器)」をその企業に提供することを掲げています。外部受託でプロジェクトを回し続けるほうが儲かりそうですが、そうはせずゴールをノウハウの移植することで、日本企業のマーケティング力を高め、その力で日本を元気にしようとされています。だから、コンサルティング会社ではなく、マーケティング精鋭集団「刀」なんですね。

(氏の実績は当然として)ノウハウを移植することで本質的にその組織を変える刀のスタンスに憧れました。

私は「秤」を提供する

私の能力は森岡氏や刀の精鋭のみなさんが結集した力に遠く及びません。しかし、これまでの経験と学びによって、マーケターに基礎的なデータリテラシーを移植し、マーケティング組織の生産性の底上げに貢献する自信はあります。

さきほど、感情は判断を危ういものにするが、数字はウソをつかないと言いましたが、

(数字はウソをついていないが)数字の読み解きかたを知らないことで危うい(確からしくない)判断をするリスクはたくさんあると考えます。マーケターがそうした判断をしている場面を多くみかけます。

たとえば、インターネット広告でクリエイティブAとクリエイティブBでABテスト(専門用語では「ランダム化比較試験」)を実行した際に、200クリックでコンバージョンが2件(CVR1%)と400クリックでコンバージョンが8件(CVR2%)だった場合、Bの効果が良いと判断しませんか?このときその差に意味があるか?を検証する方法のひとつとなる独立性の検定のP値は37%を上回ります。一般的に用いる5%の有意水準を大きく上回り、ここからBが良いとするのは危うい判断です。

たとえば、TVCMを投下する前と後で売り上げなどの値を比較して、その差分から効果を推し量ろうとすることもよく行われています。これは、原因と結果以外のトレンドの影響を受けてしまう可能性やまれに極端な値をとったあと何度かデータを取ると平均に近い値に収束する「平均への回帰」などにより間違えた判断をもたらす可能性が高いです。前後比較デザインと言い因果関係を立証する力が弱いとされています。
こうした時に用いる「差分の差分法」では、CMの影響があった介入群と、CMの影響がなかった対照群、この前後の差分の差分を取ることによって、効果を推し量ります。例えばピザの宅配チェーンが、12月前半にCMを投下したとします。「介入群の前後差」から、「対照群の前後差」の差分をとることで、クリスマスによる増加トレンドによる増加分を調整してCMの効果を推定できます。

ビザチェーン

他にも、効果を把握したい施策の影響があったユーザーと、影響がなかったユーザーを比較して、その差分から効果を推し量るような判断もよく行われています。これも落とし穴があります。インテージシングルソースパネルのデータを用いて実際に分析した内容を元にした事例で、岩波データサイエンス Vol.3

という書籍で紹介された事例を参照します。「シングルソースパネル」とは、同じ対象者(シングルソース)から、購買行動や意識、メディア接触など複数データを継続的に収集する調査パネルのことでインテージ社の登録商標です。同社のパネル「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」ではどの番組やCMをリアルタイムで見ていたか?または録画で見ていたか?ログとして把握できています。この書籍で示された、ゲームアプリのCM効果検証の事例で示されたデータを元にして図にまとめました。

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TVCMに当たった介入群と当たっていない対照群を単純集計し、比較すると介入群のほうが、ゲームアプリで遊ぶ回数が少なく、時間も短い結果になっています。TVCMはマイナス効果!?

これは、介入群はTVの視聴時間が長いのでTVCMに接触しやすいがゲームをしない傾向があり、対照群はTVCMに接触しづらいがゲームをよくする傾向にあることによる偏りです。こうしたバイアスを「交絡」といいます。因果関係を明らかにしたい、原因と結果の双方に影響がある第3の変数を「交絡因子」といいます。交絡因子があると、本来知りたい原因と結果の因果関係を導き辛くなります。

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交絡因子はひとつではないことがほとんどです。その影響を考慮し補正する方法が「傾向スコア」を活用した分析です。TVCMへの当たりやすさ(介入群に割り付けられる確率)を0~1までの値をとる傾向スコアとして算出し、その値をもとに分析結果を補正することで、TVCM接触による平均介入効果(ATT)などを導くことができます。

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ATT=Average Treatment Effect on the Treated(介入群における平均介入効果)と言います。他にもATE(Average Treatment Effect/母集団全て(介入群&対照群)に対する平均介入効果)やATU(Average Treatment Effect on the Untreated/対照群における平均介入効果)という指標があります。

傾向スコアは、自社顧客に対して行った調査を分析するときなどにも役に立ちます。一般的に答えてくれる人はロイヤリティが高い人たちに偏ります。それを補正することができます(回答者となる確率を傾向スコア化し、その値から重みづけ補正)

自社顧客30%が買いたいと回答していたが、補正をしたら実際は20%だったと分かるなど、ミスリードを防ぐことができます。

他にも、時系列データを解析することで、各マーケティング施策が売上に及ぼす影響を定量化するマーケティング・ミックス・モデリングという手法もあります。拙書Excelでできるデータドリブン・マーケティングではExcelVBAでプログラムを組み、残存効果や、投下量が増えると効果がだんだん逓減する曲線的な影響を加味できる分析を実現しました。因果推論の作法を理解した上での変数の選択基準など解説しました。

50万部の大ヒット書籍となった「統計学が最強の学問である」シリーズ著者の西内啓氏より、

「これからのマーケターはグラフの見た目より『因果推論』に注意すべきである」という推薦コメントも頂けました。下記noteではまえがきから1章までを全文公開しています(2.4万字)長いので年末年始のお時間のある際にご一読頂ければ幸いです。

もし、その施策を実行していなかったらいくら売上は減るのか?

マーケターは日々施策の企画や実行に追われていますが、振り返りができていない方が多いです。それに時間が割けない状況もあるとは思いますが、

「もし、その施策を実行していなかったらいくら売上は減るのか?」

この問いに答えられるようにしておくことが重要です。そのために必要な効果検証のデザインがマーケティングで一般化していないため、理屈よりも売上取ってこい(でも施策が効いているかはどうか実は曖昧)の風土がデフォルトになっています。(P&GやUSJのような一部の企業を除いて)

TVCMなどマーケティング施策の投下1円あたり売上はいくら増えるのか?これを定量化することを専門用語で介入効果を推定すると言います。

単位は任意です。100円あたりでも1億円あたりでもGRPでも良いです。1円あたりの定量化=介入効果の推定という意味ではありません。

それぞれの施策が売上などの重要なKGIまたはKPIをどれだけ増やしたを定量化します。こうした知見の蓄積が、確からしく「戦略」を導くことができる組織となる近道です。森岡氏の言葉を借りると、「戦略とは、目的を達成するために資源(リソース)を配分する『選択』」のことです。

経営資源には限りがあります。そのため、何かを選ぶ、または注力する場合は、「何か」を捨てる判断が必要です。経営学者のマイケル・ポーターは、つまるところ戦略とは「捨てることだ」としています。何を選び、かわりに何を捨てるか?それを確からしい根拠から決めることが重要です。適切な検証方法を用いて、それ自体を研磨していくことで根拠はより確かなものになります。確からしい根拠から明確に何かを捨て、何かに注力することができる、それこそが「戦略」を導くことができるマーケティング組織です。

氏は経営資源は「存在に気づくことで増やすことができる」としています。手元にあるデータ、過去の顧客アンケート、プロモーションに関連する時系列データなど、解析することで新たに発見できる示唆があります。いわゆる手つかずのデータがごろごろ転がっているにも関わらず、分析のデザインを知らず、放置されています。マーケターのデータリテラシーを全体的に底上げできれば、手つかずのデータを経営資源に変えることができます。

秤のソリューションの主は分析受託ではありません。結果そうしたスコープを一部含めることもありますが、主なスコープは研修です。マーケティングサイエンスにフォーカスし、データから戦略を導くことができるマーケターへのレベルアップを目的としたプログラムを提供します。大量の行動データを探索するためにSQL叩いてといったデータエンジニアリングでなはく、ExcelまたはExcelアドインソフトを用いて、マーケティング戦略プランニングに伴う仮説検証、または仮説探索に役立つ分析の習得を目指します。データドリブンなマーケティング組織を目指し、学びたい、または学ばせたいという企業を支援します。

最近、のびている企業に「ワークマン」があります。下記の記事には、

原動力は全社で進めたデジタル化。入社2年目から研修を徹底し、エクセルの「関数」は必須スキルだ。

という記述があります。「全社員」でリテラシーを高めているのがポイントです。数名程度、傑出した分析スキルをもつデータサイエンティストが高度な分析をしても意思決定者や現場が腹落ちし意思決定し実行しない限り、その分析にはまったく意味がありません。業績をのばすためには、本部の戦略と、現場の戦略(本部からみた戦術)、双方を確からしいものにすることが重要です。日々の意思決定は現場で起きているからです。そうした意思決定の精度を高めるためにマーケティング組織全体または全社でデータリテラシーを底上げしていきたいと考えるみなさんをサポートしたいです。

簡易的なものですが、お問合せ頂けるホームページを作りました。カスタマイズした研修や、マーケティングに関するご相談など、お気軽にご相談ください。

2019年12月20日に開始するマーケティング分析講座には、現場のマーケターの方だけでなく、組織の研修の前にまずはご自身で学ぶマーケティング責任者の方もご参加されます。参加頂くみなさんのご期待に添えるよう講義用資料とデモデータを鋭意制作中です。まだ枠がある模様です。(2019年12月9日16時時点)組織または個人のマーケティング意思決定の精度を上げたいとお考えの方はぜひご検討ください。


スペシャルサンクス

「秤」のロゴはココナラでkazkazさんにお願いしました。素晴らしいデザインをありがとうございました。「秤をもつことで企り(はかり)に集中する」という意味をもたせたくて、筆の感じは、遊んでいただきました。

会社の登記はウィルゲートの吉岡氏の奥様に行って頂きました。吉岡氏は慶應経済、岡山ご出身で高校卒業3日後に起業し、22歳で組織崩壊、借金1億円から復活された破天荒な経歴の持ち主であり、何よりスーパー営業マンです。最近は5000円で売りますよーとなにげなくSNSで投稿した動画が一瞬にして600人以上に売れそこから50社の問い合わせを獲得し、5,000万円粗利の契約を獲得したり、80名程度の参加者に講演を行った際、30%が商談希望となったりなど、BtoBマーケティングについて神がかったノウハウがある方です。

ほかにも所属会社株式会社カーツメディアワークスのみんなや、仲間、先輩後輩友人家族、感謝すべき方は多いのです。秤のビジョンの浸透や日本企業を変えるファクトを作ることで恩返ししていきたいです。以上となります。ここまでお読み頂きありがとうございました。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。