2020年を振りかえりつつ、「働き方」と「セルフブランディング」を考えた結果
株式会社秤の小川と申します。セールスプロモーション業界で4年、電通グループなど広告会社の営業とプランナーとして10年、データ分析を軸にしたコンサルティング支援4年強。マーケティング戦略から戦術まで幅広く関わり、2018年11月に「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」という書籍を出版しました。
ストアカで研修技術を磨く。
今年は感染症の影響から、いろいろな制約があったのはみなさんご存じの通りです。私も何かやろうと考えストアカという研修の講師を4月からはじめました。マーケティングに必要な統計や因果推論を扱っている拙書と、確率モデルを扱ったマーケティング名著「確率思考の戦略論」
をテーマにした講義をオンライン限定で開催しました。テスト講義も数回実施して内容を磨きました。自粛ムードからの勉強需要が高まった5月には5回開催で150人以上の方に有料で参加いただきました。そのきっかけを作ったのが、マクドナルドVSケンタッキーフライドチキンの需要を構造的に把握する確率モデルの分析をテーマにしたnoteでした。このnoteが独立のきっかけを作ったといっても過言ではありません。
ストアカで活動する以前、研修会社の講師の仕事も行ったことはありましたが、それは招かれた先生としての講義です。ストアカは講師=サービスマンです。実は結構大変です。その分、よい評価をいただくことがとてもうれしいです。感染症を踏まえオンラインに適した講義を考えてnoteとツイッター広告によって直接ユーザーに販売してレビューで評価をいただくPDCAは大変な反面、成長を実感でき、大きなやりがいがあります。今では生きがいと言えるものになっています。
独立し「複業マーケター」を名乗る。
私は42歳です。来年就職する娘と保育園に通う娘がいます。今年は父親としての自覚を強く持った場面が多かったです。みなさんも同じようにそれぞれが大変な状況もあると思います。ストアカ研修を直接ユーザーに販売し、(ストアカ内で営業はしていませんが)生徒さんから弊社へのご相談が来る機会も増えていました。不透明な状況下ではありましたが、より多くのプロジェクトに自分の裁量で関わりながら、SNSで自分のブランド(秤)で発信に注力したくなりました。2019年12月に秤という会社を登記してしばらくはサラリーマン経営者でしたが、夏に会社を辞めて営業活動を行い、2020年12月15日時点では、アドバイザー、エバンジェリスト、デジタルマーケタ―など複数の役割を頂いております。
上記にないものには、サンスターのMAGMASというシャンプーの愛用者(noteにタイアップ頂いたブランド)という役割もあります。
他にも、未来のインフラ作りに関わる非公開案件もあります。秤の看板でストアカ研修も行っています。それを含めると10足を越える役割です。仕事やりすぎじゃない?」と言われたりもしますが、タイムチャージをベースとした契約で実際は80%~90%人月の契約稼働時間目安です。数が多いので時に馬力をかけて実際は100%~120%人月位働いてるイメージです。残業漬けではありませんが、各社とのスコープとスケジュールを整理していますが、どうしても重なる時だけタスク過多になるくらいです。参加しているマーケティングのビジネスサロン「無双塾」塾長の足立光さん(以降足立氏)だけは「まだあと4つは行けるよ経験上(笑)」といったお言葉でした。上には上がいます。足立氏はファミリーマートのCMOの役割が有名ですが、それ以外にも多くの役割を担っていると思います。外から見ると涼しい顔で回していらっしゃいます。負けてられないです!いや、まだまだ勝てません笑
足立氏と西口一希氏の共著による最新刊も読みました。課題意識をもつマーケティング実務書や経営者の方に、超絶おすすめです。
書籍紹介(補足)
2-3年目以上のマーケティング実務経験のある方に超絶おすすめしたい名著です。巷で出回っている感染症による消費者変化に(安易、または近視眼的に)対応せよ!というものではなく、感染症の流行以前にも、長期のトレンドで起こっていた消費者の変化に加え、想定外の変化は常に起こり得るものであり、マーケティングでは常にそうした変化をとらえて対応するものであり、さらに「有事へのスピード感は、平時への備えからはじまる」といった提言や、「変わらない本質」に着目することが重要性が骨組みとなっています。この書籍はマーケティング課題に真剣に向き合ってきた実務者ほど、役に立つ書籍です。逆にマーケティングの前提知識が薄くて、「ちょっとマーケティングをかじってみたい」人には刺さりません。足立氏西口氏というマーケターの過去作品も含めてほぼ読んでいる私は、常日頃、特に若い「デジタル時代からの」マーケターの皆さんの視野が少し狭い傾向に課題を持っており、それを広げるためにマーケティングサイエンスの側面での講義や啓もう活動も行っています。そんな私には刺さりまくる内容でした。私は得た知識をすぐ使いたくなる性分なので、講義やコンサルティングの場面で参照する機会も多いと思います。今は主に組織をデータリテラシーの底上げを並走する研修と実務の併用型コンサルティングが主なスコープとなっています。下記のnoteでは、急成長しているワークマンをロールモデルとした組織の作り方についての考えをまとめました。
10足のわらじを紹介するために「秤貴史」に扮する。
今年の厳しい情勢の中で改めて強く思ったのが、究極的には自分自身の力を信じられる様にしないといけないという危機感でした。足立氏はSNSなどで、日本のビジネスマンは自分自身のマーケティングをもっとやらないといけないとおっしゃっており、触発されてきた部分もありますが、秤の登記1周年を機に、「マーケティング」「セルフブランディング」「働き方」をテーマに合計6万文字超えのnote12個を執筆して、さらにその紹介法を斬新なやり方でやってみようと考えました。12個の複業の役割に対応するnoteを360度動画で再現された渋谷のカフェ&バーの中から探していただくインタラクティブ技術や、私(小川貴史)と怪しいキャラ(秤貴史)の映像がリアルタイムに切り替わる技術、アクションカメラInsta360のAI編集(自撮り棒を消す、分身の術)など、最新の映像テクノロジーを盛り込んだ「技術の無駄遣い」動画をインタラクティブ動画プラットフォームMIL社の協力のもと作りました。MIL社からの業務委託で私はエバンジェリスト兼データアナリストの役割も担っています。MILの再生数を大量に稼げばMILの認知度が上がるかもしれません。12個のnoteのPVを大量に獲得できれば、業務委託先の各社に喜んでもらえるので実益を兼ねた企画です。
上記のインタラクティブ動画をご覧いただくと分かりますが、かなりふざけたトンマナです。2カメで撮影したけっこう本格的なYouTuber風の動画インタビューでも、企画骨子を語ったり、無駄に凝ったコンテンツを作って遊んでいます。
ふざけたトンマナに込めた真面目な意図もあります。
マーケティングの分析、統計や因果推論で今の私が知ってる位の知識は全マーケターの基礎知識にしないと日本のマーケティングの意思決定を確かなものにする底上げにならないという課題意識があります。統計や因果推論と言うと、とっきつきづらいイメージがあるも多いので、それを払しょくしたいと考えています。私は高卒でイベント業界から広告代理店に転身して、その実務の中でデータ分析学んで、素人から書籍まで出した叩き上げの分析勉強者です。
ですが、もともとはクライアントと朝まで飲み歩いて仕事をとるような昭和生まれなザ・広告マンでした。時代は変わり、今はITコンサル寄りなカルチャーに変わったので、今は移動時間も、仕事のおつきあいの拘束時間まで時間把握できるよう、役割とスコープで15分単位で稼働記録しており、自分の時給換算に徹底的にこだわる令和的な働き方にスイッチしています。とはいえ、昭和的なカルチャーが自分のルーツなんで、そっちのキャラを誇張して出してしまおうと考え、動画では変な踊りとか踊ってます(実際の宴会芸かもしれませんw)そこは意識してふざけましたが、インタラクティブ動画のUXを踏まえた技術の使い方やnoteへの導線設計などはマーケティングのプロとして綿密に考えました。noteの文章もこだわりました。コンテンツの総量はかなりありますが、もし宜しければ年末年始など、お時間のできた際にご覧いただけますと幸いです!
2024年5月26日更新
新しいビジネス書を出版します。確率思考の戦略論で紹介された各種数式を汎用的に実務に落とし込む「エビデンスの作り方」を紹介しています。