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日本を愛する 〜「シン・ニホン」を読んで想うこと〜

安宅和人氏のシン・ニホンを読んだ。

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『シン・ニホン』の名の通り、あらゆる日本人にとって遜色のない内容になっていると思う。そして、昭和から平成にかけて教育を受け、変化が目まぐるしいこの社会で活躍(しようと)している40歳前後=つまり私には耳の痛い内容がたくさんあった。

個人的に、本著を手に取る前に「文系AI人材になる」と「ファクトフルネス」を読んでいたことが、内容を理解するに役立った。

※『「文系AI人材」になる』はより”現在”にフォーカスされたAIの活用状況、そこに対して文系向けにAIについて体系的にまとめています。考察を書いておりますので参考になれば。

●本について

本著は400ページ以上の分厚い骨太な本で、そのボリュームに等しくこれからのニホンを如何に戦える国にしていくか、その方針と実現手法の提案までもが書かれている。

なにより、根拠となるファクトデータ、引用元、をこと細かく、著者の性格と抜かりなく伝えたいという想いが伝わる、重厚な内容だ。

目次のみ提示させていただく。

●目次
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ -- 時代の全体観と変化の本質
2章 「第二の黒船」にどう挑むか -- 日本の現状と勝ち筋
3章 求められる人材とスキル
4章 「未来を創る人」をどう育てるか
5章 未来に賭けられる国に -- リソース配分を変える
6章 残すに値する未来

領域も広範囲に渡り言及されている。
また、それらを同時並行で進めていくこと、これを理解し、一人ひとりが主体的に行動していくことを求めている。

ここでは本著を読み終えて、「私個人として何を考えるか、行動していくか」、そのアウトプットの場とさせていただきたい。

●脱文系マインドと不足科目の学習

これからの時代を生きる上で
「科学的」「技術的」な基礎教養を切り離して自己実現はかなわない。
というか、戦力外。

今からでも遅くない。(はず)

理系科目の勉強をする。

生きながらえる限り、ここの不足をリカバリーし、さらにはアップデートしていかなくてはならない。

●「若い世代をどう活躍させるか」を具体化させる

「具体化」とは考えと行動の双方を指す。

年齢を重ねても主役でありたいというのは自身のライフプランとしては健全で、それは前提として異論はない。
ただ、年齢を重ねて、「次世代のため」の貢献度合いを広げていくことは必ず意識する。

私はもはや、40歳で、現状起きているあらゆる変化に対して
”ネイティブ”でないこと
を認めざる得ない。
ネイティブに近づく努力は絶やさず、一方でネイティブたちが活躍しやすい土台をつくりあげることをコミットしていかないといけない。(前者がないと後者が実現できない関連性は強いので逆説的な表現は正しくはない。)

ネイティブでないところを素直に認め、”助ける側”にまわることが大事だ。

●ダイバーシティとカオスを積極的に許容する

ダイバーシティはもはや事実を受け入れることにちかい。
その結果、生まれるカオスは健全なものとして捉える。

個人の夢を尊重し、それを自己実現できるスキルを身につけ、それを社会構造がプッシュアップできている状態

個人の夢は多種多様だ。
そこに軋轢や矛盾は発生するが、そこにいちいち目くじらたててしまっては身動きができない。(これに忖度しすぎた結果、一律化、同質化を当たり前とした社会構造になり、成長できていないのが現在の日本)

個人のエゴのぶつかり合い、そこで生まれる摩擦熱を資源化し、
再分配する仕組みを
年長者および社会のルール設計者は意識していくべきなのだと思う。

●日本を知る、愛す。

本著を読み終えて強く感じたところは著者である安宅氏の日本を愛する気持ちだ。
日本への愛をガソリンとし、いまこの国をどうすべきかを一人ひとりが考え、どう行動すべきかを説いている。

そんな中で我々は日本を知ることを止めてはいけない。
そして、それをすることで私達は日本を愛せる。
私は娘に対して日本を教えること、一緒に知ることをしていくべきだろう。

最後に。

もはや規模の経済は終わりを迎え、人の心に向き合わなくては付加価値は創れない時代だと思う。
コロナウィルス禍において、それが急激に進む部分も多いはずだ。
経済の大部分が封鎖され、アウトプットが出来ない時代においても学ぶことは止めてはならない。むしろAI時代において出遅れている日本にとってはチャンスなのかもしれない。(もちろんコロナウィルスがいち早く終息することを願っているし、「経験」で得る学びにおいても制限性があるというのは理解しているが。)

今できる「学び」を個人では推し進め、然るべき教育を受ける世代から(社会全体が努力して)学びを開放していこう。そして現在しか学べないこともあるだろう。それを大人たちは意識して子供たちに教えていければ良いと思う。

そのためにはまず私達が何を学んだか。それに向き合うことが大切だ。


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