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娘が帰国子女枠で中学受験した話

ogasin


はじめに

娘は4年間、北米の現地校に通っていて英語がネイティブに近いレベルだったこともあり、タイトルの通り、帰国子女枠で中学受験をしました。
一口に帰国子女といっても人によってかなり事情が異なるためどこまで参考になるかわかりませんが、同じように帰国子女受験を考えている方に少しでも参考になればと思い、我が家はこうだったよというのをベースにご紹介いたします。

背景

娘4歳(幼稚園で言うところの年中さん)の春に日本を離れ、その年の秋からカナダ(バンクーバー)とアメリカ(ロサンゼルス郊外)でそれぞれ2年ずつ現地校に通いました(Kindergarden〜Grade3)。現地校での成績は普通。アメリカに移ってからはESLなどの非英語圏の生徒向けクラスにも入っていません。
日本に帰国したのは小学3年生の8月末。そこから卒業までの3年半は近所の公立小学校に通いました。この帰国タイミングですとほとんどの学校が帰国子女枠受験の対象外(一般的に帰国して2〜3年以内)になりますが、柔軟に対応してくれる学校もあります。

受験の動機

主な動機は、
・通っていた小学校の同級生の素行を見て、公立中学に通うことに前向きになれなかった※
・せっかくの英語力を活かせる授業を受けられる学校が良い
という2点。
※「服装が女の子らしくないから変」(いつもTシャツ・パーカーにレギンスです)という偏った概念を押しつける、言葉遣いが悪い(「死ね」とか日常茶飯事)、暴力を振るう(殴られて帰ってきたこともあります)など。


受験対策も含め、何かしら塾に通わないと今の受験戦争を勝ち抜くことは容易ではありません。娘が通った塾+αを紹介します。

・帰国子女アカデミー公式サイト
英語力保持の観点から帰国子女アカデミー(以下KA)という英語塾に帰国してすぐから通いました。こちらはECCのようないわゆる英会話教室ではなく、現地校同学年の子と同レベルの英語力を培うことを目的とし、また帰国子女枠受験のサポートもしている塾です。結局最後までこちらでお世話になることになりましたので、この塾を紹介してくれた友人に感謝です。

・SAPIX
言わずと知れた進学塾です。「四教科の方が幅広い選択肢がある」という理由で3年生の終わりからSAPIXに通っていました。ただ、こちらは宿題の量に追いつけず、本人がノイローゼになってしまいそうだったので5年生のはじめに退会しました。でもここで習ったことが受験のときにも役立ったと娘本人は言っていたので、全くの無駄だったというわけではなかったように思います。この時の心境については以前ブログに書いたのでご興味ある方はそちらも読んでみてください。→塾をやめました

・ENA公式サイト
娘は通いませんでしたが、KAの同級生の子はENAで算数と国語の底上げをはかっている子が多かったです。算数は英語で出題される学校もあり(広尾など)、日本に帰国して長い子は慣れない用語が出てくるのでENAでカバーするか問題を取り寄せて対策しておいた方が良いでしょう。(このあたりはKAからもアドバイスがあります)

受験勉強

・基本は塾の授業と宿題
基本的には全てKAにおまかせで、宿題をちゃんとやっているかどうかのチェックがメインです。宿題の量は多くないです。

帰国子女枠の試験内容にはほぼ必ずエッセイ(作文)が含まれるのですが、KAではそこをかなりしっかり強化してくれて、これだけでも授業料を払う価値があるなというくらい丁寧に添削・指導してくれます。提出はKAのサイトからPDFで行います。スキャンしたり添付したりで小学生には難易度が高いので、提出の確認を兼ねて親が行ったほうが良さそうです。スキャナーがないご家庭はスマホのスキャナアプリを使うと簡単にスキャンできます。

エッセイの提出に限らず、宿題にはパソコンを使うことが多いので、専用PCを与えるか一定時間明け渡す必要があります。

また、秋頃から面接対策コースや志望校別対策コースが組まれ、志望校の数によっては週に3〜4回通うことになります。この時期は娘は週4クラスとっていました。(当然、授業料も爆増します…。)

家で宿題以外にしていたことを挙げると、
・単語ノート

KAの先生のアドバイスで、娘の弱点である単語の語彙力を上げるためにノートを作っていました。本やニュース記事を読んで出てきた知らない単語をノートに書き出し、意味と例文を書くという作業です。最終的にノート6冊分やったそうです。よく頑張った。

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・リスニング
FOXやCNNなど英語のニュースをGoogle Home(現行モデル名はGoogle Nest)でタイマーを設定して毎朝流していました。我が家にはテレビがないので今の世界のトピックをなんとなく知ってもらうことも兼ねています。

・読書
とにかくたくさん本を読むように言っていました。本人が読書好きなので読め読め言うことはあまりありませんでしたが、古典英語の言い回しも慣れておく必要があるため、好きな本ばかりでなく古典も読むようには声かけしていました。(それでも"The Load of the Rings"は途中で断念)
本はKAで貸してくれますし、Scholasticで安く購入することもできます。また、Kindle Paperwhiteで電子書籍も読んでました。洋書は電子書籍の方がだいぶ安く買えますし、辞書機能も便利なのでおすすめです。

kindleのコピー

志望校選び

帰国子女枠で受験するにあたり帰国タイミングが受験資格に影響しない学校(表向きの制限はあるが柔軟に対応してくれる学校)の中で上述の「受験の動機」の2つめに書いた「せっかくの英語力を活かせる授業を受けられる学校が良い」という条件をクリアするために英語の取り出し授業がある学校をKAのスタッフに教えてもらい、その中で娘の希望である「共学」の学校をいくつか選びました。この学校選びについてはKAのスタッフとの面談の際に要望を伝えると、候補となりうる学校を提示してくれます。

これらの条件をクリアしている学校のうち、最終的に受験したのは
かえつ有明
広尾学園
渋谷教育学園幕張
渋谷教育学園渋谷
の4校です。

偏差値的にはかなり幅がありますが、別に進学校に通って良い大学に入ってもらいたいという願望は(全くないとは言いませんが)あまり強くないので、学校の雰囲気やカリキュラムを鑑みて選びました。

学校説明会

授業のカリキュラムだけでなく、受験の申込方法や試験内容が独特な帰国子女枠受験は学校説明会参加が不可欠です。基本的には娘を含む家族3人で聞きに行きました。我が家が申し込んだ説明会は全てmiraicompassというサイトから申込みするスタイルでした。出願等も全てこのサイトを通じて行います。
なお、かえつ有明はKAのプログラムで体験授業を受けることができたのでそちらに参加しました。

文化祭

渋渋と広尾は文化祭に行きました。今年(2020年)はコロナの影響で開催が危ぶまれますが、なんとなくの学校の雰囲気を掴むのには文化祭はやはり良いと思います。
広尾は学校説明会に参加すると文化祭のチケットをもらうことができましたが、渋渋はネットでの先着順申込のため、朝からPCに張り付いて応募しました。渋幕は娘に「受けたい」と言われたのが文化祭シーズン終わってからだったので文化祭には行っていません。

出願

親としてある意味いちばん責任重大なフェーズです。
出願にあたって要求される書類、受付期間、提出方法が全て異なるので、カレンダーや表で管理しつつ夫婦でダブルチェックやリマインドをしながら漏れがないよう気をつけなければいけません。流れとして「出願希望書を提出→受理→受験申込」という二段階申請のところもあります。
2回くらい「あれ!?出し忘れたかも?!」と混乱して冷や汗をかきました。(大丈夫でした)
必要書類で特に時間がかかるのが現地校の成績表コピーです。学校によっては過去数年分だったりするので、とりあえずもらったものは全て保存しておくことを強くおすすめします。またすでに紛失等している場合は早めに学校に連絡して手配する必要があります。受験を考えていて成績表が手元にない方は何を差し置いてもまず今すぐ手配しましょう

もう一つ時間がかかる可能性があるものに、勤務先に依頼する「駐在証明書」があります(不要な学校もある)。こちらはフォーマットが決まっていることもあるので必要の有無を確認してからの手配で十分ですが、すでに転職している場合は余分に手間がかかりますので注意が必要です。

なお先述のとおり、帰国のタイミングによっては帰国子女枠の対象から外れていても学校説明会の際に必要な書類を渡してくれたり、事前の出願希望書の提出により審査をして対応してくれる学校もあります。「受験資格」の欄を見て枠外でも諦めないでください。

受験(試験と面接)

帰国子女枠の受験は早いところは10月の中旬から始まり、遅いところは2月まであるのでかなりの長丁場になります。体調管理はもちろん、モチベーション維持もかなり難しいものがあります。一般枠受験の数日間連続というのもかなりタフですのでどちらが良いというものではありませんが、違ったタフさが求められるなという印象です。

帰国子女枠はどこの学校もテストに加えて面接があります。僕が見る限り98%くらいの生徒が正装(ブレザー、襟付きシャツやブラウス、革靴)という「お受験ルック」でした。ただし渋幕は説明会で繰り返し「平服で」と言っていたのでその限りではありません。

僕と妻の考えとして「服装で落とす学校なら通ってもきっとめんどくさいことが多いから行かない方が良いと思う」というものがあり、それを娘に伝えたところ本人もそれに賛同し、すべてパーカーにレギンス、スニーカーのいつも通りの服装で臨みました。試験当日に周りの服装を見て「まずは服装で強い印象残せるじゃん、やったね!」と言ったら「だね!YES!」とポジティブに受け取っていました。結果、特に面接官に指摘されることもなく、合否にも影響ありませんでした。この辺は本人のメンタルとの兼ね合いもありますが、個人的にはいつも通りの服装の方がリラックスできて良いかなと思っています。

合格発表と入学手続き

受験した全ての学校がオンライン合格発表に対応していました。ただし、一部の学校はごく短時間しか公開されていないため、それを逃すと確認のため学校に行く必要があります。

合格していた場合は学校に直接赴いて入学手続き書類を受け取りに行きます。こちらも期間が限られていますので、それに備えてスケジュールは空けておく必要があります。

さらに、学校によっては入学金の振込受付期間が極めて短い学校もありますので、すぐに振り込めるように準備をしておきましょう。稀に振り込み損ねて入学できなくなってしまうという話も聞きますので気をつけたいところです。

参考までに:
かえつ有明の場合は帰国子女枠で受けられるコースに「国際生」と「オナーズ」があり(オナーズの方がカリキュラムがより英語重視)、日程も異なるため両方受験することが可能です。合格した場合の入学手続きに期間の余裕をかなり持たせてくれるので、複数受験する場合は後から受ける方の合否が確定してからまとめて書類を受け取りに行くと二度手間にならなくて済みます。(僕はそこに気づかず、2回赴きました。失敗。)

おわりに

中学受験は親子の二人三脚が不可欠です。それだけに、合格したときの感動というのは親も胸に熱くこみ上げるものがあります。子供だけでなく親も本当に大変ですけど、入った学校で毎日楽しそうにしている我が子を見ると心の底から良かったなと思えるので、検討されている方は是非頑張ってください。
受験にチャレンジする子達全員が志望校に合格するのは難しいのですが、公立へ進学する子も含め、みんなが入った学校でそれぞれ楽しい学校生活が送れるといいなと思っています。

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