見出し画像

【YouTube】「発達障がいのタイプについて①」

発達障がいのタイプについてお話しします。

発達障がいの考え方についての動画でも触れていますが、発達障がいは生まれつきの脳のタイプによるものだと言われています。診断名には、主にこちらの3つがありまして、それぞれASD、ADHD、LDという名称になります。

発達障がいとは何かを考える時のスペクトラムという意味でしたけれども、それぞれのタイプの特徴には濃淡があって、診断や傾向がある人と、いわゆる定型と言われている人が別の状態にあるというわけではなくて、そのタイプですとか、状態というのは切れ目がなく連続していると考えられています。

そして、この図の重なっている部分ですが、診断名は、例えばASDという診断名であっても、ADHDやLDのタイプの特徴も持ち合わせている方もいらっしゃるということを話してきました。

この動画では3つの診断名を大きくこの3つのタイプとして、それぞれのタイプの話を進めていきたいと思っています。

先にお伝えしておきたいこととして、部分的にポイントを絞ってお話をしているという内容になりますので、発達障がいのある方の中には、この動画のお話の内容が当てはまらないということがあるとは思いますが、その点は、ご了承ください。

また、動画内で使用している言葉ですけれども、解釈の幅がある単語を使用することもありますが、この動画の作成を目的に、使用している単語になりますので、ご理解をいただけたらありがたく思います。

今日、こちらでお話しする内容については、おがるのホームページに載っている資料をもとに作成している動画です。多少文言が違ったりすることはありますが、趣旨は一緒ですので、ご興味がある方がいらっしゃったら、そちらもご参照いただけたらと思います。

それでは発達障がいのタイプということで、コミュニケーション・興味関心タイプ、そして、多動衝動注意のタイプ、読み書き算数のタイプに分けて話を進めていきます。

では先に、コミュニケーション・興味関心タイプについて触れていきたいと思います。ホームページの資料には、こちらのスライドにある3つのワードで紹介していますが、この動画では、他にもまた3つ、このタイプについてのワードを紹介していきます。

まず1つ目、コミュニケーションですけれども、コミュニケーションに違いがあるということや、その特徴についてはよくお聞きすることかもしれません。脳のタイプによって、人に伝えるということに違いがあって、自分が困っていることをうまく伝えることができない場合があります。

逆に、聞く方、理解をするという部分では、言われたことを部分的に理解していたりする。または、自分なりに解釈していたりして、言った人の意図とは違うような情報として受け取り、ずれが生じてしまうことも時々言われることかと思います。

そんな特徴がコミュニケーションに関してです。


2つ目、興味関心ですけれども、興味のあるものや興味の持ち方、その度合いみたいなところに違いがあるというタイプです。

例えば、歴史とか動物とかアニメとかゲームとか、なんでもいいのですが、自分が気になったものについては、すごく突き詰めて知識も豊富になったりします。一方、生活の中で広がっていくような興味関心、生活のために必要な知識とか、勉強の知識とかにもバランスをもって興味を持つというわけではない方もいらっしゃるかと思います。

結果的に、知っていることと知らないことのアンバランスさが見られる方が、こちらのタイプの中にはいらっしゃったりするかと思います。


3つ目、感覚の敏感さ、鈍感さです。

感覚の違いについてもこちらのタイプの方には、多くあると言われています。感覚なので、基本的には五感ですね。目、鼻、口、耳、触感、です。

敏感だと、例えば、耳から入る音が痛みのように感じたり、蛍光灯の光が眩しくて頭が痛くなってしまったり、そんなお話も伺います。逆に鈍感であると、痛みを感じにくく、怪我をしているのに気がつかないということもあるかと思います。

敏感さについてはご本人も最初からそうなので、自分自身と人との違いに気が付かなかったり、周囲もなかなか気付けなかったりするため、疲れやすいという状態だけを周りの人や、ご本人が感じているということもあるかもしれません。

疲れやすさの背景に、もしかするとそういった感覚の過敏さがあるのかもしれないっていうふうに考えて、見てみるのは1ついいかなと思います。もし聴覚の過敏さがありそうでしたら、イヤホンとか、イヤーマフなどの音を遮断するようなツールを使ってみるのも良い方法です。また、音や光などの苦手な感覚がある場所については、なるべく行かないようにしたり、短い時間だけ行くようにするなどの避ける工夫を考えていくというのもいいのかと思います。


このスライドでは、関わり、変更の理解、計画を立てる、というところに触れていきます。

初めは関わりについてです。

関わりはコミュニケーションのことと一緒にお話しをされることもありますが、社会性と表現されることもあります。例えば、ご本人は正直に言っただけなのですが、相手には失礼と受け取られるような発言になってしまっていたり、仕事の面接などでも、その場にそぐわない服装で行ってしまったりすることがあります。このように、人目を気にして行動するということに違いがあったりするということも特徴の1つと言われることがあります。

そして、変更の理解についてです。

パニックの背景に、この変更の理解の違いがある可能性について言われることがよくあります。

お子さんだと違う遊びに移る時や、違う活動に移る時など、切り替えのタイミングでパニックになったり、泣いたりしていることがあると思います。その背景には、変更の理解ができないことによる不安がある場合もあります。

大人で就労されている方でも、急な業務や指示の変更などが起こりうるのですが、そういったことに対応できなかったというお話は、時々お聞きします。

見えない変化に、不安を感じてしまったり、それによってどうしたらいいかわからなくなってしまうという状態かと思います。お子さんであればこれだけ遊んだら次の活動に変わるという事をあらかじめ予告しておく。大人の方の就労場面の例についても、この業務については変更があり得るということを伝えておくことで、その不安も軽減できますし、対応の方法も広がるかと思います。

見通しを示すときに、口頭で言うだけではなく、見える化と言って、書いたり見える形にしたりすることがあります。見えない不安をわかる見通しにするということも、わかりやすい工夫の1つとされています。


3つ目、計画を立てるです。

情報を整理をしたり、これからすることを具体的に計画をしたり、あるいは情報がいくつかある中で優先順位をつけることなどを頭の中だけですることに苦手さがある場合があります。

これも変更の理解と一緒で、紙に書き出して優先順位の高いものを一緒に考えてみたり、その上で、どれからやるか一緒に考えたりすることで見通しを持って行動ができる、わかりやすくなる、ということも考えられるかと思います。


それではここで、コミュニケーション・興味関心タイプのある方がどのように物事であったり、情報を見ている可能性があるのか、少し共有したいと思います。

先に、この左の図の方を見ていただきたいのですが、こちらは、皆さんにはどう見えるでしょうか?大きくAとHというように見えたかもしれません。小さいHと小さいAで大きなAとHになっています。これをコミュニケーション・興味関心タイプの方に見ていただいたときに、もしかするとこの小さなHに注目をしていたり、こちらの小さいAの方に注目をしているかもしれません。

結果的にどんな違いが起こるかというと、多くの人はこの全体に注目をしているときに、コミュニケーション・興味関心タイプの方は、この小さなHを見て情報を捉えているかもしれないということです。そうなると全体の情報を聴き取るとか全体を見るというよりは、部分的に理解をしていたり、注目をしているということも考えられるかと思います。

右側のイラストは、うっすら森と書いてあるんですけれども、この森と隣の葉っぱのイラストも同じような状況を表しています。これは、多くの方が森というものを見ているときに、コミュニケーション・興味関心タイプの方は、もしかすると、この森の木の葉っぱの葉脈に注目をしているかもしれないという、例えです。ただ、捉え方によっては、こういった細かい部分に注目をして、情報収集するということが得意とも言えるかと思います。

伝えたつもりなのに、伝わっていなかったというようなこともあるかもしれません。それは聞いていないということではなくて、違うことに注目しているという理解の方が合っている場合もあります。ですので、大事なことを伝える時は、一度、注目をこちらに促してから言うとか、注目しやすいように、ちょっと目立たせて伝えるとか、そんな工夫もあるかもしれません。


「発達障がいのタイプについて②」に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?