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仕事を楽しむ秘訣は、「一次情報を自ら取りに行くこと」 35歳からの働き方【声の履歴書 Vol.80】

こんにちは。Voicy代表の緒方です。

この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。

前回、「35歳以上の中堅層には仕事を全力で楽しんでほしい」と書きました。これはどういうことなのか?もっと深堀りしていきたいと思います。

あなたが仕事を楽しんでいる姿を見せてほしい

「仕事を楽しむ」ということ。それについて語る前に言いたいのは、私は「仕事がつまらない」という背中を若い子たちに見せ続けることは、とにかく本当に年配者の害だと思っているんです。

私自身も、一番初めの職場のときは、先輩がひたすら飲みに連れて行ってくれていたんですが、会社の悪口とか「仕事というものは我慢するものだ」みたいなことを、すごく聞かされてきました。

みなさんも経験ないですか? 入社してすぐに、「〇〇チームなんだ、大変だね」とか、「まあ、仕事は我慢だよ」と言われること。

組織の愚痴を言うことで、自分が何かの価値を出しているような気になってしまう人っているんです。けれど、Voicyの場合はそうではなくて、「仕事というものは楽しいものなんだ」ということを若い子たちに見せるのが先輩社員の必須条件になります。

極端に言えば、「仕事環境の維持や若い子たちのために会社に主張している」とか、「後輩の面倒をたくさん見ている」なんてどうでもいいんです。それよりも「あなたが仕事を楽しんでいる姿を見せてほしい」ということを言っています。

一次情報を自ら取りに行くことが大事

後輩のケアをすることは重要性としてはそこそこです。まずあなた自体が成長をして、仕事が楽しいと思う背中を見せて、「あなたみたいに働きたい」「あなたみたいな大人になりたい」と思ってもらえるような日々の過ごし方をしてほしいな、と思っているんです。

それは「強引でもいいから笑っていろ」ということではありませんし、ゲーミフィケーションのような仕組みを取り入れるということでもありません。

ひとつ具体的に挙げるなら、「一次情報を大事にして、必ず自ら取りに行くこと」です。間違ってもヒエラルキーを考えて、部下のやっていることは部下に任せて、報告だけを受けて意思決定をするような人にはVoicyではならないでほしいと伝えています。

営業先が100箇所あるのであれば、「この5箇所は私が営業に行くね」とか、「ここの部分のコードは私が書く」とか、「このデザインは私がする」という感じで、一次情報のところまで降りていって現場感を持つようになる。それが「仕事を楽しむこと」において、とても大事なことだと思っています。

そうすると若い子たちも、上の人をしっかり見ることができるし、「いろんな経験があるのに、現場情報も分かっているんだよね」と尊敬できる、と思っています。上の人を尊敬しないことの最も大きい理由が、「現場のことを分かっていない」だと思うんです。

◯◯は前の職場に全部置いてきてください

現場のことを分かっていなくて、ヒエラルキーをつくって動いている管理者みたいなものは、Voicyでは評価されません。

社内で「ユーザーヒアリング会をします」となったら、どのポジションのメンバーも「自分も参加したいです」みたいな感じで手を挙げてくれます。ユーザーの声は常に聞くし、サービスもどんどん触るし、現場のメンバーがやることを自分でやる。

そうすると、直接のお客さんにも会えるし、組織の上流からも下流からも見ることができる。そういう35歳以上のメンバーは、仕事が一番面白くなるはずなんです。

僕が35歳以上の人と最終面接をするときには、「愚痴を言うのが好きだったり、斜に構えたりするところがあるなら、前の職場に全部置いてきてください」と必ず言っています。

Voicyに来るからには、腹を決めて、どうやったら楽しめるかを考えてほしいんです。自分より若いメンバーは自分の背中を見るわけですから、自分の姿が真似されていくことになります。ですから、「そういうことをやってください」という話は、必ずしています。

「仕事を楽しむ」≠「楽しそうに仕事をする」

「仕事を楽しむ」ということは、文字通り、「すごく楽しそうに仕事をする」ということではないんです。

「楽しそうに仕事をする」ということは、たぶん、仕事を楽しむための「HOW」で、仕事を楽しい状態にするのは、社長の仕事だと思っています。

ちなみにVoicyには、「仕事に新鮮味をずっと与え続ける制度」みたいなものはないです。そんなことをしなくても、会社の社長が次々に新しいことを始めるので、みんな落ち着いている余裕もありませんし、スタートアップだからこそ状況に合わせて積み上げたものをすべて組み替えられてしまいます。

常にユーザーさんが喜んでくれて、人によって楽しみ方が違い、いろんな反応を会社に返してくれる。そして正解がない変化の多いサービスだっていうのもあります。仕事を選ぶときに、「その仕事はずっとワクワクさせてくれそうか」を考えて選ぶのも大事だと思います。

僕はこの全く新しいジャンルの、しかもプラットフォームをゼロから作って、五感の一つを丸取りして、社会と人を豊かにできるっていう事業はどこよりもオモシロいと思ってるし、社員にオモシロさを提供することをとても大事にしてるからこその業種でもあります。(短期間で一人前になりあとはKPIを達成することが目標みたいな事業の対局にあると思います)

分かった気になってる人は、挑戦しなくなっている

35歳くらいになってくると、物事を冷ややかな目で見始めるんですよね。気持ちは分からなくもないですけれど、たぶん、すべてが分かってきた気持ちでいるから、自分の分かっている感を若手に言いたくなるのかもしれないですね。若い頃は、そういう先輩を見てきたような気がします。

ただ私は、そうなれなかった。というか、そんなに分かったようにできないくらい、キャリアが全くゼロになるような転職を繰り返していたんです。29歳で海外を旅して、30歳でアメリカで働いたときも、また1年生から始めてしまいました。

その後はまた経営者として1年生が始まりました。狙っていなかったですが、偶然そうなってしまったんです。いま考えると、経営者のキャリアが一番長くなってしまったので、分かった気になって経営論を語る、なんてのは避けたいなと思っています。

分かった気になって喋るということは、挑戦しなくなっている、ということだと思うんです。同じ会社でそうなりがちな人もいますよね。やっぱり人間って、どこかで誰かにマウンティングしたいのかもしれません。

この話はVoicyではいつも全社に向けてしています。ですから、若い子たちにも、「いつかは自分が背中を見せられる人になってほしいし、そういう人がほしいよね」という話をしています。

ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。

声の編集後記

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