会いたい人に会うために、「自分のメディア」を持つ意味はあるのかも。
こんにちは。Voicy代表の緒方です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりや、いま考えていることについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
前にも書きましたが、僕は毎週土曜日にレギュラーのラジオ番組をやっていて、1年半ほどゲストをお呼びしてトークをしてきました。
最近、このラジオ番組がすごくおもしろくなってきました。どういうことかというと、要は「自分のメディアを持っていると人脈が広がることがわかった」というシンプルな話です。
ラジオ番組の不思議な魅力とは
番組名は「緒方憲太郎の道に迷えばオモロい方へ」。土曜日の深夜2:00〜2:30で放送しています。Voicyにもサイマル配信したりとメディアプラットフォームを活かした展開をしているのはスタート時にも書きました。
ラジオ×Voicyの新しい可能性を探ろうとはじめたプロジェクトだったわけですが、開始から1年たった時期、今年の4月くらいに書いた振り返りでは、まだピンときていません。
この時点では正直、しんどいなぁ。ネタ探しは大変だし、人気番組になる道のりはまだまだ遠い……という感想を持っていました。
それから半年、僕なりに「なるほど、こういう副次的効果があるんだな」と気づいたことがあります。
それはゲスト出演を通じたネットワーキング。
スタートアップの社長は自分の人間関係をどんどん仕事に投入しています。いろんな課題が出てきては、「あんな人いたな!手伝ってもらおう」でやりくりしてたりします。
たくさんの人に会う、良いネットワークを構築する、いざとなったら助けてもらったり、助けてあげたりする関係性を持つことはとても大事です。これは社長に限らず、誰でも同じかもしれません。
そこに対して、気づけばラジオ番組がものすごい貢献をしてくれています。
この人に話を聞いたらきっとおもしろいな、リスナーさんも喜んでくれるだろうな、と思ってゲスト候補を考えているので、当たり前ですが基本的に全員がおもしろい人なんです。
そして収録の前に打ち合わせをしたり、その後にご飯を食べに行ったりして、いろいろとお話するなかで自然と仲良くなっていきます。
タレントさん、芸人さん、YouTuberさん、アナウンサーさんや放送作家さん、映画監督さん。仕事を通じてではなかなか出会わない人とラジオ番組を通じて交流が深まっていき、それが本業にも意外と生きたりするものです。
自分とはまったく異なる世界で活躍する方々の話は、驚くほど新鮮で自分の視点や視野がガンガン広がっていく感じがします。「異業種交流」とはまた違う、完全な異文化交流です。
もともと、そういったネットワーキングを目的とした大人数の飲み会とかパーティーみたいなものもあるにはありますが、「こんな人とつながっておきたい」と思うようなすごい人ほど、そういう場には来ないんですよね。
それに対して、「ラジオ番組にゲストとして出てくれませんか?」というオファーを出せるのって、またちょっと違いますよね。ラジオ局がこれまで培ってきた伝統あってこその信頼感じゃないでしょうか。
ラジオは出演者同士の距離が近い
では、ネットワークを広げると実際にどんないいことがあるのか。正直、短期的にここがメリットというものではないです。
ただ、こういう世界で生きている人はこう考えるのか、とか気づきが生まれたり、こんな商習慣があるんだ、こんなアイデアがあるのか、とか新たな視点がたくさん見つかります。
また、僕のIT業界・スタートアップ業界で生きてきた話が別の世界で驚きをもって受けとめられたりもします。そこはお互いさまみたいです。
経営者の器で事業の限界が決まる、なんてよく言われたりしますけど、本当にそうならないためにも、やっぱりいろんな人に会うこと、本当に会いたい人にアプローチして「話が聞けるようになっていること」は大事です。
考えてみれば、テレビ番組のコメンテーターとか、雑誌の企画や対談に比べて、ラジオ番組は演者同士に圧倒的な距離の近さがあります。
番組にもよりますが、ラジオはとにかく話し込みます。収録スタジオでは、プロデューサーもスタッフも関係なく、ただパーソナリティとゲストが話し込むんです。その時間でめちゃくちゃ仲良くなります。
これがテレビ番組になると、一気に規模が大きくなる。番組として成立させるために、「ここはこうしましょう」「やっぱりこうしてください」「はい、休憩です」みたいな。大きな流れに乗せられていきます。
テレビ番組はその収録で表現すること、そして最終的に放送したいテーマが定まっていますが、ラジオ番組の場合、もはや呼んだゲストその人がテーマなんです。
番組を通じてゲストのこと・お互いのことをよく知ろうっていうことを基本にしています。
ラジオもオウンドメディアも同じだった
結局のところ僕が言いたいこと。それは、
自分がつくりたいネットワークは、
自分がメディアを持ってつくればいい。
ということなんです。
このことに気づけたのはとても大きいです。これってオウンドメディアだって同じことじゃないですか。
会いたい人とちゃんと会うために、自分の言葉を届けたい人にちゃんと届けるために、自分の媒体をつくるわけですよね。
そしてラジオ番組にしろ、オウンドメディアにしろ、一朝一夕には身にならない。その根っこは同じ。でも、ちゃんと番組を運営できてくると、また違う方々、これまでまったく縁のなかった人も呼べたりします。
「ラジオって基本コツコツですよ」ってラジオ局の人にずっと言われていたんですけど、やっぱりコツコツなんだなと思いました。
これはもちろん、Voicyパーソナリティさんも同じだと思います。チャンネルをはじめた頃はとにかく自分の番組を成り立たせるのに必死。1年ちょっとたってきて、ようやく「自分のメディア」としてドーンとかまえることができて、ゲストを呼べるわけです。
数年ちゃんとやっているVoicyのチャンネルだから、よしゲストに出てみようって思う人もいるはず。運営してきた歴史そのものも評価ポイントですよね。
僕がこのごろラジオ番組で感じたことを、すでに自分のVoicyチャンネルで実現できている人もいると思います。
音声メディアは親密度が伝わるのに時間かかると言われていますが、それはそうです。長くやっているからこそ、人に認められるメディアになるんです。
一時のバズじゃなく、時間をかけて積み上げた評価は、そう簡単に消えません。
ラジオ番組をやりたい方は連絡ください
というわけで、最後にちょっとした告知ですが、Voicyでは特にスタートアップ企業向けにラジオ番組制作を手伝っていたりもします。
たとえば株式会社L is B(エルイズビー)代表の横井さんがやっている「現場DX研究所」とか、ノバセル代表の田部さんがやっている「マーケティング進化論」は、Voicyと文化放送が組んで企画・制作をしています。
会社の代表がこうやってバーンと出て、いろんなゲストを呼ぶことによってネットワークを広げる。Voicyでもアーカイブ配信していきますので、ラジオ放送が消えてもデジタルでちゃんと残ります。
そういうスキームを作ってみました。もし興味がある人がいましたら、緒方まで連絡ください。
声の編集後記
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