「仕事を全力で楽しむ人」が一番強い。Voicy緒方が“35歳以上の人材”に求めること【声の履歴書 Vol.79】
こんにちは。Voicy代表の緒方です。
この「声の履歴書」という連載は、Voicyがこれまで歩んできた道のりについて創業者の私があれこれ語っていこうというシリーズです。よかったらマガジンをフォローしてくれると嬉しいです。
最近とてもうれしいのが、社外の人から「Voicyっていま会社としてすごくいい感じだよね」とか「リーダークラスの人が楽しそうに仕事をしているよね」と言われることが多いんです。
じつは僕はマネージメントをする中堅層のメンバーに、「これだけは絶対にやってくれ」と言っていることがあるんですけれど、今回はその話をしようと思います。
仕事を、全力で楽しんでほしい
35歳以上の人を面接をするときに、「入社するなら確実にこれをやってほしい。やれないなら来なくていいです」と言っていますし、うちにいる社員にも「35歳以上の人は必ずやってくれ」と言っていますし、若い子にも「自分の年齢が上がったら必ずやってくれ」と話していることがあるんです。
それは「仕事を全力で楽しんでくれ」ということです。
だいたい新卒で就職してから10年以上のプレイヤーになっているのが35歳以上ですよね。そのくらいの歳になると自分のパフォーマンスを発揮するのは当たり前だと思っているし、組織の周りのパフォーマンスを上げるのも当たり前だと思っているんです。
それは前提として、それ以上にやってほしいことが「仕事を全力で楽しむこと」なんです。そして「その背中を若い子たちに見せる」ということです。
考えてみてください。22歳の新卒の年代の人たち、入社してきたときは10歳くらい上の人たちを、すごくよく見ているんです。
それなのに10年以上働いている人たちが、「仕事なんてつまらないよ」とか、「我慢がいっぱいだよ」とか、「今日は花金だ」とか「日曜日の夜が鬱だ」とか言っていたら、そこで働くことに希望を持てないし、「あの先輩みたいになりたいな」とも思わないですよね。
だから、若い子たちに良い影響を与えることが、何よりも大事な年配者の仕事なんです。それができないだけで、もう組織としてすごく損失を出しています。
今までのキャリアを活かした仕事でいいのか?
僕は日本のサラリーマン全員にそれをやってほしいと思っているくらいなんですけれど、少なからず、うちの会社は絶対それをやってくれ、と思っていて、「それができないんだったら他社に行ってくれ」とまで言っています。
十数年仕事をしていて、35歳になると、なんとなくダラダラしてしまう人もいます。実際に32歳から35歳くらいで入社する人を面接していると、「今までのキャリアを活かした仕事がしたい」と、結構みんな言ってくるんです。
ですが、そう言われると、「もう新しい分野に挑戦したり、成長する気がなくなっているのかな?」と思ってしまいます。なんというか、刈り取り期に入っているようにも聞こえます。
本当はまだ全然攻められる歳じゃないですか。これから人生100年時代になっていく。たぶん僕らの世代というのは、70歳を過ぎても働いている時代になります。
22歳から70歳くらいまで働くとだいたい48年ですから、1クォーターで12年です。それで、その第1クォーターが終わったところが35歳なんです。それから第2クォーターが47歳なるわけですけれど、まさか「第1クォーターまでに培ったことで残りの3クォーターを走り切りたい」なんて、そんな甘い話はないよ、と思うんです。
むしろ「もう1回ゼロからやろう!」と思ってほしい年齢なんです。僕自身が35歳で起業しているんですけれど、そのときもやっぱり、自分でできることを増やしたいな、という思いがありました。
まだ腰や体が痛かったりするわけでもないし、老眼になっているわけでもない。一番働き盛りになんだから、35歳から47歳の12年間の第2クォーターは全力でやんちゃして、腕に自信のある奴らが「仕事が面白い」と言えるような、全力でやれる場所をつくろう、というふうに思ったんです。35歳からまた初心に戻って、イキイキと全力でやっていく場所にしたい。
35歳からも思い切って挑戦できる会社に
話はそれますが、理想としては「その後の第3クォーターが終わるくらいまではずっとつくりあげていけ」と思っています。「刈り取りなんて言っている場合じゃないぞ」ということです。
「ここまでのキャリアを活かしたい」みたいなことを言い出すのは、59歳からでいいですよ。そのあたりで、ようやくキャリアだけを活かして走れるんじゃないでしょうか。
ネット企業って全体的に若いじゃないですか。だからなのか逆に35歳くらいで気持ち的に老け込んでいる人もすごく多いです。でも35歳なんてトヨタみたいな大企業では若手同然だったりします。
だから35歳からも思い切って挑戦できる会社にしたい。なんなら「このジャンルは未経験だけれど、やってみるか」みたいな感じで挑んでもらえると、すごく面白い会社になるのかな、と思っています。
仕事を楽しんでいる人は、未経験の分野でもやり切れる
「35歳だからこそ即戦力でなければ駄目だ」と思っている人もいますが、全力でやっている人なら、その能力を使えば、少し違う内容でもパフォーマンスを出せると思うんです。35歳までに積み上げてきたものを、ゼロベースでもう1回やったらいい。
たとえば、メルカリの山田さんしかり、シリアルアントレプレナーで前職でやっていた業種とまったく同じ業種で事業をやる人って、ほぼいないんです。
仕事を楽しんでいるほとんどの連中は、やり切った経験を活かして、次のジャンルをまたやり切っている。なので、Voicyの社員にはそういう人であってほしいな、と思っていますし、実際にそういう人が多いのはうれしいことです。
ーー最後まで読んでいただきありがとうございました。
声の編集後記
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