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作品解説「まぶしいよるに」

みなさまこんばんは。

ZEROTENの会期初日に間に合うように
こちらのnoteに作品解説を書こう!

と意気込んでいたものの
もうすでにギリギリ前夜だった6月10日。

久しぶりすぎるnoteの更新に

どんな書き出しがふさわしいのかを
悩みに悩んで消しては書いてをするうちに

解説部分にすら届くことなく
きれいに寝落ちをして初日を迎えました。
エントリーNo.5 緒方ちかです。

なんなら朝起きてから見た書き出しは
完全にボツでした。
そしてなぜかまたちょっと怒ってました。笑

怒りもエネルギーにします。おがちかです。


でも今は怒ってませんのでね。笑
作品のことを幸せな気持ちで書きますね。


さて、今回のZEROTEN-TOKYO-2020には
0号の作品を2点提出しています。


▶︎ゼロテン遠隔WEB投票と作品通販フォーム

両方ともポストのある風景です。

こちらの画像左「まぶしいよるに」について
なぜこれを描いたかを書いてみようと思います。

私は絵を描く「作家」スタートではありません。
突然一年弱前から描き始めたのです。


長くやらせてもらっているお仕事は

おもに舞台や映画、ドラマ、CMに出演する「俳優」や
その俳優を作品解説を作りの中でサポートする側にあたる「方言指導」などの仕事です。

長い期間この2つのお仕事に携わっていても
なかなか皆が憧れたり目指すような
規模の大きな仕事を任せてもらえる機会は多くなく
同じように地道に色んな方法で続けている方はたくさんいらっしゃいます。

そんな中、昨年の秋頃
とある規模の大きな魅力的な作品づくりに
方言指導として参加することが決まりました。

「あぁ、こんな素敵なご縁もあるんだ。」
「やってきてよかった。これからもっと頑張ろう。」

とにかく嬉しい!!が全面に溢れて止まらず
とてもとても前向きになれたのでした。

その幸せな仕事が決まった少し後、

「残念ですが、年末でうちの事務所を閉めます」

と、自分が上京時からお世話になっている
所属事務所からまさかの連絡がありました。

…。

その時は「コロナ禍のこういうご時世だし仕方ないことだな!」とか
「動揺するのも違うし何かの機会と捉えて前向きで大丈夫なはずだ」と捉え

「お世話になりました。年末までよろしくお願いします。」と伝え
その時点で決まっている仕事を最後までまず一生懸命やろう!という気持ちでいました。

とはいえ事実、事務所はなくなる…


このご時世この年齢(当時39歳)では
次の事務所が決まるかは難しいし先が読めない
という現実についてもそれなりに理解してはいました。


とはいえ

方言指導のお仕事の現場が秋の終わりから
年をまたいで春まで4ヶ月ほど深く関わる予定だったので
みっちりその仕事のことだけを考える毎日になりました。

年末の寒い時期も連日早朝からロケに出たり
作品づくりの為にフルで参加していました。

とても充実はしていました。

が、そうしているうちにそのまま年末がきて

事務所は閉鎖してしまいました。

次の事務所の移籍先を探す活動をするにも
日々忙しかったこともあり
それなりに急だったこともあり
大きなアテもないから行動はほぼ起こせずに
お正月休みに入りました。

1月。

束の間の休みが明けてまた現場が、再開。

早朝からまた皆さんと合流しては
作品の為に色んな場所にロケへ出る日々でした。

自分の生き方の中で年齢を気にしたり
何かを諦めたりすることは通常はないけれど

1月9日が来たら40歳

を迎えるタイミングでした。
せっかくならいいスタートにしたいとは思っていました。

が、

無所属の宙ぶらりんになったので
この先どうしよう?と膨らんできた不安を抱えたまま

1月8日になりました。


この日も寒い中、変わらず現場に参加していていました。

とある街の少しノスタルジック感も漂う不思議な道で
とてもとても素敵なシーンのナイトロケでした。

目の前の心に響くシーンを間近で見ながら
今日も俳優さん方は素晴らしいと思っていました。


普段仕事中にはあまり考えもしないことなのに

ああ、もうすぐ今日が終わるなぁ

という不安が少しだけよぎっていました。

その時
「緒方さん、事務所なくなるんだって?大変じゃないですか。」

「この現場でもこんなに頑張ってくれているから、悩まないでね、私も一緒に事務所探したりするよ!」

と、その作品の大切な部分の舵取りや
全体のことを考える立場の方が急に声をかけてくださいました。
プロデューサーさんです。


この仕事は大好きでやっていますが
私の担当する部署は他に担当者がいるわけではないので
一人部署として初めましての皆さんの中に入って自己流でやっていました。

なので現場やみなさまとの関係に慣れたり
馴染むまでは結構ハラハラしているものです。

そしてこういった作品づくりのお仕事は
作品ごとにチームが組まれて終われば解散なので
同じメンバーで仕事できることなんて次いつあるかわからないんです。

声をかけてくださった方とも今回の現場で初めてご一緒しましたし
まだ1ヶ月くらいしかこの現場には貢献できていなかったんです。


なのにとても親身になって声をかけてくださったプロデューサー。

ここまで親身になっていただけるんだとという驚きとありがたさ
正直とても遠い存在だと思っていた方から温かい言葉をもらえたことで

なんだか明日からが
全て大丈夫になる気がしました。

勝手にですし恥ずかしいですが
なんて幸せな誕生日前夜なんだろうと思いました。

密かに感度したりしているうちに

その日の素敵なシーンの撮影は無事に終了し
私は皆さんに挨拶をして駅に向かって歩きました。

現場から少し駅は離れていたのですが
歩けなくもない距離をタクシーに乗る勇気も出ない私は
迷わず真っ直ぐ駅に向かって歩いていきました。

駅までの道は暗く少し寂しかったけれど
駅に近づくと歩道がとても広い大通りになりました。

お店や街灯がたくさんあってとても明るい道です。

でも、その明るさが
都会の冷たくてうっとおしく感じる明るさじゃないのは

さっきの温かい一言のおかげでした。

いつもより大きな歩幅になっていたか
もしかしたらその時39歳の私は
少しだけスキップのように跳ねていたと思います。

その時にその道で何故か目に留まった
ポストとこの道路の向かい側の景色。

ここからどこにいっても
きっと大丈夫だ。

あぁ、40歳のスタートが嬉しいなぁ

通行する人はたくさんいたけれど
人目もはばからずそのポストにカメラを向けて
忘れないように写真を撮りました。

「まぶしいよるに」

まぶしいよるに


長々と書きましたがこの会期中に
茅場町のギャラリー龍屋さんで原画を見ていただけます。

そしてこの原画は25日で見納めとなります。

投票や通販にもWEBからゼロテンへ参加していただけます。
ご感想などもいただけると作家の力にもなります。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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