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勝手に姉妹都市

他人の空似というかデジャブというべきか、はじめての外国の街に来た瞬間に「(どこそこ)にソックリだな!」ということが、個人的によくある。

それがわかるまでの時間というのが実はちょっと必要で、それが判明するまではモヤモヤしているのだが、「あ、あそこだ!」とわかった時はちょっとうれしい気持ちになる。

それは気温や湿度や陽の光だけじゃなくて、臭いだったり密度だったり、はたまた歩いている人だったりするんだけども、俺の中の○○はXXだ!というのを書いていこうと思う。

カーディフ=金沢市

はじめてカーディフに来た時は、城下町感とか緑の多さが、めっちゃ金沢っぽい!と思った。もしかしたら海に近いからかもしれないけど、風の通り具合というか、そのあたりも似てる気がする。てか俺はナウシカかよ!

日本から来た人は、カーディフ郊外をドライブすると、みんな長野や北海道っぽいと言う人が多く、もしかしたらそっちの方に似てるのかな、と思ったりするが、俺の中ではカーディフは断然に金沢市なのだ。ただ、シャレオツ度は、金沢の方がおそらく上である。

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日本のカーディフ城。


クアラルンプール=名古屋市

名古屋駅のツインタワーを見て、名古屋駅の構内に入ると、突然「この感じはどっかに似ている」というが出てきたのだが、初めはなかなか出てこなかった。でも歩いている人々を見て「あ!クアラルンプール(KL)!」と判明した。

もちろんビルの形状が大きいし、そして東南アジアの大型ショッピングモールの冷房の湿度とか、室内の色とかが似ているのもあるが、なによりも歩いている人々がゲヘヘという笑顔なのが一緒である。東京の人はあんまり笑わないし、大阪の人は面白い話で笑うのだが、名古屋もKLも、街を歩く人はなんか笑っているのである。精神的姉妹都市と言える。

ついでにナナちゃん人形はめっちゃアセアン感があってカッコいい。彼女は絶対マレーシア航空とかタイ航空のCAの制服が似合うハズである。

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精神的・JR名古屋駅。


パリのセーヌ川のどっか=京都・四条大橋

これはつい最近京都に行って思ったのだが、夜の四条大橋とか、あれはパリである。橋と暗さがパリ。あと河原町側の中華レストランと歌舞伎場と向かいのビルとかMAJIでパリ。いや、俺パリよく知らんが、川があって橋があって古い建物の近くにマクドがあるとこがパリ。”やっと会えたね”な辻ジンセー感

毎度思うが、少なくとも京都はロンドンではないと思う。やっぱり2人は離れてる、ロンドンとパリくらい。

ブリストル=アムステルダム

英国に住んでて、欧州大陸に行くとその街のかっちょ良さにビックリする。歴史の重みというか。明らかに英国は欧州に入っているとは言え、欧州大陸とは違う文化の島である。そりゃEUから離脱するわ、みたいなとこはある。

逆に大陸経由で英国に帰ってくると、なんかロンドンとか街が薄暗くて野暮ったく見えるのである。ローマ人が「もうあそこはイラんわ!」となったせいなのだろう、と俺は勝手に思っているのだが。

その野暮ったい上に、あの産業革命でスーパー★ハイテクシティに(当時)なったので、欧州人はきっと「あのハイテク成金クソ野郎」と思ってただろうし、英国人は「ローテク大陸人ざまあw」とか、そういうお互いの街同士の憎悪が微妙に日本人の俺には感じるのである。あ、これの欧州と英国の関係は、地味に英国と米国にも似たものがあると思う。


そんなブリテンと欧州大陸の違いを感じる中で、ブリストルはちょっと英国の一般的な(港)街じゃない、欧州風味が強い感じがある。歴史的にもブリストルは海外に開けてたのかもしれない。そして建物もいろんな時代のものが混じっていて、歩いていてとても楽しい。

どっかに似た都市があったよなー、とブリストルの港を観ながら思っていた。”水が近くて、街にいろんなレイヤーの歴史と文化が混じってて、飯が結構おいしい”...あ、アムステルダム

あと若者がけっこうシャレオツなとことか、微妙にアート寄りの匂いがするとこも良く似てると思う。ちょいヤバいカルチャー(大麻とか赤線地帯とか)、めっちゃブリストル合いそう。

ブリストルと言えば、クワガタ...じゃなくてマッシブアタックさん

ローマ=与野市

映画「スカイフォール」で、Qと007が美術館で絵画を前に話すシーンがあるのだが、あの絵はターナーという印象派の画家である。詳しくは俺に聞かないでくれ

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俺は英国にくるまでは「よくあんな色作れるなー」と感心していたのだが、なんと、英国は普通にああいう色彩が自然の中に転がっている。空とか植物の色とか。あれは色の写生みたいなもんなのである。この国であの色彩を普通に初めて見たとき、すごくびっくりした。

上記例は色だが、形もある。

欧州にあるなんとか礼拝堂の天井画とか、あれは形を写生したようなもんで、マジであのカーブとかドームとか、欧州の空なのである。普通に上向けば、あれがある感じ。なんでか知らんけど、東アジアや東南アジアでは、空は天井の感じがするが、欧州は空は球体なのだ


さて、ある日俺は与野のイオンで仕事をしてJRに乗った。電車は空いていたので、座って車窓を眺めていると、とんでもなく空が丸いことが分かった。日本ではめったに見ない丸さである。そして雲の形がフレスコ画みたいである。

この建物の低さと空の比率…
そんで、球体の大きさのスケール感…
どっかで見たぞ…

あああー!ろ、ローマ中央駅のへん…ッ!!!

そうなのである。与野の空はマジで(脳内)ローマと、ほぼ同じだったのである。そう考えると、さいたまスーパーアリーナとか、あれはローマのコロッセウムに感じてくるから不思議だ。

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さいたまスーパーアリーナ。

あとは、地味にパリの郊外と東急東横線の綱島とか、グラストンベリーと寺町三条とか、スウォンジーと京急大師線とか、めっちゃ地味なのが多いのだが、きっとみんな、それぞれが各々の「姉妹都市」を持っていると思う。

どっかでそういう、他人の勝手・姉妹都市の本を読んでみたいもんである。きっと大笑いするのがあると思う。


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