インターネットはじめろ

 小さい頃から時間を無駄にし過ぎてきた。2ちゃんねるのまとめとyoutubeだけ見てたら大学生になってた。内向的で、ひねくれているくせに、本も読まない、アニメも見ない、ゲームもしない、映画も見ない、音楽も聴かない。そんなんだから、クラスのオタクグループにも入れず、かといって明るいグループにも入ることもできず、一人でぼーっとしたまま人生を浪費してきた。でも、インターネットではみんな本に詳しくて学問に詳しくて音楽に詳しくてアニメに詳しくて、その話をよくしている。自分はそんなものは何も見たことがないのに、そういうやり取りを見て自分もオタクの一員になれたような気がして、自分をオタクだと思って生きてきた。でも実際は、オタクから頼みの綱の専門性まで取り除いた、果てしなく空っぽで気持ち悪いだけのゴミ男。そんな現実をから目を逸らしてきた。同じ世代オタクのみんなはもういろんなことに詳しくて、そこに陰キャ野郎のくせにオタクの基礎知識みたいな共通理解すら持ってないやつの居場所はない。だってそもそも同じものを好きで集まった集団だから。なんでそこに同じものを好きではない人が入り込めるんだよ。それに、「それでもまずは何か鑑賞してみよう」と思って作品を観てみても、経験が無いから浅い感想しか出ない。前提を共有できていないから深ぼることができない。……ああ、これも悪い癖だ。「知らない」ことにすべての原因を求めようとする。浅い感想しか出ないのは。俺の頭が悪いからだろ。浅いことしか考えられないからだろうが。何も考えられない上に何も知らない。空っぽすぎるよこんな人間。こんな人間に居場所なんてないよ。
 でも、こんなに空っぽで何にも知らない人間だけど、やっぱり俺はインターネットを離れたくない。現実は嫌だし。だから、少しずつでも何かを観ていくしかない。趣味まで他人の目を気にしてこうやっていろいろ思い悩むのは馬鹿らしいというのは至極全うだけど、俺は純粋にやりたいことだけでやりたいことを決めることができない。「本を読んでる自分が好き」「音楽を聴いてる自分が好き」「手首を切ってる自分が好き」で結構。ほんとうに自分のやりたい事100%で趣味を行っている人なんているのか?少なくとも俺は無理だから、こうやって無駄で気色悪い思考を繰り返す。そして、今決めた。少しずつでも何かを観ていくことにする。感想もちゃんとインターネットに残していく。それは、誰かに見せるというより、自分に見せるため。インターネット上にいる自分を自分に見せるため。感想文なんて誇張抜きに小学生レベルのものしか書けないだろうし、何の知識もないからズレたことばっかり言うことになるだろうけど、それでいいや。自分がやりたいことをやっているだけなんだし。周りの目を気にすることも含めて、自分のやりたいことで、そのために作品を観て感想を書くと決めたんだから。それならそうすればいいだけ。周りの目を気にする必要はない。そもそもが周りの目を気にしつつの選択かもしれないけど。矛盾してても、これが俺の選択だし。というか、どうせ誰も見てないし。誰も見てないところで他人の目を怖がってんのも滑稽が過ぎるけどまあそんなもんでしょ。ちょっとずつ観て、読んで、書いていこう。インターネットを始めよう。


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