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春が来た(日記63)

こころの波に、じっ、と耐えているうちに、春が来た。


雨続きだったことが嘘のように、あらしのような風雨の1日を境に、ここ数日の東京は、すっかり晴れている。


今年初めて、日焼け止めを塗った。
日差しは春というより夏そのもので、おいおい、もうちょっと待ってくれよー、という気持ち。


今日は同居人氏1と、植物を買いにお花屋さんへ。


じりじりとする日差しの中、えっちらおっちら、行ってきた。


同居人氏1も2も、植物が大好きだ。
我が家は観葉植物で、まるで植物園のよう。
毎日のように、わあ、今日もこの子はかわいいね、この子はかっこいいね、などと、ふたりは盛り上がっている。
わたしは、そんなふたりを見ているのが好き。


今日も今日とて同居人氏1は、あたらしい植物を買っていた。新しい植物を買うことを、同居人氏1は、「あたらしい子をお迎えする」と言う。
今日はふたりほど、お迎えしていた。


ついでにわたしも、花束をひとつ、買った。
最近ずっと欲しかった、ラナンキュラスの花束だ。


毎日通り過ぎる、商店街のお花屋さんで並べられていて、目を奪われた。
ふんわりとした花弁の重なりが愛らしくて、ずっと、いいなあいいなあと、思っていた。


同居人氏1とふたり、帰り道、ほくほくしながら帰った。


帰ってラナンキュラスを花瓶に活けてみると、それまで我慢していたかのように、はらはらと、花弁が散った。


ちょっと悲しく思っていたら、同居人氏1は、



悲しく思う必要なんてないよ、◯◯(わたしのこと)は、この花のことを救ってあげたんだから。最後に散る場所が、この家でよかったと思うよ。


と、言った。


こうやって、同居人氏たちはいつも、わたしが不安に押しつぶされて、首を垂れそうになると、ちがう視点、ちがうまなざしを、教えてくれる。


支援員さんも、noteを読んでくれるみなさんも、そうだ。


だからわたしは、波が来たこの1週間とちょっと、なんとかなんとかやり過ごして、休まずに就労移行支援に通所することができた。
そして今日、ラナンキュラスを買いに行くほどの、元気がある状態まで、戻ってこれた。


波に翻弄されることなく、じっ、と耐えたこの時間は、わたしの財産になった。
またひとつ、あたらしい自分を知ることができた。


なんとかやれてよかった。
こうして、なんとかかんとか、やっていこう。
ひとより歩くのが遅くても、休みながらでも、歩き出せば、たどり着くべき場所に、しかるべきタイミングで、いつか必ず、たどり着く。
それを忘れないように、しよう。

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