真夏の雪(日記33)
こんなに暑いのに、雪が降る夢を見た。
わたしは電車に乗っていて、外の世界いっぱいに雪が積もる夢だった。
降ってくる雪は大粒で、どんどん勢いを増してゆき、それがひとつの大きなかたまりになって、電車の窓ぎりぎりまで、溢れて迫ってくる夢だった。
近くに大きな観覧車があって、その観覧車に降り積もった雪が、なぜか観覧車そっくりのかたちになって固まり、それがどさっと落ちてきた。
不思議と怖いきもちはなくて、雪でできた観覧車はとてもきれいで、電車の中から外を見遣って、わあ雪だ、雪でできた観覧車だ、なんてうつくしいんだろう、ずっとずっとみていたい、と、思ったところで目が覚めた。
起きたらもちろんしっかり真夏で、冷房の効いた部屋で、外はうなるような暑さで、さっきみた雪の夢を、何度も撫ぜるように反芻した。
そうだ、いまは夏なんだと、さっきみた雪の感触を思いながら、そのちぐはぐさが産むうつくしさに、しばらく浸っていた。
雪の夢を見たのは、はじめてかもしれない。
見たことあるけれど、忘れてしまったのかもしれない。
こんなに鮮やかに、覚えていられるのは、なぜだろう。
真夏に降る雪、きれいだったな。
きれいだった。とても。
とてもきれいだった。
投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい