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涙腺が壊れた日

二学期が始まって一週間くらいしたころから、なんだかおかしいな、調子悪いなと自分の体や頭の変化にうすうす感じ始めました。

朝、歯ブラシは必ずオエオエするし、通勤中は毎日息苦しく、深呼吸を何度繰り返しても心臓がバクバクして一向に収まらない。(このまま車道に飛び出したら仕事いかなくていいかな。でも子供たちおいていけないしな。)なんてよからぬことを考えながら通勤する日々。

出勤しても心臓のバクバクは収まらず、無意識にため息を繰り返し「不二子さん、ため息つくのやめてもらっていいですか。」と先輩に指摘されることもしばしば。

毎回「すみません。」と返すことしかできませんでした。


一学期にできていたはずのことを確認を何度もしたはずなのにミスする。簡単な計算ができなくなる。慌てなくてもよい場面なのにも関わらず焦燥感と不安感に襲われ今までしたことのないミスを誘発する。

その度に当然叱責されさらに動揺しミスが増えていく…。

もう悪循環から抜け出せなくなっていました。

先輩達も同じミスを何度もする私に対して苛立ちを超えて呆れはじめます。

こんな日が何日か続いたある日。

とあるミスについて叱責されたことをきっかけに涙が止まらなくなってしまいました。どんなミスだったか詳しくは思い出せませんが些細なミスだったと思います。勤務中に、大の大人が感情の制御ができずぽろぽろぽろぽろ涙を流しながら仕事をつづけました。

叱責した先輩がどう思ったかはわかりません。

ただ私の顔を見て目を見開いたように見えましたが、その後もミスについての注意をうけ、そのまま何事もなかったように業務に戻りました。

私も必死に涙を止めようと努め、人に見られないところで必死に落ち着こうと呼吸を整え、昼食の時間や休憩時間は平静を装いながら過ごしました。

この日は帰り道も涙が止まらず泣きながら帰りました。帰宅してからも壊れてしまった涙腺の暴走は止まらず、なんとか平静を装いながら子供たちのご飯を作り、風呂にも入れて寝かしつけをし、勝手に涙が溢れてしまう壊れた涙腺を放置したまま翌日の予習をしようとノートを開いて机に向かっていると、帰宅した夫が私の異変に気付きました。

「なになになになに!!どうしたの!!何があったの!」

普段よほどのことがない限り涙なんて見せない私が子供が寝てるとはいえ自分に隠しもせずにポロポロ泣いて作業をしているのでよほど驚いたのでしょう。

夫に聞かれたことで張りつめていた何かがぷつんと切れました。

ストッパーが外れて感情の制御ができなくなり、嗚咽しながらやっとの思いで絞り出した言葉。

「…仕事に…行きたくない。」

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