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どこまで決めておくべきなのか?

どうも、おふとんです。

もう年末にも程がありますね。
振り返ってみると今年の6月からnoteを書き始めて今回の記事を入れると14本書いたことになるそうです。我ながら結構頑張ったのではないでしょうか。
内容が内容でゆるりと書けるものでもない性質のnoteを書いているので、更新ペースは何とも言えませんが、最低月1は確保しつつ、来年1年間書き続けることを目標にしたいなぁと思ってます。みなさんも読んでください。

1年の振り返りはこんなものにしておいて、今回のテーマはずばり「どこまで決めておくべきなのか?」です。
特に昨今の攻撃においては、ドローンフェーズ~アクションフェーズ~勝利までの一連の流れをすべて事前に決めてしまうのは弱い環境になってきています。その中でどこまでは事前に決めておくべきで、どこからは決めない方がよいのかについて考えていきたいと思います。



1.全部を事前に決めておくことが弱い理由

まず大前提として何故「どこまで決めておくべきなのか?」という問いを僕たちは考えておく必要があるのでしょうか?

何も事前に決めずに攻めを実施するのは当然ながら連携を上手くとったり、チーム全体が同じ方向性で攻めを遂行するのが非常に難しくなるので、あまり良くないのは何となくわかるかと思います。

しかしながら事前に1から100まで事細かに決めてある強い作戦が作れるのであれば、それを事前に作っておいて試合で遂行すれば十分ではないか?ということも考えられるわけです。

これについては以前の僕のnoteamenboさんのnoteでも簡単に触れられていますが、攻撃側のリピックや多種多様なセットプレイオペレーターが存在する現在の攻撃有利な環境では防衛側が自ら仕掛けてくることは多いため、想定以上にあるエリアのコントロールに時間がかかってしまうとかセットプレイの鍵となる重要なオペレーターがデスしてしまうといった「想定外の事故」が発生し、事前に決めておいた通りに試合運びができないケースがよくあります。
そうしたケースにおいてはリプランが攻撃側に求められますが、事前に細かく決めすぎてしまうと、攻めの柔軟性が失われ、リプランが上手くいかなくなってしまいます。

だからこそある程度は事前に決めておきつつ、攻めの柔軟性を失わないよう多少の余白を作戦に残しておくことが重要になるのです。

そして、ある程度は決めておいて、ある程度は作戦に余白を残すのが大事だというのであれば、「どこまで決めておくべきなのか?」という問いを考える必要性が出てくるわけでございます。

2.どこまで決めておくべきなのか?

やっと本題です。
攻撃の作戦は事前にどこまで決めておくべきなのか?

第一章で説明した通り、作戦に余白を残した方がよい理由は、「想定外の事故」に対応できるようにするためです。
逆に言えば、想定外の事故が十中八九発生しないエリアのコントロールに関してはなるべく決めておいて良いと言えるでしょう。

では想定外の事故が十中八九発生しないエリアとはどこなのでしょうか?
個人的には以下の2つが考えられると思います。

・建物外からアプローチできるエリア
・防衛視点で価値の低いエリア

各エリアがなぜ該当するのかとコントロールにあたっての考え方に関してこれから説明していきます。

2-1.建物外からアプローチできるエリアのコントロール

建物の外からアプローチできるエリアとは、窓やドアなどの建物の外から射線やガジェットによってコントロールできるエリアのことを指します。

具体例としては、オレゴンのスモールタワーがあります。
以下の画像を見て貰えばわかるとおり、スモールタワーにあるほとんどのポジションを射線で解決可能であり、一部射線が通らないポジションもありますが、そこも建物の外から投げられるフラググレネードなどのガジェットで解決可能になります。
もちろん防衛側が展開型シールドやアザミの牙バリアで耐える動きをすることも可能ですが、建物の外からガジェットを投入することで解決可能であることに変わりありません。


スモールタワー2階
スモールタワー1階
黄色は射線、ピンクはガジェットで潰すポジション

このようなエリアは窓やドアの外に人を配備することが出来ればエリアコントロールの下準備は完了可能であり、リスキルにやられる等が発生しない限りは事前に決めておいた建物の外からのアプローチを遂行することが可能です。
つまり「想定外の事故」が十中八九発生しないため、こうしたエリアをどのようにコントロールするかは事前に決めておいた方が良いと言えます。

2-2.防衛視点で価値の低いエリアのコントロール

防衛視点で価値の低いエリアとは、ボムサイトとの関係上リソースを割いて守っても見合うリターンが得づらいため、防衛側が守らない/守ってもリソースをあまり割かないエリアのことを指します。

具体例を出すと山荘2Fボムの時の地下や娯楽が挙げられます。
これらのエリアはボムサイトから非常に遠く、コントロールしていても防衛側がボムサイトに対して与えられる影響は非常に限定的なので、「価値が低い」と言えます。
だからこそリソースを割いても遊撃を1人置くかどうかというレベルなので、攻撃側はコントロールにあたって多少のリソース消耗はあるものの、想定外の事故やそもそもエリアが取れないといったことはあまり発生しません。

このように比較的簡単にエリアをコントロールすることができる場合、コントロールできることを前提としてその取り方や取った後の活用法を事前に決めておいた方が良いと言えます。

3.決めておいた攻めの具体例

第二章で説明した建物外からアプローチできるエリア、防衛視点で価値の低いエリアのコントロールを軸に考えた攻めの実例を紹介します。

今回紹介するのは、なんと僕も選手として出場していたSixInvitaitonalオープン予選の魚群 vs E36の試合のラウンド4で魚群が行った攻めです。
試合のリンクはこちら

ラウンド4では山荘2Fのボムに対しての攻めを魚群は行っていますが、2階の図書側のエリアをコントロールするのに第二章で説明した考え方を使っています。

まず建物外からアプローチできるエリアコントロールのため図書の2枚の窓とS側のバルコニーの窓(いわゆる五窓、K9窓)から射線を通しています。
そして2Fボムの時に防衛視点で価値の低いエリアである娯楽のコントロールを活用して、建物外からアプローチしきれないエリアにいる敵をフラグ突き上げで対処するという方針で攻めを事前に決めました。
(この攻めの型自体は僕が前日に考えておいたもので、試合中2Fボムが確定したタイミングで選手に共有しました。)

黄色は射線、ピンクはバー/娯楽から突き上げで潰すポジション

この攻めのポイントは建物外からアプローチできるエリア、防衛視点で価値の低いエリアのコントロールを軸に考えた攻めであるために攻めの再現性が高いことです。
窓からのロック射線は確定で敷くことが可能であり、地下やバー/娯楽側のコントロールもツーマンセルで行かせているため敵がいたとしてもこちら側が割いているリソースが大きい分、想定外の事故はほとんど発生しないでしょう。だからこそ事前に決めておいて問題ないのです。

逆にこのラウンドにおいてボムサイトへのアプローチまで事前に決めてしまうと、アザミの有無/置かれ方、敵のプラント止めガジェットの量、敵が下をコントロールして突き上げを狙うかどうか、など変数があまりにも多いため全てのケースが想定しきれず、想定外の事故が発生しやすくなってしまいます。だからこそあまり事前に決めずに敵の守り方を理解したうえで対応できるような余白を作戦に残しておくことが重要になります。


いかがだったでしょうか。

結論としては想定外が少ないエリアのコントロールに関しては事前に決めておく、逆にすべてのケースを想定しきれない(想定外が多い)エリアのコントロールは相手の守り方を見て、理解してから決めるのが理想と言えます。

今回は想定外が少ないエリアとして、建物外からアプローチできるエリアと防衛視点で価値の低いエリアを挙げましたが、どこまでが想定外が少ないエリアかの解釈はチームやメタによって大きく変わるので、自分たちの状況を踏まえて、どこまで決めておくべきなのか考えるのが重要だと思います。

また発展的な内容になりますが、防衛を組み立てる際に「攻撃側が想定外が少ないと考えがちなエリア」で想定外の事故を発生させに行くような防衛も非常に有効になってくると思うので、今回の記事で書いた内容を理解して、攻撃だけでなく防衛のレベルアップにもつなげていただければ幸いです。

それではまた。


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