攻撃有利環境での防衛に関する考察
こんにちは。おふとんと申します。
なんとなくで始めたnoteも、振り返るとだいたい週1本というペースで記事を出せている事実に驚いております。やるじゃん、自分。
今回の記事では、攻撃有利環境である現在のシージにおいて、防衛側はどのような解答策を出すべきなのかについての考えをまとめてみました。
こちらの記事の内容と考えのベースなど共通している部分があると思いますので、もしまだ読んでないよ~という方は是非まずこちらを読んでから今回の記事を読んでみてください!
1.シージの現状考察
競技シーン開始から7年目となるシージですが、ここまで攻撃有利な環境だったことは数少ないと思います。
現在はアタッカーリピック導入やYing, Glazを筆頭にセットプレイオペレーターが多数登場したことで、防衛側が用意してきた作戦への対策や特定のボムの時だけ有効なセットプレイの押し付けが、かつてないほど容易になっています。
こうした状況下において、今まで有効とされてきた「リスクを取らずに立ち回り、時間を稼ぐ」というスタイルの防衛で勝つことが難しくなっています。
この理由としては以下の2つが大きいと思われます。
・時間を十分稼いだとしても、攻撃側に人・ガジェットのリソースが十分にあれば短時間でセットプレイを通すことが可能
・突き上げフラグが主流になったことで、(現地が突き上げ可能な場合)現地で安全に立ち回っていても攻撃側からキルされてしまう可能性がある
こうした環境においては防衛側は現地で安全に守っていても攻撃側の最適化された構成&十分なガジェットに対抗する術は限られてしまいます。
2.攻撃有利環境へ解答策
第一章でも述べた通り、防衛側は黙っているとセットプレイ/フラグ突き上げにやられてしまうというのが今のシージの環境です。当然防衛側としては黙ってやられるのを見てはいられないので、攻撃側がやってくることに対して何かしらの解答を出す必要があります。
今回の記事では、解答策としてこれを提案したいと思います。
それは少人数戦に持ち込むことです。
これが解答策となる理由は2つあります。
2-1.攻撃側の土俵外で勝負を仕掛けられる
少人数戦に持ち込むにあたり、攻撃側が現地にアプローチする前に防衛側は接敵し、勝負をしかけることが必要になります。
攻撃側がセットプレイ/フラグ突き上げを軸にしている場合、彼らのガジェットは現地に対して使用するときに最も効力を発揮します。
逆に言えば、現地以外の場所に対しては効力を発揮しづらいです。現地にアプローチする前に防衛側が勝負をしかけると、攻撃側は自分たちの構成の効力を100%発揮できない状況で勝負を余儀なくされます。(=攻撃側の土俵外で勝負をさせられる)
2-2.ラウンド終盤の勝率を高められる
ラウンド終盤を5vs5の状況で迎えてしまうと攻撃側有利なケースが多いです(※)。5vs5の場合は十分な数のロック射線を攻撃側が敷くことが可能であり、設置が安全に通りやすく、設置後もリテイクを防ぐことが容易だからです。
※防衛側が時間を十分稼いでおり、なおかつ設置阻害ガジェットが十分ある場合は例外
例として銀行2階でプラントするケースを見てみましょう。
下の画像を見てみると「D」の位置にプラントした場合、攻撃側はサイト中からのリテイク、証券前廊下からのリテイク、1階からのリテイクのすべてに対して、ロック射線を敷くことができており、なおかつ距離を取ってロックが可能なため、攻撃側が有利であると言えます。
防衛側はフラッシュのような詰めるためのガジェットもほとんどないため、純粋な正面での撃ち合い以外では解決が難しい状況です。
しかしながらこれが5vs5ではなく、2vs2であればどうでしょう?
プラントを通されたとしても、サイト中・証券前廊下・1階という3つのリテイクルートに対して攻撃側が敷けるロック射線は2つしかありません。
このように少人数戦に持ち込むことができれば敵のロックをすり抜けたり、敵の1人のロックに対して全員で勝負をしかけることがしやすくなります。
またそもそもプラントに入る段階を考えると、少人数戦であればあるほどプラントカバーをするプレイヤーの負担が大きくなり、防衛側に付け入る隙を与えてしまいます。
2vs2であればプラント時に限り、1vs2の状況ができるため、プラントを全力でつぶしに行く or ロックに対して2人で勝負をしかけるなどのアクションによってリテイクをしかけることが5vs5の時と比較して簡単になります。
3.少人数戦に持ち込むために意識すること
第二章までで、攻撃有利環境に対して防衛側は少人数戦に持ち込むことが有効であると書いてきました。では、どうやって少人数戦に持ち込むことができるのか?ということをこれから書いていきたいと思います。
少人数戦に持ち込むにあたり意識すべき点は2個あります。
3-1.当たり所を設定する
少人数戦に持ち込むには、攻撃側が現地にアプローチする前の段階で防衛側は勝負をしかける必要があります。この時に各プレイヤーが各々好きなところで勝負をしかけたとしても、1vsX状況になってしまい、大きなリターンは期待できません。
そこでチーム全体の共通認識として当たり所を設定する必要があります。
当たり所の設定手順としては
①攻撃側を何人削るのかの目標を設定
②どのエリア&何人で削りに行くのかを設定
③最大で何人投入するのかを設定
の3ステップです。
それぞれのステップについて詳しく説明していきます。
①攻撃側を何人削るのかの目標を設定
基本的には終盤戦でのリテイクルートの数(=攻撃側が敷く必要があるロック射線の数)を踏まえて、最低限攻撃側を何人削るのかという目標を設定する必要があります。
例えばリテイクルートの数が3つあるボムサイトであれば、攻撃側を3人削ることができれば攻撃側はすべてのルートをロックすることはできないので、終盤戦で立ち回りやすくなります。また最低限2人削ることができれば、プラントタイミングに限りすべてのルートをロックできないので、立ち回る隙を作ることができます。
つまり最低限削る目標人数=5-リテイクルートの数というのが一つの目安になります。
②どのエリア&何人で削りに行くのかを設定
削るエリアの設定は相手の構成の狙いを踏まえて設定することを意識する必要があります。例えば相手がフラグ突き上げ構成であれば、現地の下を敵がコントロールしにくることが想定できるので、そこに対してあたりに行くことが定石になります。
何人で削りに行くかの設定については、まず①で設定した削りたい人数を踏まえ、削りたい人数±1の人数で当たりに行くことが目安になります。
また自分たちの構成を踏まえ、サイトを堅く守ることができるオペレーターがいたり、サイト中の情報を十分とれる状況で多少の人数不利であれば覆すことが可能な場合、多めに人数を派遣し、強めに当たりに行くことも十分に考えられます。
③最大で何人投入するのかを設定
先ほど②で何人で削りに行くのかの人数を設定しましたが、撃ち合いなので当然負けてしまう場合もあります。その場合に最大で何人を追加投入するのかを考える必要があります。
例えばあるエリアで3人投入して当たりに行った場合、1人を攻撃側に削られてしまったときにもう一人投入するのか、追加投入をせずに残っているプレイヤーに任せるのかをあらかじめ決めておくということです。
この判断基準は現地のエリアとしての強度や1人削られてしまった場合の当たり所での撃ち合い勝率などさまざまな要素が絡むので一概には言えませんが、原則として追加投入して戦いに行く場合の勝率>追加投入しなかった場合の勝率であれば投入すべきなので、チーム内での考えをまとめて「投入する/しない」「最大で何人投入する」といった原則を決定しましょう。
3-2.リスクとリターンを考える
一般的に勝率が50%以下の撃ち合いを行うことはなるべく避けることがFPSだと定石になっていると思います。
しかしながら攻撃有利メタにおいてはある程度無理のある撃ち合いであっても、積極的に撃ち合っていく必要があります。
例えばあるボムサイトにおいて、5vs5でラウンド終盤を迎え、籠って守っていた場合の勝率が40%だとします。
この時、籠って守っていても弱いと判断し、早めに当たり所を設定し少人数戦に持ち込もうと防衛側がした場合、勝率が40%より高いのであれば、退かずに撃ち合い続ける方が勝率が高いということを意識する必要があります。
つまりある撃ち合いの勝率>引いて生存した場合の勝率である限り撃ち合い続けることが求められます。
撃ち合って不利な状況だと、心理的につい退いて安全に守ろうとしてしまいますが、敢えて不利な撃ち合いをし続けたほうが勝率が高いケースも往々にして考えられるということを意識する必要があります。
いかがでしたか?
今回の記事に書かれている内容はDZのCanadianやsQのsuprが配信で話していた内容を自分なりに解釈してまとめたものがベースになっているので、ある程度の有効性はあると思います。今の環境で防衛に苦労している方は是非試してみてください。
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ではまた。
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