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服部一成展 01

2023.04.08

最近、本当にただの日記になっていたので、少し今回の展示・作品について書こうと思います。

池尻新店のオープニングエキシビションとなった服部一成さんの展示は、服部さんのグラフィックに対する真摯な姿勢が感じられる、直球の展示になりました。

最初は、作品の背景を膨らませるような展示方法も考えていたのだけど、(きっと)悩みに悩まれた末、潔く、ポスターを全面に見せる構成。
©️mariko ohya
今回の展示のための新作は、7枚。それらは名画をモチーフに描かれているのですが、例えばこちらはマグリットの「これはりんごではない」がモチーフ。
©️mariko ohya
マグリットの作品はこちらです。この額縁みたいな枠線や、フランス語で書かれた「これはリンゴではない」の文字もデザインに活かされてます。
筆致から、絵が紡がれた時間の経過を感じられる絵画。そのニュアンスを、グラフィックでどう表現できるかを模索した作品群。他にも、マティスの「金魚鉢」やゴッホの「椅子」など。敢えてペンダブを使わず、マウスをシャカシャカと動かしながら、直線的なパスの重なりで構成されているのですが、空白への高い意識も。因みに、この写真の1番手前に写っている作品(お花)は、あの女性クリエイターの作品がモチーフ。さて、誰でしょう? 
©️mariko ohya
グリッドを交差させることで、モチーフの輪郭を浮かび上がらせているアーカイブ作品もあわせて展示。
©️mariko ohya
マッチがモチーフの「Superloon」は、
炎の揺らぎや儚さを表現するのに、周囲よりグリッドを細かくしたり、菱形に入れたりしている。
©️mariko ohya
こちらは、即興でザクザクと切った紙を組み合わせて作ったネコのモチーフを写し撮り、陰影を含めてカメラの中でデザインされた 「Paper Cats」。
この作品の制作過程が出版元のBONBOOKさんの記事で詳しく記述されていて、服部さんがデザインを作る時の姿勢がよくわかって面白いです。
©️mariko ohya

昨年から準備してもらっていたとはいえ、新作を7作品というのは大変だったと思います。

キギの制作ぺースについては、もう理解しているから、何に時間がかかっているか予想がつくのですが、服部さんとはここまでしっかり伴走させていただくのが初めてだったので、中々レスポンスがない事があると、進んでいるのか、止まっているのか分からず、ちょこちょこと催促のプレッシャーをかけてしまうことがあり。
そんな中、私が放った一言が、服部さんにはちょっとした衝撃だったようで、会期が無事スタートしたタイミングで、服部さんが植原さんや良重さんに「寺田さんに〇〇って言われちゃって、俺のスピード感はそんなにヤバいのか…?
と思った」と仰っているのを聞いた。

進めていくうちに、服部さんが「偶然に生まれた瞬間を捕まえにいくデザイン」を意識的にしているのを知って、あぁ、それは急ぐ急がないを自分で決められないところあるよね、と自分の発言の失礼さを反省した。
何と発言したかは、ニュアンスなしで文章で書くと本当に失礼な響きだな、と思うので内緒です。

でも、服部さんはそんな不躾な人間の押しにも紳士的に応えてくださって、(多分そんなに乗り気じゃなかった)グッズも作ってくださいました。(やはり紙の上で表現したいのでしょう。)

直筆サイン入りのミニポスターや(裏面にも別図案が印刷されています)
Tシャツトートバッグ。こちらはOFSのonline shopでも販売中です。
なんだかんだ言って、ご本人も「良い出来だ」と言ってくださいました。Tシャツは大きめにダボっと着ていただくのが可愛いと思います。

ちなみに、告知早々、満席になってしまった4/10のトークは、皆様のご要望にお応えして、インスタライブでの配信が決まりました。

 OFSのインスタアカウント @ofs_tokyo より配信します。

お申し込みが間に合わなかった方も、是非お家でご視聴ください。

服部さんも菊地さんも、率直な発言をされる事がままあり(それが好きですが)、アーカイブに残すにはやや気をつかう所ので、アーカイブは残しません。
是非オンタイムで見てくださいね。

「服部一成展」
会期:2023年3月17日(金) ~ 4月23日(日)
OPEN:12:00-20:00※最終日は18:00まで
CLOSE:火・水
会場:OFS GALLERY
※トークイベント開催のため4/10(月)は18:00閉店となります。
18時以降、ご予約のお客様以外の入場はできませんので、ご了承ください。


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