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「ラグジュアリーソフトウェア」の時代。今後起こる、二つの戦い【Off Topic Ep223】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するポッドキャスト「Off Topic」。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は「#223 ラグジュアリーソフトウェアの時代」から、“ラグジュアリーソフトウェア”の兆しについてピックアップ。のこれからのソフトウェア領域の向かい先について考えていく。コモディティ化を超えて進むであろう、ソフトウェア領域のラグジュアリー化。それは、これまでさまざまな分野で起きてきたことでもある。機能、そしてステータスとしてのプレミアムさを追求していくソフトウェアの行先は、いったいどのようなものだろうか?


ソフトウェア領域は、成長の停滞を迎えつつある?

宮武は、この概念を考えるにあたって近年のテック領域、とりわけソフトウェア領域におけるある「成長の停滞」から語りはじめる。1990年ごろからインターネットが爆発的に普及して以降、ハードウェア領域ではスマホ、SaaSなども普及してきた。しかし一方で、新たにインターネットにアクセス可能になった人口が、過去18年間でもっとも遅いペースを記録していることがわかっている。また、ネット上のトラフィックをもつトップ100のウェブサイトのうち、Google.com、YouTube.com、Amazon.com、Facebook.com、Twitter.comなど、2021年と比較してかなりの数がトラフィックを落としている(アプリへの以降などもあるだろうが)。

Big Sites Data

インターネットとモバイルは新しいディストリビューションモデルを生み、そこで構築されるネットワークにユーザーが流れ込んだ結果、ネットのトラフィックは爆発的に増え、それとともにネットワークそのものも拡大していった。現在ではネットワーク効果によってユーザーを奪い合う段階まで到達しており、Apple Vision Proといった、スマホに変わる新しい空間コンピューティングデバイスなどの普及が本格化するまでは、この傾向は変わらないであろう。つまり、ソフトウェア領域の成長の鈍化はしばらく継続する、というのが宮武の見解だ。

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