Metaの優位性。「脱Apple依存」のための、新たな広告戦略【Off Topic Ep174】

宮武徹郎と草野美木が、アメリカを中心とした最新テクノロジーやスタートアップビジネスの情報を、広く掘り下げながら紹介するPodcast『Off Topic』。このnoteでは、番組のエピソードからトピックをピックアップして再構成したものをお届けする。

今回は、Off Topic『#174 目指せ脱Apple、進化し続けるメタの広告戦略』から、“脱Apple依存”を実現するための、Metaのこれからの広告戦略について。AppleのiOSアップデートによる各社広告事業への打撃、近年さけばれるFacebook離れ──。不安視されるMetaの将来は本当にヤバいのか？ 過小評価されているMetaの広告事業の現場をみながら、Metaが何を目指しているのかを考えていく。

“Facebook離れ”は本当？

Metaの優位性は、他のテックカンパニーと比較して圧倒的なアクティブユーザーにある。Metaのファミリーアプリ（Facebook／Instagram／WhatsApp）のユニークなデイリーアクティブユーザー（DAU）は30億人に達し、Facebookに関しては、2004年のサービスローンチ以降、2021年のQ4（10月〜12月）を除いてDAUは上昇を続けている。また、四半期ベースで見た月次のアクティブユーザー（MAU）にいたっては、一度も減少したことがない。

Meta 2023 Q1 Earnings

DAU／MAUのうち、どれくらいが毎日利用しているかのエンゲージメントレベルを見ると、20％で及第点、50％を超えれば世界トップクラスという業界のベンチマークがあるなかで、Facebookは68％を誇り、この水準を維持し続けている。ある程度ユーザーを取りきったUSやヨーロッパのアクティブユーザー数はといえばフラットな状況で、激しい離脱はみせていない。また、現在のユーザー数の成長を支えるアジア各国へのローカライズにも注力してグローバルでシェアを獲得。さらに、Instagramの平均利用時間は2022年Q1から2023年Q1にかけて24%の増加をみせている。近年多くなされるMetaの不調、先行きに対する悲観的な主張とは異なる見解を宮武が示しているのは、Metaがもつアクティブユーザー数という強みが、実のところ依然健在であるからである。

Metaの“脱Apple依存”戦略