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世界中の通貨に分散投資する方法:高利回りで安定したファンドを紹介

はじめに:分散投資のメリットとリスク

投資をするとき、一つの通貨や市場に偏らないように、複数の通貨や市場に分散して投資することが重要です。分散投資をすることで、リターンを安定させるとともに、リスクを低減することができます。例えば、円安になると日本株は上昇しやすいですが、円高になると日本株は下落しやすいです。しかし、円高になっても外国株は上昇する可能性があります。そのため、日本株だけでなく外国株にも投資することで、為替変動の影響を緩和することができます。

しかし、分散投資にもデメリットや注意点があります。分散投資をする場合、通貨や市場の違いによる手数料や税金、為替リスクなどが発生します。また、分散投資をするためには、各通貨や市場の特徴や動向を把握する必要があります。そのため、分散投資をする際には、自分の目的やリスク許容度に合わせて、適切な比率や商品を選ぶことが大切です。

この記事では、世界中の通貨に分散して投資する方法として、高利回りで安定したファンドを6つ紹介します。それぞれのファンドの特徴やメリット・デメリットを解説しますので、自分に合ったファンドを見つける参考にしてください。

1.ドバイ・アブダビ株ファンド:中東の成長市場にアクセス

ドバイ・アブダビ株ファンドは、中東の成長市場であるドバイとアブダビの株式市場に投資するファンドです。ドバイとアブダビは石油産出国でありながら、金融や観光などの非石油産業の発展にも力を入れています。そのため、経済成長率が高く、株式市場も活況です。このファンドは、ドバイ・アブダビ両市場の代表的な指数であるDFMGI指数とADSMI指数に連動することを目指しています。DFMGI指数は不動産や建設などのセクターが多く含まれており、ADSMI指数は銀行や通信などのセクターが多く含まれています。このファンドはインデックス型であり、信託報酬は1.606%です。

このファンドのメリットは、中東の成長市場に簡単にアクセスできることです。中東の株式市場は、日本や欧米とは相関が低く、分散効果が期待できます。また、中東の株式市場は、高配当や低PERなどの魅力的な特徴を持っています。このファンドは、中東の株式市場に投資することで、高いリターンと安定性を目指しています。

このファンドのデメリットは、中東の株式市場が政治的な不安定さや地域紛争などのリスクにさらされていることです。中東の株式市場は、石油価格や米国の政策などの影響を受けやすく、価格変動が激しいことがあります。また、このファンドは為替リスクにも注意が必要です。このファンドはドバイ・アブダビ両市場の通貨であるUAEディルハムに投資しており、UAEディルハムは米ドルにペッグされています。そのため、円と米ドルの為替変動によって、基準価額や分配金が影響を受けます。

2.ジパング企業債ファンド:日本企業の海外子会社の社債に投資

ジパング企業債ファンドは、日本企業や日本企業の海外子会社(ジパング企業)などが発行する普通社債や劣後債などに投資するファンドです。ジパング企業は、日本企業のブランド力や技術力を背景に、世界各地で事業展開しています。そのため、ジパング企業の社債は、信用力が高く、利回りも魅力的です。このファンドは、円建て資産に加えて、利回り向上の観点から外貨建て資産にも投資を行い、市場動向に応じて機動的に資産配分を変更します。9月末時点で約3割が外貨建て資産です。このファンドはアクティブ型であり、信託報酬は1.606%です。

このファンドのメリットは、日本企業の海外子会社の社債に投資することで、高い利回りと安定性を得られることです。日本企業の海外子会社の社債は、日本国内よりも利回りが高く、信用力も高いことが多いです。また、このファンドは劣後債の比率が79%と高く、劣後債は普通社債よりも利回りが高いことが特徴です。このファンドは利回り(為替ヘッジコスト控除後)が1.42%であり、10年国債利回りの0.09%(10月22日)や、代表的な国内債券インデックスであるNOMURA-BPI(以下、BPI)の0.13%(9月末)に比べて高い利回りを確保しています。

このファンドのデメリットは、外貨建て資産や劣後債に投資することで、価格変動や為替リスクにさらされることです。外貨建て資産は、円と外貨の為替変動によって、基準価額や分配金が影響を受けます。また、劣後債は、発行体の信用力が低下すると、利払いの繰延や期限前償還などのリスクが顕在化し、価格が大きく下落する可能性があります。このファンドは米ドル建て社債の米長期金利変動リスクを軽減するために米国債先物を売り立てており、デュレーションは7.4年とBPIの9.38年よりも短めですが、金利上昇リスクにも注意が必要です。

3.劣後債組み入れの高利回り投信:円建て劣後債に特化したファンド

劣後債組み入れの高利回り投信は、主に相対的に高い利回りが期待できる投資適格以上の円建て劣後債に投資するファンドです。劣後債とは、発行体が財務上困難に陥った場合に、普通社債よりも償還順位が低くなる社債のことです。そのため、普通社債よりも利回りが高くなっています。このファンドは、円建て劣後債に87.7%投資しており、国債先物も活用しています。金利上昇リスクを示す修正デュレーションは2.4と短く、金利上昇リスクにも配慮しています。このファンドはアクティブ型であり、信託報酬は1.606%です。

このファンドのメリットは、円建て劣後債に特化することで、高い利回りと安定性を得られることです。円建て劣後債は、日本国内の発行体が多く、信用力が高いことが多いです。また、円建てであるため、為替リスクもありません。このファンドは利回りが1.26%であり、10年国債利回りの0.09%(10月22日)やBPIの0.13%(9月末)に比べて高い利回りを確保しています。

このファンドのデメリットは、劣後債に投資することで、価格変動や信用リスクにさらされることです。劣後債は、発行体の信用力が低下すると、利払いの繰延や期限前償還などのリスクが顕在化し、価格が大きく下落する可能性があります。また、このファンドは金利上昇リスクにも注意が必要です。このファンドは国債先物を活用してデュレーションを短くしていますが、金利が上昇すると債券型ファンドは基準価額が下がります。その影響度を示すのが修正デュレーションであり、短いほど安定運用が期待できますが、ゼロではありません。

4.バンガード・トータル・ワールド・ストックETF:世界中の株式市場に幅広く投資

バンガード・トータル・ワールド・ストックETFは、世界中の株式市場に幅広く投資するETF(上場投資信託)です。このETFは、米国、日本、欧州、アジアなどの先進国と中国、インド、ブラジルなどの新興国の株式市場に投資します。このETFは、世界の株式市場を代表する指数であるFTSEグローバルオールキャップインデックスに連動することを目指しています。FTSEグローバルオールキャップインデックスは、約9000銘柄を含む幅広い指数であり、各国や各セクターの動向を捉えることができます。このETFはインデックス型であり、信託報酬は0.08%です。

このETFのメリットは、世界中の株式市場に幅広く投資することで、高いリターンと分散効果を得られることです。世界中の株式市場は、経済成長や企業業績などの要因によって異なる動きをします。そのため、一つの国や地域に偏らないように、多様な株式市場に投資することで、リターンを安定させるとともに、リスクを低減することができます。また、このETFは信託報酬が非常に低く、コストパフォーマンスが高いことも魅力です。

このETFのデメリットは、外貨建て資産に投資することで、為替リスクにさらされることです。このETFは米ドル建てであり、円と米ドルの為替変動によって、基準価額や分配金が影響を受けます。また、このETFは米ドル建てであるため、日本円でのリターンは米国株式市場の動きに大きく左右されます。米国株式市場が上昇すると日本円でのリターンも上昇しやすいですが、米国株式市場が下落すると日本円でのリターンも下落しやすいです。

5.フィデリティ・グローバル・マルチアセット・インカムファンド:株式と債券のバランスを調整

フィデリティ・グローバル・マルチアセット・インカムファンドは、世界中の株式と債券に投資するファンドです。このファンドは、市場環境や経済サイクルに応じて、株式と債券のバランスを調整します。株式は高いリターンが期待できますが、価格変動が大きいことがあります。債券は安定したインカムが得られますが、利回りが低いことがあります。このファンドは、株式と債券のメリットを組み合わせることで、高いインカムと安定した成長を目指しています。このファンドはアクティブ型であり、信託報酬は1.606%です。

このファンドのメリットは、株式と債券のバランスを調整することで、市場環境に柔軟に対応できることです。株式市場が上昇する局面では、株式の比率を高めることでリターンを追求します。株式市場が下落する局面では、債券の比率を高めることでリスクを低減します。また、このファンドは世界中の株式と債券に投資することで、分散効果も期待できます。

このファンドのデメリットは、外貨建て資産に投資することで、為替リスクにさらされることです。このファンドは外貨建て資産に約8割投資しており、円と外貨の為替変動によって、基準価額や分配金が影響を受けます。また、このファンドは信託報酬が高めであり、コストパフォーマンスが低いこともデメリットです。信託報酬はファンドの運用・管理に必要な費用であり、ファンドを保有する間、信託財産から日々差し引かれます。信託報酬が高いほど、ファンドのリターンにマイナスの影響を与えます。

6.ライオン・グローバル・インカムファンド:シンガポール発の高配当株式ファンド

ライオン・グローバル・インカムファンドは、シンガポール発の高配当株式ファンドです。このファンドは、世界中の高配当株式に投資することで、高いインカムと成長性を目指しています。このファンドは、配当利回りが3%以上で、配当成長率が5%以上の株式を選びます。また、各国や各セクターのバランスを考慮しながら、約50銘柄に投資します。このファンドはアクティブ型であり、信託報酬は1.606%です。

このファンドのメリットは、高配当株式に投資することで、高いインカムと安定性を得られることです。高配当株式は、安定したキャッシュフローを生み出す企業が多く、株価下落時にも堅調に推移することがあります。また、高配当株式は、配当金を再投資することで複利効果を享受できます。このファンドは分配金を毎月支払うことで、定期的なインカムを提供します。

このファンドのデメリットは、外貨建て資産に投資することで、為替リスクにさらされることです。このファンドはシンガポールドル建てであり、円とシンガポールドルの為替変動によって、基準価額や分配金が影響を受けます。また、このファンドは高配当株式に投資することで、成長性が低いこともデメリットです。高配当株式は、配当金を多く支払うことで、自社の成長に再投資する余力が少なくなることがあります。そのため、高配当株式は、株価上昇率が低いことが多いです。

まとめ

この記事では、世界中の通貨に分散して投資する方法として、高利回りで安定したファンドを6つ紹介しました。それぞれのファンドの特徴やメリット・デメリットを解説しましたので、自分に合ったファンドを見つける参考にしてください。

分散投資をする際には、自分の目的やリスク許容度に合わせて、適切な比率や商品を選ぶことが大切です。また、分散投資にもデメリットや注意点がありますので、通貨や市場の違いによる手数料や税金、為替リスクなどを考慮することも忘れないでください。

世界中の通貨に分散して投資することで、高いリターンと安定性を得ることができます。世界中の通貨に分散して投資する方法を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。


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