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いつかこれで食べていければいい、を考える

「運動の第一法則」というものを習ったことがあると思う。慣性の法則とも呼ばれるこれは、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動(等速直線運動)を続けるという物理法則のことだ。

これはビジネスでも同じで、何もないところから商売を始めて動き出して、きちんと儲けが出るようになるまでは大量のエネルギーが必要になる。

そして、はじめてからしばらくは儲からないことが多い。どんなビジネスも、参入してすぐに食っていけるレベルで儲かることはほとんどない。

だからかもしれないけれど、フリーランスやハンドメイド系の作家さん、作家志望や料理家志望さんたちをみていると「いつかこれで食べていければいい」と言っている人が多い。


将来食べていきたいとぼんやり思っている人の中には、実際に続けた先で気がついたら食べられるくらい稼げるようになっていた、という人もいるだろう。

でも実はこういうのを生存者バイアスと言い、何らかの選択過程を通過できた人・物にのみを基準として判断を行い、通過できなかった人・物は見えなくなるためそれを見逃してしまうという誤謬が存在する。

つまり、成功者しか生き残らないから、失敗の可能性が見えづらくなり、結果的に冷静な判断ができなくなっている可能性が高い。


食べていけるって、どういうこと?

僕はもう中年手前で家族もいる身なので、いつか食べていけるじゃ困る。今食べていかないといけない。それも、家族4人は確実に食わせなきゃマズい。

そうなると、いつか食べていければいいというビジネスと、並行して今すぐ食べれるビジネスも走らせなきゃいけない。

だからしょっちゅう「食べていける状態とは何か」を考えている。どうしたらそうできるのか?想定できるリスクは?収入を複線化したり、将来伸びそうなところに先に手をつけておいたり、儲からない仕事を削ったり断ったり。


思うに、途中で挫折して脱落していく人たちには、ここの計画が杜撰な人が多いんじゃないかと思っている。

いつかとか言っていないで、あと◯年で軌道に乗せると決めたほうがいい。

その時には月商で100万円、6割の原価率の商材として収入では月40万円くらいは手元に残しておきたい。日商なら3.3万円。平均客単価が3000円の商材なら、1日あたり11人の販売が必要になる。

1日あたり11人に売るためにはどうするのか?

成約率が20%ほどだとしたら、単純計算で5倍のお客さんを集められればいい。つまり、55人の集客で販売目標が達成できるはずだ。

55人を毎日集めるにはどうする?そもそも、いまの販売価格や材料費などの比率は適正なのか?どれだけ売っても食べていける金額が無理ゲーだとしたら、もっと高く売ったり、利益が出るように工夫をしなければいけない。


踏み出す勇気だけじゃ生き残れない

冒頭で話したように、何かをはじめるのはエネルギーがたくさん必要になる。誰だって最初は未経験者だからとびこむには勇気もいるだろう。

でも、踏み出す勇気だけじゃ、生き残れないのが現実だ。

やりたいことをできるかどうかと、それで認められてちゃんと食べていけるかどうかは別の話だ。やるかどうかを選ぶのは自分だが、食べていけるようになるかどうかを判断するのは自分じゃないからだ。そこに覚悟のほどは関係ない。

要するに、食べていきたいなら他人に認められて対価を得続けなければいけない。

1円でも売れればいいなんて言っていられるのは最初だけだろう。

実際、食べていくのにいくら必要なのかは人によって違うけれど、月10万円じゃキツいはずだ。20万円ならどうだろう?30万円なら?その30万円を手元に残すためには、いったい何円分の商品やサービスを売ればいい?


こんなのは、マーケット感覚のはるか手前のスタートラインの話だ。商売のしの字の書きはじめくらいの所だろう。

でも、こんなスタートラインの目印すらも見ようとしないで、闇雲に創ることの楽しさに溺れてしまう人もいる。知っていれば避けられる落とし穴が世の中にはたくさんあるから、せめてスタート直後のこれくらいのところはみんなクリアして進んで欲しい。

きちんと続けて食べていける人が増えれば、魅力的な商品やサービスが世の中にもっと増えるハズなのだから。

初歩的な経営や会計は初期装備しておこう。
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