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個人旅行は問題山積なドーハ新規就航の話@JAL

2024年3月31日より、JALが羽田からドーハ(カタール)まで
直行便を新規就航させることになった。らしい。

なお、この便の特典航空券を
エコノミークラスは片道1万マイルから、
ビジネスクラスは片道2.5万マイルから予約できる
ディスカウントマイルキャンペーンが
2月末まで実施されている。
ただし空港諸税に加え、片道4.4万円ほどの燃油サーチャージも
支払う必要あり。サーチャージ高っけぇぇぇぇぇ!

そしてこの羽田ドーハ線のスケジュールだが
羽田発22:50 ドーハ着4:40(翌日)
ドーハ発7:15 羽田着23:55
となっている。毎日運航。

2024年2月現在、同じルートのカタール航空便と
1時間違いぐらいのフライトなのだが
もうね、両航空会社の意図は明確ですよ。

「ドーハで乗り継いで他国へ行ってくださいYO!」

JALがドーハを訪れる日本人に便利なように
スケジュールを組むとしたら
羽田発11:50 ドーハ着17:40
ドーハ発20:15 羽田着12:55(翌日)
とかになるのではないか。

↑日本各地から朝イチの便で羽田に向かう客を拾い
ドーハ着後はホテルでゆっくり休んで時差調整。
帰りも羽田から同日乗り継ぎで各地に帰れますよ
的なスケジュール。

どうしてこのような妄想を私がするかというと、
コロナ前に中東に住んでいたため、
こんな時間帯のフライトがあったら便利だな、
と常日頃から思っていたからだ。

(それなのにエミレーツもエティハドもカタールも
全部似たようなスケジュールで東京に飛ばしていて
当時は利便性も何もあったもんじゃなかった)

さてさて。

航空会社は乗り継ぎ需要に応じた供給なのだが、
それに反してドーハ行きの航空券を発券し
乗り継ぎせず旅行としてカタールに滞在しようとする
奇特な人にここではスポットを当ててみたい。

はじめに警告。
このスケジュール、かなり使い勝手悪いぞ。
旅行者的に問題山積。


問題点1 朝早すぎるドーハ到着時刻

まず最初の難関がドーハ着4:40という時刻。
スケジュール通り飛んで、順調にイミグレを抜けたとすると
空港外に出られるのは朝の5時すぎといったところだろうか。
外は真っ暗、もしくはぼんやり明るくなり始めの時間帯だと思われる。
そんな時間に何をする何ができるという問題。

↑早朝到着問題は以前まとめているのでご参照を。

このドーハ早朝到着の場合、行動案として

1.ホテルで体を休める

中東のホテルは比較的涼しい10月-3月がオンシーズン。
この時期は最低1泊1万円の宿泊費は覚悟しておいたほうがいい
(例え朝5時チェックイン朝10時にチェックアウトになっても
しっかり1泊分の料金がチャージされる)。

2.とりあえず空港のベンチで休む・寝る

基本的に治安はいいが、それでも荷物の盗難には注意。
なお、中東の大空港は深夜と早朝のフライトが多いので
JAL便到着時間ももれなく賑わっていると思われる。
ベンチが空いている保証はどこにもない。

余談。リニューアル前のドーハ空港はすごかった。
カタール航空の急拡大に空港設備が追いつかず
ピークの時間帯である深夜早朝は至る所で行列。
ベンチは圧倒的に数が足りず床に座る人が続出。
ここはインド?って感じだった。10年ちょっと前の話。

3.24時間営業スーパー、その後ショッピングモール

スーパーではその国の物価がなんとなく見えてくる。
相場をつかむ上でも見ておいて損はない。
大きなカバンは無料で預かってもらえる。

4.1日ツアーにその場で申し込み参加

空港の観光案内所とか、ホテルのレセプションとかで
砂漠ツアーとかのアクティビティ紹介があるはず。
体力と金があって時間がない人にはいいと思う。

5.いっそ近隣諸国に日帰り旅行

バーレーンとかクウェートとか、本当に見どころがない。
中東に住んでいた私が断言する。日帰りで十分だ。
だったらいっそドーハのホテルのチェックイン時間までの
暇つぶしとして行ってみてもいいかも。

その場合別切りで航空券を事前に用意すると思われるが
ドーハ発をタイトな乗り継ぎ時間にしてしまうと
JAL便の遅延時に乗り継げなくなってしまうので注意。

問題点2 そもそもドーハですることがない

わざわざドーハに行こうとするような旅人は、
多分すでにドバイにも訪れていると思われる。
ドーハに行っても既視感しかないよ。

なんかドバイでも見たかもって。
なんかドバイでも食べたかもって
(トップ画像は中東のどこでも食べられる料理の
シーシュカバーブشيش كباب→羊肉の串焼き)。

そこそこのホテルに泊まって、プールサイドで
ぼーっと時間を過ごすことができる人はいいが、
あれも見たいこれもしたい系の人は不完全燃焼。

6-9月はとんでもない暑さで頭がぼーっとなるので、
旅の季節選びを間違えるなかれ
(ただしこの時期はホテルが安い)。

問題点3 夜遅すぎる羽田到着時刻

羽田に定刻23:55に到着したとして
最速で税関を抜けるのが0:15だと仮定。
それでも終電には間に合わない時刻だ。

躊躇なく深夜割増料金のタクシーを使える人や
自家用車を空港に駐車している人、
家族等の車でのお迎えがある人はいいが
そうでない人への行動案。

1.エアポートホテルに宿泊

空港直結のホテルは便利だけどもちろん高額。
空港近くでホテルまで無料シャトルバスを運行している
ビジネスホテルがいいんじゃないでしょうか。

2.エアポートホテルのデイユース

羽田第3ターミナルから通路を使ってアクセス可能な
ホテルヴィラフォンテーヌ羽田空港。
デイユースだが24時間いつでもチェックイン可能で
部屋と大浴場が8時間使用可能プラン等がある。

羽田到着後すぐに休みたいけど
翌朝イチでどこかに移動する人などは
このホテルのデイユースプランの使い勝手がよさそう。

3.深夜バス

東京駅や新宿、池袋といった巨大ターミナル駅への
深夜バスは2024年2月現在運行中。
コロナ前は横浜行き等もあったのだが現在は運休中。
バス利用を検討の際には最新スケジュールを要確認。

4.天然温泉平和島

深夜に空港から無料バスで行ける(要事前予約)。
入れ墨がある人は風呂場で隠す必要あり。
とりあえず横になって休みたいけれど
出費を抑えたい人はいいかも。

5.空港のベンチでご休憩

モノレールや京急の始発は5時すぎに動くので
いっそそれまでベンチで休むのもあり。
羽田第3ターミナルの場合、1階のローソン近くが
暗くて人通りが少ないので静かでお勧め。
日本だから治安もそこそこいいはずだし。

第3ターミナルには有料だがシャワー設備もあるので
そこでリフレッシュもできる。
JALグローバルクラブ会員などがJAL便で帰国すると
ここのシャワーを無料で使えせてもらえるよ。



ま、カタール行くなら政情にも気をつけよう、という話です。
私が中東に住んでいたころ、カタールの周辺諸国が
こぞってカタールと断交したことがあった。

当時の居住国でも、カタール人は1週間以内に
国外退去命令とか、ドーハ線は全航空会社運休、
カタール航空に至っては上空通過も認めないとかって
怒涛の勢いでカタール関係が締め出された。

カタールと陸続きのサウジアラビアに至っては、
カタールとの国境に水路を作って分断してしまおう
とかって本気で土木工事をしていた。
あの工事は今はどうなったのかは謎
(カタールと周辺国は現在は仲直り済み)。


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