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海外旅行2024その4 うっかりトラップファミリー物語~ドはドイツのド~@バイエルン

子どものころに見た名作映画「サウンドオブミュージック」。
オーストリアのザルツブルクを舞台にし、
最後はトラップ一家が徒歩でアルプスを越え
スイスに亡命するという個人的不朽の名作。

ドイツ人の友人との勘違いから始まった
私の南ドイツ(バイエルン州)行きin 2024 夏。
訪れたそこはまさに
サウンドオブミュージックの世界だった。


ドイツ人の節電事情

ザルツブルク(オーストリア)から西に120kmぐらいの
南ドイツの街バートテルツBad Tölzに住む友人を訪ね、
そこに数日滞在した。一応国境は越えるけど、
まぁほぼほぼザルツブルク。誤差の範囲。

友人宅の窓からは遠くにアルプスの山々を望み
教会の鐘(けっこううるさい)が響き渡る世界。
家々の窓辺は花で飾られ…花だけじゃなくて
友人宅はもちろんベランダにソーラーパネルも設置。

私の部屋からはアルプス見えないView

なんでもロシアからのガス供給が止まってしまい
ドイツでは電気代が急騰、そのため多くの家庭で
ソーラー自家発電をしているんだとか。

友人宅はスマホでほぼリアルタイムの発電量や
電力消費量が見られるようになっていて、
なんか節電意識がすごいことになっていた。

夏のドイツは日没が遅く、夜9時ぐらいまで薄明るい。
そして友人はそのときにようやく
間接照明のスイッチを一つだけ点灯。
あっ。察し。

電子レンジとドライヤーは使うな、
とかって別に言われたわけじゃないけれど
こちらは空気を読むのが得意な日本人。

洗濯機すら使いたいとは言い出せず、
自主的にじゃぶじゃぶと手洗い。
まぁ日本と違ってからっと乾いた夏なので
洗濯物は乾きやすいのだが、
人目に触れない所に干すのがドイツのルール。

ベランダに干してぇ~、直射日光にあててぇ~
と心の底から思う日本人の私なのだが
郷に入っては郷ひろみ。ここはバイエルン。
外は快晴なのに部屋干しで我慢。

ドイツ人のゴミ事情

これはドイツでも家庭によるとは思うのだが、
友人宅には部屋にティッシュもゴミ箱もなかった。

ゴミ箱はキッチンのシンクの下にあるだけ。
しかも分別は日本以上に細かい。
生ごみでさえ生ごみ状態のまま回収して
リサイクルするのがドイツスタイル。

ちょっとテーブルに水滴がついたからって
ティッシュで拭いて、それをゴミ箱に捨てて、
といった日本での日常をうっかりやってしまったら
私はドイツから放逐されるに違いない。

ビンなどはスーパーにあるリサイクルマシン?に
投入すると、スーパーのポイントカードに
ポイントだか現金だかが還元されるシステム。

ペットボトルのキャップはボトルと完全に
分離ができない仕組みになっていて
とにかくゴミのポイ捨て散乱を防ぎたい感じ。
ドイツのゴミ削減意識は本気モード。

ドイツ人の整頓事情

友人宅にゴミ箱がシンク下にしかない、というのは
意図的に行われていると思われる。
生活感を減らし、部屋をすっきり見せるため。

バスルームは歯ブラシすら見せない徹底ぶり。
バスルームってなんだかんだと小物で
溢れかえる場だと思うのだが、そういうの
全部棚の中にしまって一切見せない。

友人いわく、その方が掃除がラクだから。
とのことだが、その掃除をするための
掃除用品もどこかにしまっていて見せない。
そして当然いつもすっきりピカピカ。

リビングには写真や絵が飾ってあるのだが
基本的に物は少なく整理整頓清掃が行き届いている。
調度品の質感や色味にまとまりがあり
十分な広さもあって落ち着いた感じの雰囲気。

ここでマダムシンコのショッキングピンクの
ヒョウ柄のバウムクーヘンの箱をテーブルの上に置き、
草間彌生の水玉模様のゴミ箱をソファ横に置いた日には、
私はドイツから放逐されるに違いない。

(あ。ちなみに私、友人へのお土産のひとつとして
成田空港でねんりん屋のバウムクーヘン買いましたよ。
ドイツのクーヘン類はずっしり重い食感なので、
日本のふわふわの食感がドイツ人には珍しいらしく
喜んで食べてもらえた)

ドイツ人のカギ事情

友人宅は物が少なく清潔で整然としているが、
私が解せなかったのは玄関横のキーボックス。
鍵が所せましと鈴なりにぶら下がっているので
私はしばらく友人のことを「鍵屋さん」と呼んだほど。

友人宅は集合住宅なのだが、そこには
住民共用の地下スペースがあり、そこでは
各戸ごとに地下室が割り振られており
当然地下室のドアにはカギがかかる。

また、家の横には住人用のガレージがあり
そこにもカギがかかるので、当然
カギを保管する必要が出てくる。

友人の車はテスラ(電気自動車)で、
スマホのBluetooth接続で車のカギを開ける。
つまり物理的なカギは不要にも関わらず、
ガレージの扉を開けるために
物理カギが必要となる残念仕様。

更に、驚くべきことに、友人は
何軒かの近所の家のカギを所有していた。
いいのそれ?本当に信頼できる人たちなの?
互いの家のカギを交換して保管し、
必要に応じて互いの家に出入りするらしい。

(まぁ友人宅はいつ何時誰かが入ってきても
全く恥ずかしくない整頓具合だが)

ドイツ人ってバカンスで数週間家を空ける
ってことが珍しくないので、その間の
郵便物の整理だとか、猫の世話とか、
そういうためにカギを交換しているらしい。

日本の田舎ではカギをかけないとか、
勝手に玄関内にとれたて野菜が置いてあるとか、
そういう伝説があるけど、ドイツもそんな感じ?
犯罪発生率が日本より高いよね?大丈夫??

ドイツ人の余暇事情

そんな友人はアウトドア好き。
日本でもコロナ禍でキャンプブームが到来したが
所詮は付け焼刃で一過性のモノ。
私の周囲では以前ほどの人気はない模様。

ところが南ドイツは普通にアウトドア人気の様子。
白髪のじいさんばあさんが二人でヘルメットかぶって
マウンテンバイクこいでいるのも日常風景。

私も友人の本格的っぽい自転車を借り
サドルを下げ(脚の長さが全然違う)
いっしょに近くのイーザル川に向かった。

街の中にも流れてる川なのだが、
ちょっと郊外まで自転車を走らせると
民家も何もなくなり、あるのは林と河原だけ。
そこは絶好のスイミングスポットとなっている。

平日は人が少ないから、別に裸で構わない。
とのことだったので、露天風呂に慣れている
日本人の私は恥じらうことなく裸でスイミング。
夏なのに水が冷たすぎて1分足らずでギブアップ。

これは川ではなくて友人宅から10kmほどのテーゲルン湖Tegernseeのほとり。
湖に下りる階段があるのがお分かりでしょうか?ここでも泳げるYO。

別の日は友人の趣味にお付き合い。
隣町レングリースLenggriesにある
ブラウネックBrauneck山にゴンドラで登り
友人はパラグライダーで滑空して下山。

山の上のパラグライダー出発地では、各自が空きスペースを見つけて準備をする。
出発も特に順番が決まっているわけでもなく各自自由に飛び始める。

自然に触れる環境が整っている印象。
人口密度が低く緑が多く残っているのは
日本の田舎と同様なのだが、
南ドイツは自転車専用道や登山道が整備され
人々は気軽にアクセスし楽しんでいる様子。

日本だと「安心・安全」を合言葉に
そこら中に手すりや柵があったり
看板を立てて何かを注意を呼び掛けているが
ドイツはそういうのナシ。

ときどき飼っている牛が出ないように
電気柵っぽいのを見ることはあったけど
基本的に自然を自然のまま楽しむドイツ。

サウンドオブミュージックで
カーテンを引きちぎって服を作って
目いっぱい夏の外遊びを楽しんだ
トラップ兄弟の気持ちがよくわかる。

ドイツ人の伝統事情

隣町でドイツ版の夏祭りが開かれたので
片道10kmほどの道を自転車こいで参戦した。

日本も夏祭りには浴衣を着る人もいるが、
ここバイエルンの伝統衣装は
男性はレーダーホーゼン
女性はディアンドルと呼ばれ
夏祭りの際に着用する人は少なくない。

私たちは屋外のいわばビアホールで
ビール(1リットルのジョッキが最小サイズ)を飲み、
肉肉しい料理を食べたりしたのだが、

揚げた巨大な骨付き豚にナイフがぶっ刺さって提供されてきたの図
オーダーは友人に任せていたので料理名は不明

近くのテーブルにはレーダーホーゼンをはいた
ドイツ叔父軍団がビールをガンガン流し込んでいて
南ドイツの典型的なイメージそのまんま。

浅草で車夫が人力車を引いていたり
京都で舞妓さんが歩いているのを見て
外人がAmazing!!とかって言うのと同じで私もエキサイト。
あんまりAmazingと大騒ぎしても失礼だから
こっそりと撮影(トップ画像)←これも失礼か

例え日常的には着ない物ではあっても
ぜひこの伝統的な衣装を後世に残してほしい。
リーバイス501は世界中ではくことができるが
レーダーホーゼンはここでしかはけない。

私はファッションに興味が薄く、
普通にユニクロでいい(体型的にユニクロの服が
割と似合うと思っている)のだが、
民族衣装を見たときはかなりアガる。

私がインドよりパキスタンが好きなのも、
パキスタンでは街中シャルワールカミーズ着用の
男たちで溢れているからなのかもしれない。

パキスタンのシャルカミ着用率は80%ぐらい(体感値)、
バイエルンの夏祭りのレーダーホーゼン着用率は
30%ぐらい。ディアンドルは15%ぐらい(体感)。

みんなもっと民族衣装着ようよ!
って自分も最近全然浴衣を着ていない事実。
ちょっと反省。まずは自分からですな。
いや、あれも意外ときれいに着こなすの
難しいんだよ。別に涼しくもないし。。。




ただの観光旅行では見えないこと気付かないことに
いろいろハッとさせられるバイエルンの夏。エコの夏。

別に友人が特に吝嗇(つまりケチ)だとか
経済的に困窮しているというわけではない。

独身なのに車は夏用(テスラ)と冬用(BMW)
という2台持ち。意味不明。
車だけでなく家も2軒もち。独身貴族か何かかな。

アウトドアが好きな友人はスロベニアの山中に
別荘を持っている。そこで私たちはテスラに乗って
ドイツ→オーストリア→イタリア→スロベニア
というルートで別荘に向かった。

なお、このルートは別に遠回りではなく
高速道路をできるだけ長く使った合理的ルート。
私は今回の旅でイタリアも訪れたことになるが
一歩もイタリアの地を踏むことはなかった。

東京から山梨に行くときに、一瞬だけ
相模湖のあたりの神奈川県を通過するあれだ。
そんな神奈川的なイタリア。

続編に続く。はず。チャオ!

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