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海外旅行2023その11 パキスタンインド国境越え実録<後編 MajiでKo○す5秒前のUber>

前編からの続き。2023年9月の話。
後編はパキスタンからインドへの陸路移動。


1.デラ・グジラン駅→ワガ

行きはチンチーで50+50=100ルピー(50円)だったこの区間。
ただチンチーは定員オーバーで朝の山手線状態だった。
所持しているパキスタンルピー残高に余裕があったことや、
スマホがオンラインで配車アプリが使えることから、
チンチーではなくバイクを呼んで乗ることにした。

配車アプリは現地パキスタン人お勧めのinDrive。
基本的にUberとつくりが同じなので直感的に操作できるが
違うのは目的地を依頼したときに、
ドライバーがいくらなら乗せていくよと
ドライバーから価格を提示してくること。

デラグジラン駅からワガ村のイミグレーション前まで
アプリではバイクで230ルピー(115円)の目安表示だった。
最初に応じたドライバーは250ルピーを要求してきたが、
どうしようか迷っているうちに
違うドライバーが230ルピーで応じてきたので
当然安い方のドライバーに依頼決定。

本当はイミグレ敷地内のイミグレの建物前まで
バイクで直接行きたかったのだが
敷地内でのバイク移動はダメとのことで、
敷地前でバイクを降り、料金を払ってドライバーとさよなら。
タクシーだとそのままイミグレ前まで行ってもらえるらしい。

2.ワガ→イミグレーション(パキスタン側)

体感700メートルのイミグレ敷地内の直線道路。
行きと同様10分歩きますよ。私の荷物は7KGだし。
ただやっぱり炎天下では暑かった。

3.イミグレーション(パキスタン側)→国境

イミグレーションの建物では、やはり親切なパキ叔父が
あっちが出国審査場だよと教えてくれる。
もちろん彼らの目当ては私のパキスタンルピーから
インドルピーへの両替請負。だから親切。

スタンプを押され出国。
税関検査はなかったような気がする。
イミグレ建物外にいるパキ叔父の両替の誘いを断り、
2分ほど歩いて国旗セレモニー会場のフェンスに到着。
ガラガラと両国を隔てるフェンスを開けてもらい
パキスタンさようならインドお久しぶり。

4.国境→イミグレーション(インド側)

インド領に入り、まっすぐ行くと国旗セレモニー会場の
スタジアムになるのだが、そこを右折してパスポートチェック。
そのままスタジアムの裏手にある荷物検査場?で
イミグレまで行く無料バスを待つ。
行きは1時間待ちをくらったが、帰りは10分待ち。ラッキー。

相変わらずここのイミグレはガラガラなのだが
問題はその後の税関検査。
多数の人がとんでもない量の荷物をもって
この国境を往来しているので、そういう人が前にいると
税関検査で長時間の順番待ちをくらうことになる。

税関の書類を記入し、幸い10分待ちで税関クリア。
もちろんカバン1つなので何もチェックされず。
イミグレの建物から敷地外までは徒歩3分。

5.イミグレーション(インド側)→アタリ

イミグレの敷地の外にはリクシャーが待機していて
アムリトサルまで乗せるよとお誘い。
アタリからバスに乗るからアタリまででいいと言っても
アムリトサルまで乗せると言うので以後無視。

そのうち白タクドライバーが私に近付き
シェアになるがアタリまで乗せるとお誘い。
100ルピーと提示されがた、行きはこの区間
人力車のインド爺に20ルピーを払った区間だ。
20なら払うと私は断固譲らなかった。

白タクドライバーとリクシャードライバーが
私を乗客にしたくてうずうずしているが
こっちは長期戦の構え。20ルピーしか払わない所存。
近くにサトウキビジュースの屋台があったので
とりあえずそれでも飲もうかと屋台に近づくと
白タクが「20でいいYO」としびれを切らして言ってきた。

車だとたった数分の移動なのだが、さすがに快適だった。
アタリまで滑るように移動して20ルピー(36円)。

6.アタリ→アムリトサル鉄道駅前

イミグレ前から乗った白タクは、アタリのバス停付近に止まった。
アタリは始発なのでバスの座席に座ることができ
満員御礼超過密だった行きと違って帰りは快適。
10分待ちほどでバス出発。バス賃は40ルピー(72円)。

天気は曇りだったので気温もそこまで高くならず
窓から吹き込む風が心地よい。なんて思っていたら
アムリトサル鉄道駅前のGTロードに到着する数分前から
雨が降り出してきた。車掌は窓を閉めるのに右往左往。

7.アムリトサル鉄道駅前→ホテル

アムリトサルではランジットアベニューranjit avenueという
鉄道駅と空港の中間地点にあるおしゃれエリアにある
ホテルを予約していた。

いずれBRTが開通するらしいのだが、2023年現在では
公共交通機関でこのエリアには多分たどり着けない。
ということで、鉄道駅からUberを使う予定だったのだが
まさかの雨によって近くの大衆食堂に緊急避難。
チャイ15ルピー(27円)で時間つぶし。

インドのUberは乗用車だけでなく、リクシャーとバイクも選べる。
値段はバイクが一番安い。次に安いのがリクシャー。
私の荷物はカバン1つだし、当然バイクで問題ないのだが
さすがに雨の中バイクに乗っていく根性はない。

しょうがないからリクシャーのuberを探すものの、
ドライバーが見つからない。
流しのリクシャーは多いのだが、Uberに登録している
リクシャーの台数は少ないのかもしれない。
30分ほどで雨がやんできたのでUberバイクのドライバーを探すと
すぐに見つかった。ホテルまで32ルピー(58円)。

8.ホテル→アムリトサル空港

搭乗数日前に連絡が入り、出発時刻がやや前倒しの
午前11:30に変更になったエアアジアのクアラルンプール行き。
アムリトサル空港はさほど大きくはないので
空港に午前10時に到着すればまぁいいだろうと逆算。

ホテルから空港までは6~7kmなので所要15分と考え、
9時45分にホテルをチェックアウト。
すぐにUberでバイクのドライバーを探す。
Uberの表示価格は70ルピー(126円)程度。

すぐに見つかった。
Uberのいい所はドライバーとチャットができること。
私が「待っています」という定型文のメッセージを送ると
ドライバーからのメッセージが日本語に自動翻訳されて届いた。

「現金 300ルピー(540円)」

ふざけるな。寝言は寝てから言え。
私はUberの支払い設定をクレジットカード払いにしていた。
これを現金払いに変更することは可能だが、
それにしても値上げ幅が尋常ではない。

「クレジットカードで払う。70ルピー」

私のメッセージが相手に自動翻訳されるかどうかわからないので
できるだけシンプルな英文メッセージで返信をすると
ドライバーからのメッセージが日本語に自動翻訳され届いた。

「もうそちらに向かっている」

何だと!?
私とドライバーはメッセージでやりとりを続ける。

「こっちに来るな。私は300ルピー払わない」
「Google Pay OK」
「こっちに来るな。私はGoogle Payは使っていない」
「現金 250」
「クレジットカードで払う。70ルピー」
「現金 250」

ドライバーは50ルピー値下げしたものの
強気な値段設定には変わりないし、
私は全く払うつもりがなかった。
どう考えても70ルピーが適正でしょ。
250ルピー(450円)など払う精神的余裕は私にはない。

なので、こちらからキャンセルをした。
キャンセル料がかかるかもと思ったが
キャンセル料はかからずに、この頭のおかしい
ドライバーをキャンセルすることができた。

そして再度Uberでドライバー探し。
すぐに見つかった。
ほら、他にドライバーはいるのだ。

と安堵したのも一瞬だった。
私のオファーを引き受けたのは、
さっきの頭のいかれたドライバーだった。

私はメッセージを送った。
「クレジットカード払い。70ルピー」
ドライバーからの返信は定型文か何かなのだろうか。
「現金 250」と返ってきた。このクソが。

私はためらうことなくキャンセルを押した。
このドライバーとかかわるだけ時間の無駄だ。
常識が通じない人は相手にしないのが一番だ。
こちらは空港に今すぐ行かなくてはならないのだ。

再度ドライバーを探すと、秒で見つかった。
と思ったら、またまたその頭のおかしいドライバーだった。
メッセージを連続で送る。
「私からの依頼を受けるな」
「私はおまえのバイクには絶対に乗らない」
「オファーを引き受けるな」
そして力いっぱいキャンセルを押した。

また振り出しにもどる。
そしてドライバーを探す。
見つかる。
クレイジードライバーだと判明。
即キャンセル。

という流れをあと数回したころでしょうか。
Uberからメッセージが届いた。
「お前キャンセルのしすぎだから、
しばらくUber使えなくしたYO」

えっと、私が悪いのでしょうか?
私の行動がゴネ得のカスタマーハラスメントみたいに
思われちゃっているんでしょうか?
もうこの頃には例のドライバーに対して殺意しかなかった。
高校のころ漢文で習った「怒髪天を衝く」状態だった。

Uberを諦めホテルを出て大通りまでずんずん怒りの行進。
飛行機は待ってくれない。早く空港に行かなくては。
鬼のような表情で道行くリクシャーを止めて料金交渉。
ふっかけてくるドライバーに対して私は最初から臨戦態勢全開。

空港までいくら?
あ?500ルピーだと?ふざけんな、お前どっか行け!
あ?400ルピーでいいだと?何えらそうに言ってんだよ。
お前と話すのは時間の無駄だ!立ち去れ!!

交渉が決裂したころに、他のリクシャーが私の横に止まった。
空港までいくら?
あ?400ルピーだと?いっぺん死んでみる?
私は相当荒れていたので、ぼったくりドライバー達を
秒で地獄送りにしていった。

最初のリクシャーと2番目のリクシャーが
私を乗せようとあーだこーだ言い争いを始めたころに
颯爽と3台目のリクシャーが現れた。
これは供給過多だ。こちらが値段交渉の主導権がある。
私はヒンディー語で強気に出ることにした。

「空港まで行きたい。100ルピー。」

3番目のリクシャードライバーは250ルピーを提示。
私は断固譲らない。ドライバーはすぐに折れて
200ルピーを提示してきたが、それでも私は譲らなかった。
他のリクシャーを探すふりをした。

「いいよ、100で。乗ってきなYO」
ドライバーがついに適正価格まで折れた。
私は再度「100ルピーだよな?」と
ヒンディー語と英語で念押しダメ押し指さし確認。
ドライバーはYesの時に首を横に動かす
インド人独特の仕草で応答。

アムリトサル空港までは渋滞もなくスムーズ。
先ほどまで火の玉だった私もようやくここで落ち着く。
空港のゲートの外でストップと声をかけ
(ゲート内に入ると入場料だか駐車料だかが発生するので)
約束の100ルピー(180円)を払ってドライバーとさよなら。

結局チェックインしたのは出発1時間前という
割とギリギリなスケジュールになってしまった。
ついでに空港でバタバタしているうちに、
愛用のサングラスを空港のどこかに置き忘れてしまった。
さよならオークリー。経済的損失が後からじわる。

全て悪いのはUberの頭のおかしいドライバー。
あいつ、次に会ったらカレーの具材にして煮込んでやる。
ということで、とりあえずUber本部に事の顛末を
タレコミしておいた。悪は滅びろ。





ま、配車アプリは便利だが確実ではない、という話です。
必要なタイミングにドライバーが見つからなかったり、
見つかったはいいものの、それが悪質ドライバーで
アプリが事前に示した料金とは違い
法外な料金を請求されたりする危険性もある
といったアクシデントも想定しておかないといけない。

そして、他のドライバーを探そうとオファーを出しても
すぐに悪質ドライバーがオファーを引き受けてしまい
他のドライバーを探せない(Uber利用者に探させない)
というまさかの妨害行為。

困ってキャンセルを続けていると、最終的にこちらが
Uberから使用を一時停止されてしまうという追い討ち。
泣きっ面に蜂というのはこのようなことなのだろうか。

インドではUberの他にOlaという配車アプリが有力なので
そちらも事前にダウンロードしておき、
有事の際には代替案がすぐに出せるように準備できていると
心穏やかに旅行を楽しめることでしょう
(私はOlaをダウンロードしていなかったので、
こんなことを言う資格はないのは重々承知)。

それにしても旅行者をタダでは帰さないインド恐るべし。



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