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ベーコン作成日記 2

人の温もりに触れる時間より、燻したお肉の温かみに触れる機会の方が多い峰です。やかましいわ。

2回目の日記。

”美味しいものってなんだろう?美味しいものってなんだろう?美味しいものってきっと幸せ。美味しいものってきっと楽しい。美味しいものってなんだろう”

そんなマザーグースみ溢れる呪文を唱えながら取り出したのはお肉です。

今回もショルダーとバラ。それぞれ500gと1kg。
前回はソミュール液(漬け込む液)に力を入れた結果、ピート薫るカオスな代物が出来たので今回はあえてお肉に味を付けていきます。

カルダモン、パプリカ、チリペッパー、ナツメグ、セージ、タイムをすり込んで、30分ほどおきます。

お肉をおいている間にソミュール液を作りましょう。※ベーコンの作り方はいくつか方法があり、主に乾式と湿式があります。
☆乾式とは…上記のお肉に直接塩をして、熟成、塩抜きという工程ですが味にムラが出る場合があります。
☆湿式とは…塩味とスパイスの効いた水に浸け作ります。満遍なく味がまわるのと塩味の調節が楽なので私はこっちで作ることが多いです。

☆水900cc、ゲランドの塩80g、三温糖20g、ミックスペッパー、ローリエ、セージ、ローズマリー、ニンニク一欠片を煮込んで灰汁を取り(天然塩は灰汁が出ます)冷ましたら完成です。

漬け込む際に香味野菜も使用します。
タマネギは薄切り、人参はピーラーで、セロリはポキッと適量をジップロックに詰め、先程のお肉を置いて、上からみっちりソミュール液を注ぎます。

ジップロックを利用する理由としては掃除が楽なのと、少量の液でも満たせるところです。
素材、結構高い。

準備が整いました。さぁ熟成しましょう。
塩分濃度的に何週間も腐らずに保存出来ますが、前回3週間漬けた時は塩味が抜けなかったので…
今回は時間もないので2日にします。

2日後…こちらがソミュール液から取り出し、5時間塩抜きをしたお肉。5時間。ひたすらチョロチョロ水を流し、たまに端っこを切っては焼いての味見をしながら5時間。私って暇なんですね。

塩抜きが終わったら乾燥していきます。
水分を抜くことで保存性を高める他、旨みの凝縮を行えます。時間がないのでお馴染みピチットシート様でくるんでいきます。

☆余裕があるときは網に入れて外の風に当てること2日、もしくはキッチンペーパーに包んでドリップ(お肉から出る汁)に当たらないよう水切りなんか使いながら冷蔵庫でも乾燥は進みます。手間暇かけている感じがしてよりベーコンへの愛情が深まる作業です。

今回、私には低音調理プラス燻す、というテーマがありました。ところで世の中には明確な殺菌温度というものがあります。

これは表面ではなくお肉の中心温度の話。
じゃあフライパンで焼けばいいんじゃないの?って話でもないんですね。中心温度の話なのです。
お肉のタンパク質っていうのは熱で各種変化します。これによって口当たりが変わるんです。
概ね60℃前後で凝固を始めるよ、なんて記憶しておけば良いのですが、上記には75℃で1分なんて表記がありますよね。ただし、65℃で15分、なんて表記もあります。温度を下げるのであればそれだけ時間を増やさなければならない、ということが分かると思いますが、ここにさらにお肉の厚さも関わってきます。そんな細かい温度調節出来るわけないでしょ…

そこで年末衝動買いしたコンベンションオーブンの登場です!!

60℃設定で5時間後のお肉。美しい。
これくらいの大きさであれば芯まで殺菌できるレベルの温度と時間です。
コラーゲンは程よくプルプル、肉は表面に弾力があり、中はホロホロ。そんな状態の完成です。

正直もうこれでいいだろ。優勝だろ。とは思いますし、実際1杯やってます。

しかし、私は燻したい。薫るベーコンを作りたい。

いつもの秘密基地。

今回はヒッコリーブロック×2(1個90分燃焼)に対してピート30gと甘さが欲しいので桜チップ20gで燻しました。
燻製ブロックの良いところは1度火をつけておけばゆっくり燃え続けるところ。
この日は栄養士のセミナーに参加する用事があったので、放置しておでかけしました。

これが…

こう。


もうね、優勝です。小躍りしちゃうくらい良い香り。

燻してすぐ食べられるのは作成者の特権。本当に美味い。ただ、燻製は少し寝かせてあげた方が香りも落ち着いてより深みが出るんです。
なのでラップをして、一日…。

皆様の前でこんなに可愛い姿にして頂きました。

次回はラム肉のベーコンを作ってみたいですね。
アディオス!

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