アウトレットモールと大相撲

年に数回アウトレットモールに行く。あまりブランド品に関心はないが、それでもどこかで聞いたことのあるブランドを掲げた店がひしめき合っている。一通り見て回るだけでかなり時間がかかる。広い上に、いつ行っても混んでいる。品揃えも多い。

外国からの観光客がたくさん来ていた頃は、いったいどうやって持って帰るのだろうとこちらが心配になるほどの荷物を抱えて歩く人をよく見かけた。最近はそれほどの人はあまり見かけないように思う。"爆買い" ではなく、買い物自体をのんびり楽しんでいる人が多いようだ。スーパーマーケットやホームセンターで買い物をしている人とアウトレットモールで買い物をしている人では表情が違う。生活必需品を買いに行くのと買い物そのもの楽しみに行くのでは、やはり脳内でのドーパミンの出方が違うのだろうか?

そもそも "アウトレット" というのは、規格外品や型落ち品を売ることのはず。ちょっと考えると、すぐに疑問がわく。規格外になった商品や型落ちした商品があれほどたくさん店に並ぶのはそもそもおかしい。規格外品が大量に出るのなら、製造工程に問題があることになる。型落ち品は、なるべく出ないように製造計画や販売計画を立てるはず。

要するに、アウトレットで売るために商品を作って売っているのではないか。

業界の裏側をきちんと調べたわけではないから、まったくの個人的な想像だが、そう考えなければ理屈が合わない。おそらく、アウトレットモールで買い物をしている人たちも、うすうすその仕組みに気づいているのではないかと思う。

別に文句を言いたいわけではない。気に入らなければ行かなければいいだけの話。こちらも買い物を楽しませてもらっている。これからも変わらず行くつもりだ。

少し話は飛ぶが、以前、大相撲の八百長が一種の社会問題のようになったことがある。テレビのワイドショーなどで連日取り上げられていた。ほとんどの識者は、八百長なんてけしからん、という論調で批判していた。しかし、ある人物は、「そもそも興行なのだから、そういうものだと思ってそれなりに楽しめばよい」とコメントしていた。少数派の意見だけど、どこか共感できるところがあると思った。たしかに、本場所の始めに、力士代表が「スポーツマン精神に則り、正々堂々と戦うことを誓います」と選手宣誓をしているわけではない。スポーツではなく、興行と考えれば納得できないことはない。もちろん、心のどこかで、正々堂々と戦ってほしいと願う気持ちはあるのだが。

アウトレットモールと大相撲。まったく別の話のはずだが、自分の中ではどこかでつながっているのを感じている。変かな?

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