大阪万博から50年経って見えてくること

実家の本棚で埃をかぶっていた本を引っ張り出してきた。それが今、手元にある。1970年の大阪万博のときの雑誌の特集号。読むと、実に興味深い。

当時、会場内では電気自転車と電気自動車が走っていた。自動車の方は最高時速20キロらしい。自転車については、「一回の充電で50キロ走れる」とある。写真を見ても、今の電動アシスト自転車とあまり形は変わらない。自転車というより電動バイクのような気もするが、今の電動バイクの走行距離はどれぐらいだろうか?50年前の電気自転車は、走行速度はわからないものの、かなり高性能だったような気がする。

電気自動車について、「まもなく町のあちこちで見られるだろう」との記述がある。50年経ったが、まだ街中で電気自動車を見かけることは多くない。電気自動車開発の肝は、おそらく充電池とモーターの技術だと思うが、50年かけても、未だそれほど進んでいないということだろうか?それとも、ガソリン車を使い続けなければならなかった理由があったのだろうか?いろいろ穿った見方をしてしまいたくなる。

テレビ電話と携帯電話(手元の本では「ワイヤレステレフォン」とある)も当時会場内で活躍したようだ。テレビ電話はともかく、携帯電話は、写真で見る限り、一般の普及が始まったころのやたら大きかった機種とそっくりだ。お笑い芸人の平野ノラさんがネタで使っていたのと同じようなワイヤレステレフォンをもった子どもの写真が掲載されている。こちらの開発の肝は、通信技術とやはり充電池ということになるだろう。50年の時間軸で見れば、その後半の技術進歩の速度は驚異的だと思う。

コンピューターとロボットの展示もあった。将来、面倒な仕事はコンピューターやロボットがやってくれるので、人は働かなくてもよくなるという夢のような未来予想図が描かれている。これは外れた。かえってやっかいな仕事が増えた。

数年後にまた大阪に万博がやってくる。そこから50年後にまた2025年大阪万博の本を引っ張り出して、いろいろ突っ込みを入れてみたい気がするのだが、希望はかなうだろうか?難しいかな?

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