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ASAPは怖い?怖くない?

仕事柄、英文でメールのやり取りをよくする。

この仕事を始めた当初は、初めにきちんと挨拶の文言を入れなければと思い、肝心の内容よりも挨拶文に悩んだこともあった。さすがに「貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」のようなことを英文で書こうとは思わなかったが。

慣れてくると、そのようなことにあまり気を使う必要はないことがわかってきた。そもそも、相手から送られてくる英文メールも、「Hi」で始まっていきなり用件が書かれている。全く初めてやり取りする相手なら少し改まった表現を使うことはあるが、何度かやり取りしたことがある相手だったら(もちろん、一度も顔を合わせたことも、電話で話したこともない相手だが)、互いにファーストネームで呼びかけて、くだけた表現でやり取りするのが自然だ。

形式にとらわれず、迅速に肝心の内容を伝えるというメールの特性によるのだろうか。英文メールのやり取りでは、ときどき謎の略語に出くわす。

ASAP。これはもちろん、「As Soon As Possible(できるだけ早く)」の略。まだ慣れていないころは、この略語の入ったメールを受け取ると、焦ってしまい、文字通り最優先に処理しなければ、と躍起になっていた。しかし、しばらくすると相手側の状況が「早めに対応してくれたらありがたいなー」という程度のことがかなりあることに気づいて、この言葉を見てもあまり怖くなくなってきた。本当に急いでいる場合は、「今日の〇〇時までに」と具体的な日時を指定する方が確実だ。

OoO。「Out of Office(不在)」もたまに目にする。他に優先してやりたいことがあって、邪魔されたくないような場合に、いわば「居留守」を装うときにけっこう重宝する。

EOD。「End Of Day(その日の終わり)」もよく目にする。特に海外取引だと、相手先との時差の関係を頭に入れておかないと、うっかり真夜中に仕事をする羽目になるので要注意。

EOB。「End Of Business(終業時間)」は、上のEODとセットでよく使う。先方がEOBを指定してきても、「EOBは難しそう。EODではどうか?」と交渉してみて相手がOKなら、数時間稼げることになる。ただ、よく考えると、会社によって、また人によって仕事を終える時間は違うはずなのだが、互いに何となくわかったようなふりをして「終業時間」を使っているのは不思議だ。

FYI。「For Your Information(ご参考までに)」もたまに使う。相手は、軽い気持ちでおまけの情報を書いてくれていることが多いのは間違いないが、たまに重要な情報が埋もれていることがあるので要注意。

なお、上に書いたことは、あくまで筆者の個人的な経験に基づく所感なので、「FYI」として読んでほしい。

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