電話は "絶滅危惧種" か?

このところわが家の電話機が鳴らなくなった。それだけではない。受話器を持ってダイヤルすることもなくなった。つまり、電話がかかってくることも、こちらから電話をかけることもほとんどなくなった。

電話機が鳴るのは週に2、3回程度だろうか。通話の発信履歴を見ても発信回数は月当たり一桁台が続いている。

人づきあいが減ったわけではない。仕事のペースもここ数年変わらない。コロナ禍のため、対面で人に会うことが減った分、自室にいながら人と連絡を取り合う機会はむしろ増えたはず。でも電話で人と話す機会はめっきり少なくなくなった。もっとも、LINEやZoomなどを使ってリアルタイムに人と会話することはたまにあるのだが。

それに代わり、メールやその他の通信アプリ、ソフトウェアなどでやり取りする回数は、実数をカウントするすべもないのだが、おそらく増えた。それだけでなく、商品を注文したり、何か問い合わせしたり、手続きをしたりするのはほとんどネット上で済ませてしまうようになった。こういったことも、電話でやり取りしながら物事を進める機会が減る理由なのだろう。

先日、うっかり携帯電話を持って出るのを忘れた。家に連絡することがあったのだが、手元に連絡手段がない。しかたなく、公衆電話がないかあたり見回したが、どうも見つかりそうもない。結局諦めた。

物心がついたときからネット環境に囲まれ、手元にいつもスマホがある世代の人たちは、公衆電話の使い方がわからないという。当然だろう。公衆電話自体が減ったうえに、使う機会もないのだから。おそらく若い世代の人の家では固定電話も置いていないところも増えていることだろう。

そう考えると「携帯電話」という言い方もいずれ死語になるのかも。さらには、そのうち「電話ってなに?」と言い出す人も出てくるかもしれない。

電話機以上に影が薄くなっているのはFAXだろう。わが家の電話兼用FAX機でもFAX機能はもう1年以上使っていない。FAXを受けることも送信することもほとんどなくなった。すべてネット上でのやり取りで完結してしまうからだ。FAXが使えない人も増えているはずだ。

電話もFAXもいずれ絶滅していく運命にあるようだ。時代の流れに逆らう気持ちはないが、考えると少し寂しい。

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