見出し画像

茶店を巡る冒険と浅草・千束ワンダーランド その1・「しゃん」のこと。

今週は浅草に4泊という、私にしては珍しい長逗留ウィークだったので、すこしそれにまつわる話を。

古き良き昭和の喫茶店しゃん。

友人に紹介されて、国際通り沿いの宿から足を伸ばして千束商店街にでかけたのは、昼下がりのことだった。

もう11月だというのに、少し暑い。


酉の市の準備で人と物が行き交っている。

大鷲神社から吉原弁財天へ

酉の市の準備に忙しい大鷲神社(おおとり神社)で柏手を打ち、巨大な木製のオカメを右手で3回ほど撫でた後、吉原弁財天で柏手を打つべきか、手を合わせるべきか、を30秒ほど悩んだ後、鳥居の存在を思い出して迷いながら柏手を打った。


吉原弁財天の入り口

柏手が正しかったのか?それとも間違いだったのか?を悩みながら右にゆっくりカーブする道をとぼとぼ歩き、左に折れたところに商店街がある。

「しゃん」のこと。

しゃんがあるのはその商店街の一角だ。


店内は撮影禁止。寛げる空間を守る配慮ですね。

ガラスが嵌め込まれた、茶色いペンキ塗りの扉を押し開けると、タバコの香り。

「あー、喫茶店だ」と内心でつぶやくと同時に、奥から二番目の二人がけのテーブル席に案内される。昭和生まれの人間にとって喫茶店というものは、多かれ少なかれタバコのニオイとともに記憶されているものなんじゃないかと思う。

昔は、煙草のみとってはおおらかだったし、そうでないものも喫茶店にたばこのみがいるのが当然すぎて気にもとめなかったものだ。

てな、感じでタイトルに文章のテイストを寄せてみましが、けっこう大変ですね。この書き方は。

しゃんのマスターが入れてくれたコーヒーとても美味しかったです。

あと、のりトースト!初めての味でしたが、懐かしい。

そういえば、うちの母方のじいちゃんが、トーストにバターを塗って海苔を挟んで食べてたなあ。
しゃんさんののりトーストはそこに、塩をして水を切ったきゅうりが挟まっていてめっちゃ美味しかった〜

地元の方たちに愛されていて、おそらく店内の7割は常連さんだと思う。看板娘のお姉さんがとても感じが良かったです。

けっこう立ち入った話が出し抜けに始まったりして、あーそうかここは常連さんにとっての居間なんだななんて思ったりしました。

なんていうんですかね、わたしのような出張者なんてものは地元の人にとっては異邦人なわけですよ。
はっきりいって、人様の日常生活に突然入り込んでいるようなもんなわけです。


地元の人にとっての日常の場にズカズカ入り込んで、しかもすぐに立ち去るだけのそんざいなのだから、お邪魔させてもらっているという謙虚さは必要だよねと思ってます。


まあ、これは浅草に限った話じゃないけどね。


京都でも奈良でも同じことで、そこに生活している人がいることは常に意識してます。観光業が生業の人だけが、そこに暮らしているわけじゃないんだし、観光業の人だって仕事を離れれば生活者なわけだから、生活者の生活者としての生活を異邦人としてはせめて邪魔しないようにしたい。


ホッピー通りもいいけど、生活者が息づく浅草も味わい深いなと感じさせてくれる良い喫茶店でした。

このあたりに来ることがあったら、またお邪魔しよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?