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「○○させていただいています」とは誰に断っているんだろうか?

このコロナ自粛中、オンラインセミナーを何本か受けたんだけど、その中の1人の講師のしゃべり方がどうも気になって仕方なかった。
あんまり気になるからメモってみた(笑)

「・・・事業をさせていただいております」
「・・・在宅勤務をさせていただいております」
「・・・業務をやらせていただいております」

自己紹介の間だけで何回言っただろう。その「させていただいたいる」のは、いったい誰に断ってるんだろうか。普通に「・・・しています」でいいと思うんだけど。

そして連発すると謙遜でも何でもなくなる。しかも講師の活舌が悪いもんだから、サ行が耳についてウザい。

「事業をさせていただいております」→「事業を行っております」
あなたが勝手にやってる事業でしょうから別に私たちに断らんでいいよ、どうぞどうぞご自由にってな感じ。

「・・・と書かせていただいております」→「・・・と書いております」
「・・・とご説明させていただきましたが」→「・・・と説明しましたが」

もう、本当にウザい。短くシンプルでいいんじゃないの?しかもいちいちセンテンスが長くなるんだよね。

「では本題に入らさせていただきます」
ふ~っ、、、しかもそれ間違ってるし。※「さ」は要らない


この講師に限らず「させていただきます」と言う人が、最近急激に増えた気がするのは私だけだろうか。

そして私は密かに、その原因が「ビストロスマップ」にあるのではないかと思ってる。

SMAP×SMAPという番組のコーナーで、中居クンが大きな声で「オーダー」と叫ぶ。
「○○作らさせていただきます~」※何度も言うけど「さ」は要らない

この時の中居クンがまた、活舌が悪く「作らさせて」でやたら息が抜けるので、それがまた耳につく=印象に残るのだ。
これを聞いた時「何?」と思ったのは私だけか??バカ丁寧な上に間違っているのが気になってしょうがなかった。

この頃から、若い人の間で「させていただく」文化が形成されたのではないかと踏んでいる。それまで「させていただく」はビジネスシーンで使う言葉だったのに、だんだんと学生でも口にするようになった気がする。

丁寧でいいじゃないかと言う人もいるけど、私は反対。

「させていただく」の言葉が流行るのと一緒に、「KY文化」も根付いたと思う。「させていただく」と誰かの許可を得る言葉を発しているうちに、謙遜が当たり前の忖度文化がどんどんひどくなる気がする。

「させていただく」と言うと、自ら主体的に「やっている」はずなのに、責任逃れしているように聞こえる。あなた(世間)の許可を得たのだから私には責任がない、とでも言うように。そして自信がなくて常に周囲の許可を得ている、そんな人間が出来上がるような。

考えすぎ?

外国語にはない謙譲語を、重ねてひねくり回して余計なことをしているように感じるんだけどなぁ。


ところで、この前後に受けた5本のセミナーのうち、「させていただきます」ほぼ使わない講師が2人、肝が据わっている感じが心地よかった。
どちらも女性。
やっぱり男性の方が忖度文化が根深いのか。。。。

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