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これからのビジネスと女性思考

10年ほど前、女性5人でレクラと言う団体を作って活動していたことがある。全員が主婦でありフリーランスであり「主婦・ママたちを元気にしたい」という共通の想いを持っていた。一緒にランチ会を主宰し、たくさんの女性たちと出会い、時には企業の人を招待して紹介し合い、お互いに刺激し合うことで「女性×マーケティング」をテーマにそれぞれが仕事を生み出していた。

そんな時、周囲の人によく言われたのが「あなたたちお互いがライバルじゃないの?なぜライバル同士手を組むの?」「紹介し合ったらお客を取り合うんじゃないのか?」ということ。この発言をするのは100%男性。私たちはこの発言にとっても違和感を持っていた。

似たようなことをしているから確かにライバルなのかも知れない。でも、私たちはそんな風に考えたことはない。まだ世の中に新しい考え方なので、力を合わせてマーケットを広げていくことの方が重要だと思っていた。それに、多くのチャンスがあるとしたら、それを独り占めするつもりもないしその力もない。力を持たない女性同士、仲間と集まることで全体のパワーをアップさせたいと思っていた。

この考え方は今の時代にもマッチしているのかなと思う。既にあるマーケットのシェア争いをしているのがこれまでの時代だとしたら、今はどんどん新しいマーケットを生み出してそれを育てていく時代。となると、私たちのような女性的思考は求められていると思う。実際、新しい業界、ベンチャー企業、若者たちの中では、シェア、コラボ、コミュニティ、など、私たちと同じような思考に溢れてきた。

これまでのビジネス界はほとんどが男性たちの思考で埋められていた。私たちは「それがビジネスというもの」と教えられ、何となく感じる違和感は、個人の問題だと思ってそれを封印していた。多くの女性が同じような感覚を持っていたことを知らずに。けれど今こそ封印を解くときがやってきた。重厚長大の拡大路線が終わり、細分化・多様性の時代になった今、育み・親しみ・細やかさなど女性が得意とする思考がビジネス界の中で非常に重要になってきた。そんなことを多くの女性に知ってもらいたい。

女性は横並び意識が強く仲間づくりか得意なので、シェアやコラボに向いている。同じ目的のためなら、隣の部署やライバル企業と手を組むことも難しくない。大より小に目が向くので、細分化された顧客対応やきめ細かなサービスの開発ができる。タテ社会に忖度しないので、上司の顔色を窺わず隠ぺいに加担しないなどなど。男性のモノサシに合わせるのではなく、私たちならではの感性に自信を持って、それぞれの現場で思いっきり力を発揮してもらいたい。違いを埋めるのではなく認め合うことがダイバーシティなのだから。

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